18.09.27  更新:18.11.01

Q

血流改善で肌のくすみを解消しよう!

朝起きて鏡を見ると、顔色の悪さが気になります。寒いわけでもないのに、全体的に青白い感じ。メイクで色味をプラスしても、不健康そうな印象は変わりません。肌のくすみに悩んでいるときは、どのようなことをすればよいのでしょうか?すぐに実践できるくすみ対策を教えてください。

専門家からの回答
顔全体が青暗いときは血行が悪い状態かも。ストレッチや食事、生活習慣の改善で血流アップを心がけましょう。
3行でまとめると?
  • 血が巡ることで各所に必要な酸素や栄養素を届けることができる
  • 血液の流れが悪いと肌のターンオーバーが乱れ、くすみが起こりやすい
  • ストレッチ、ツボ押し、生活習慣を改めて血流改善を

目次

血行不良で引き起こされるトラブルとは?

化粧品売り場を眺めていると、「くすみ」という言葉をよく目にしますね。でも「くすんでいる」とは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか?また、肌がくすんでいるとき、体の中ではどんなことが起きているのでしょうか?

人間の体は、脳や心臓などの臓器をはじめ、筋肉や骨、神経など、多くの器官 で構成されています。血液は、体内に存在する主な水分であり、人間の体の中には、体重60kgの人で約5リットルの血液が流れています。

血液は、その8割が水分でできており、体重に対して7~8パーセントの水分量にもなります。ひとりにつき、大きな2リットルペットボトル約2~3本分もの水分量…手で持ち運ぶなら重くて大変ですね!

血液は、造血器官である骨髄において絶えず新しく作られていて、体の中では常に新旧の血液交代が行われている状態です。

血液は、体中に張り巡らされた動脈や毛細血管を通って、各器官や手足のすみずみに運ばれていき、各所に必要な酸素や栄養素を届ける役目を果たしています。同時に、体の中から二酸化炭素や不要な老廃物を回収してまわり、体の働きを正常に保って、人間の生命活動を維持しています。

血液が全身をくまなく巡るこの流れが「血流」や「血行」という言葉で表現されているのですね。

さて、心臓はこの血液を循環させるポンプの役目をしていて、毎分4~5リットルの血液が全身を一周しています。この循環が滞りなくスムーズに行われるとよいのですが、さまざまな原因によって血液の流れが妨げられると、全身の血の巡りが悪くなる「血行不良」の状態になってしまいます。

肩こりや腰痛・冷えなどの慢性的な体調不良

血行不良によって現れるのは肩こりや腰痛、冷え性など、誰もが一度は経験する「よくある」不調。これらは、慢性的な体調不良や、病気の原因ともいわれています。生理のトラブルに悩む女性にとっては、特に辛い不調のひとつですよね。

血行不良の状態が続くと、手足の末端が冷える、体の疲れがなかなか取れない、眼精疲労、頭痛などのほか、生理不順、月経困難症、生理痛が強いなど、女性特有の不調につながるともいわれています。

くすみなどの肌トラブル

血行不良は、体の不調だけでなく美容面においても大敵。血液の流れが悪いと、肌にくすみが生じます。くすみによる肌の変化は、どのように現れるのでしょうか?

温かいお風呂に入った後は全身がポカポカと温まり、自然な赤みのある顔色になっていますが、冬場に外出すると、冷たい外気にさらされて白っぽい顔色になりますよね。このように、血液の流れは常に環境や生活の影響を受けています。

血液は、体中に張り巡らされた血管を通って、細胞のすみずみにまで酸素を運び、老廃物とともに戻ってきます。血液の流れが滞ると、血液中の酸素濃度も不足し、細胞が働くために必要な酸素や栄養が行き渡らない状態に。全身の毛細血管を巡る血液の流れがよくないと、肌表面の血色も悪くなります。

さらに、この状態が続くと、細胞に栄養が血流やうまく運ばれず、肌の新陳代謝に必要な物質も不足し、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)も遅れがちに。古い角質がなかなか入れ替わらない状態となり、肌表面に厚く重なった結果、くすんだ状態になっているのです。

血流が滞り、顔色が青白く沈んでいると、肌から透明感が失われます。くすみがひどくなると具合が悪そうな様子になり、チークやリップで色味をプラスしても、どこか不健康な雰囲気に。肌の明るさはその人らしい本来の色ではなく、暗く沈んでトーンダウンしてしまいます。老けた印象を与えているかもしれません。

ちなみに、肌のくすみについては「くすみ」と一言でいってもさまざまな症状があり、くすむ場所や現れ方によって原因は少しずつ異なります。

「血行不良によるくすみ」は、冷えや疲れで現れやすいので、多くの人が経験していることでしょう。目の下に青黒いクマがあったり、肌の自然な血色が失われて、肌全体が青白い雰囲気になります。弾むような弾力やツヤも欠けたような印象に。睡眠不足や過労が続き、しっかりと心身を休める時間がとれないと疲れは顔に出てしまいますよね。

そのほか、冬場に多いのは、肌がカサカサに乾燥して茶褐色に見える乾燥くすみ紫外線が原因で肌が黒ずんでしまうメラニンくすみは、悩んでいる方も多いでしょう。体内のタンパク質と糖が結び付く糖化の現象による黄ぐすみは、近頃注目されています。また、肌の生まれ変わりであるターンオーバーが何らかの原因で遅くなると、古い角質が厚くなる角質肥厚(かくしつひこう)の状態に。肌色は褐色がかったグレーになります。
くすみの原因はひとつではなく、複数の要因が重なることによる手ごわいくすみもあります。

血行不良を招く原因は思い当たることばかり!

肌のくすみは、血流の悪化が関係して起こることは、分かりました。では、どんな場合に肌に栄養が届かなくなるのでしょうか?

実は、血液の流れが悪くなる原因は、誰もが思い当たることばかり。冷房の効いた部屋での仕事、長時間座る、パソコンやスマートフォンの使いすぎ、睡眠不足やストレス、栄養の偏り…日常でよくあるこのような場面は、すべて血行不良の原因となっているのです。具体的にどんなことが血行不良を招いているのか、意識しておきましょう。

運動不足

多くの人が悩む運動不足は、血行不良の大きな原因です。
座っている時間が長いと、同じ姿勢で筋肉が凝り固まることになり、下半身だけでなく、全身の血流が滞る原因に。

移動に必ず車を使う生活も、運動不足の原因になるでしょう。仕事の合間に簡単な体操をする、椅子から立って伸びをする、家事で積極的に体を動かす、ウォーキングやストレッチを生活に取り入れるなど、簡単で小さな運動を繰り返すことで筋肉もほぐれ、血液の循環がよくなって血流もアップします。

栄養の偏り

忙しいから、手軽だからと、コンビニやスーパーのお惣菜が多くなっていませんか?
簡単に食べられる反面、脂質やエネルギー量が多いのに必要な栄養素は不足しがちになります。基本的な五大栄養素が不足した食事を続けると、細胞や臓器は体の調子を整えるために必要な働きができなくなります。

鉄分やビタミンが不足し、新しい血液が作られるスピードが遅くなると貧血気味になり、血流も滞ることに。また、献立も、主食・副菜・主菜・牛乳&乳製品・果物と食品群を意識して、バランスよくとれているでしょうか。肌や美容の面だけでなく、体を維持する機能は、日に三度の食事によって保たれています。

睡眠不足

人は眠っている時間に、体中の血液を循環させて、細胞の新陳代謝を行います。傷んだ細胞の修復をする「成長ホルモン」が分泌されるのも睡眠時で、日中の活動でダメージを受けた細胞は、眠っている間に修復されます。

睡眠時間が短いと成長ホルモンの分泌も減ってしまううえ、眠りによって全身の血液が循環する時間も短くなって、細胞に十分な栄養を届けるために必要な血流量も不足してしまう結果に。肌のくすみは、日々蓄積された睡眠不足の結果ともいえるでしょう。
忙しい現代では、良質の睡眠をとる努力が必要です。

ストレス

ストレスは末端神経に影響し、毛細血管を収縮させる働きがあります。血行が悪くなると、頭痛や疲労に悩んだり、筋肉の緊張が解消されにくくなり、体への高い負担が続くことに。喫煙も同じように、毛細血管の収縮を招きます。

体の冷え

冷房の効いた部屋で過ごす時間が長いと、血行は悪くなります。
寒い環境で過ごす時間が長いという外的要因のほか、体を冷やす食べ物を好んで食べたり、冷たいコーヒーを一日に何杯も飲んでいるなど、内側から起こる冷えもあります。全身の血流が悪くなると新陳代謝も下がって、むくみや肌のくすみを招く大きな原因に。

筋肉や臓器の衰え

加齢によって体の機能が衰えると、筋肉量が減って代謝が落ちていき、体内の臓器に流れる血流量も減っていきます。食事でとるエネルギー量の調整だけでなく、体の機能を衰えさせないために、筋肉を維持する継続的な運動を心がけましょう。

ホルモンバランスの乱れ

40代前後で女性ホルモンの分泌が減り始めると、黄体ホルモンの分泌も不安定になって冷えやのぼせ、体温調節がうまくいかなくなるなどの諸症状が現れることがあります。
これらが即くすみにつながるわけではありませんが、生理や美容の観点からも、血行不良とならないように気を付けて過ごしたいですね。

体の歪み(ゆがみ)

足を組む、片方の肩にカバンをかけるなどのくせがある人は要注意。体の同じ部位にいつも負荷がかかっていると、その部分の骨格が気付かないうちに歪んでいきます。骨格の歪みは筋肉や血管を圧迫し、血液の流れが妨げられる大きな原因に。
オフィスで常に座っているなど、長時間同じ体勢を続けていると全身の血流は悪くなります。

血流改善に役立つ方法を知りたい!

現代人の生活には、血液の流れが悪くなる要因がたくさん。血流改善のポイントを知って、日常生活に取り入れましょう。

運動&ストレッチは積極的に

長時間同じ姿勢で座っているのは、血流が滞る大きな原因に。軽い運動やストレッチで定期的に体を動かしましょう!

椅子から立って全身を大きく伸ばしたり、首や肩をまわして筋肉をほぐすなど簡単なものでもOK。入浴後のストレッチや、ヨガもおすすめです。凝り固まった筋肉がほぐれ、関節を動かすことで血管も伸縮するので、全身の血流がよくなります。

手足の冷えや腰痛に悩む人には、特におすすめ。日中はもちろん、朝起きた後、入浴後、寝る前など全身の血流量が増えるタイミングで行うと、より効果的です。軽い運動は、副交感神経を優位にして全身をリラックスさせる効果もあるため、疲れているとき、元気の出ないときにも取り入れてみてください。

[ 1 ] リラックスした状態で椅子に座ります

[ 2 ] 両肘を外に開き、手のひらを胸の前でグーにします

[ 3 ] この状態のまま肘を背中の方に引っ張り、肩甲骨を中央に寄せます

[ 4 ] その後、手のひらを一気に手前に突き出し、指を上向きにしっかりと伸ばします
5秒間この状態をキープした後は、一気に力を緩めていきましょう

ツボ押しで血流アップ

顔周り、首周りは血流を促し、自律神経の働きを整えるツボが並んでいます。特に、目の周りにあるツボは血流にかかわり、むくみやくすみに効果的なツボが多数。

頬骨の最も高いところを中心に、気持ちいいと感じるところを「指で軽く押して、離す」を数回繰り返しましょう。鎖骨の流れに沿って、手のひらで軽くなでるのも、血流とリンパの流れを促します。仕事や家事の合間にできる「ながら運動」として取り入れたいですね。

温熱シートでも血流アップ

市販の温熱シートで、冷えやすい部位や血流の滞るところを温めることができます。首筋などに直接貼るタイプのほか、衣服に貼るタイプやサポーターで固定するタイプなどがドラッグストアで販売されています。

体温より少し高い40℃前後で温められ、貼った部分から血流がアップして、全身がポカポカと温まります。同じ姿勢で凝りやすい肩や首筋、腰などに使うと効果的でしょう。

また、入浴時は全身を温める好機会。忙しくてもシャワーで済ませず、バスタブにお湯を張ってきちんと温まりましょう。お湯の温度は38℃~40℃くらいがおすすめ。ぬるめのお湯に10分程度つかると、しっかりと全身を温めることができます。

食生活で血流アップ

血流改善に効果のある栄養素ビタミンE(α‐トコフェロール)を取り入れましょう。毛細血管に影響し、肌の明るさや冷え、頭痛、肩こりなどに効果があることが分かっています。

特に、以下の食材などに多く含まれます。

・アーモンドや落花生などのナッツ類
・緑黄色野菜
・モロヘイヤ
・オリーブ
・アボカド
・マンゴー
・ベリー類
・抹茶
・しそ
・たらこ、すじこ、いくらなどの魚卵
・うなぎ
・鮭
・いわし
・ひまわり油

また、これらの食材はすべて抗酸化作用の高いものばかり。細胞の酸化を抑えて、肌や体の各器官を健康に保つ働きがあります。

一度に栄養を摂るのは負担が大きいので、三度の食事で分けて取り入れるのがおすすめ。朝ごはんには果物を添え、おやつには食べやすいアーモンドやナッツ類。抹茶ドリンクをプラス、夕食ではタンパク質を意識する、というように続けやすい習慣で取り入れることも大切です。

鮭のムニエルにかぼちゃやブロッコリーをゆでて添える、切るだけのアボカドをプラスする、オリーブオイルやしそなどをドレッシングに使うなどで、日頃の習慣に工夫を加えてみてください。

また、近年マーガリンはトランス脂肪酸の悪影響に注目されて敬遠されがちですが、ビタミンEの含有量は食材の中でもトップクラス。トランス脂肪酸含有量の少ないものを選ぶ、使い方に気をつけるなどの工夫があれば、血流改善の心強い味方になりそうです。

体を内側から冷やさないように、冷たいものはほどほどに、暑い時期を過ぎたら、飲み物もなるべく温かいものをとりましょう。自律神経を整えるしょうがやシナモンをプラスしたり、体を温める栄養面でも優れたココアは特におすすめです。

漢方やサプリで血流アップ

基本的な生活改善にプラスして、血流促進に効果のある漢方薬やサプリメントで栄養素を補う方法もあります。冷えや肩こり、慢性的な症状に悩む人は、血流を改善する漢方薬が効果的な場合もあるため、専門医に相談して処方してもらいましょう。

サプリメントを飲んでいる人も多いのですが、これらは血行を阻害している習慣を改め、積極的な運動、食事バランスの改善を行ったうえで取り入れたいもの。サプリでとっているから取らなくていいや…と役目を丸投げするのではなく、現状をサポートする補助的な役割として考えてくださいね。

くすみは、ある日突然ではなく、少しずつ忍び寄るもの。肌の調子だけでなく、血行不良は全身の不調を招く悪循環でもあります。日頃から血流を意識して、くすみやすい習慣を見直して、肌にも体にもやさしい健やかな生活を送れたら理想的ですね。

私がお答えしました

皮膚科医 小林智子
「ドクターレシピ」にて医師が監修するレシピを紹介。自身の経験を活かして、スキンケアをお手伝いいたします。

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