18.09.27  更新:18.10.31

Q

たるみの原因は表情筋の衰え?そのメカニズムとは

鏡を見ていると、頬全体のたるみが気になります。日焼けにも気を付けて、スキンケアも丁寧にしているつもり。思い当たる原因がないのですが…何が原因でたるみは進むのでしょうか?

専門家からの回答
加齢や肌老化のほか、表情筋の衰えもたるみを進行させます。表情筋のエクササイズを取り入れて、進むたるみに対処しましょう。
3行でまとめると?
  • 加齢や肌老化のほか、表情の変化が少ないとたるみの原因に
  • 表情筋の衰えは真皮の働きの低下、むくみも関係する
  • 表情筋を鍛えるエクササイズと、生活習慣の見直しで対処を

目次

いつの間にか差が…ハリのある肌とたるみ肌の違いとは?

エイジングサインのひとつである「たるみ」は少しずつ進みます。シミやシワと同じように加齢による変化のひとつですが、「紫外線でしみが増えた!」というように、直接結びつく原因がパッと思い当たらないことも多いかもしれません。普段から、具体的なたるみケアを意識している人は少ないのではないでしょうか? 加齢だけでなく、日常生活に変化があると、20代でもたるみは起こります。ハキハキと会話することが少なくなった、ほうれい線を気にして笑顔が減った、表情がコロコロと変わるような刺激がない…など、顔の筋肉をしっかりと使っていた生活が変わると、急に衰えが目立つことも。以下のたるみチェックで、ひとつでも当てはまることがあれば、今日からたるみ対策をはじめましょう!

□ まぶたや目の下の皮膚が下がっている
□ 頬全体のハリがなくなった
□ 頬の毛穴が縦長のだ円形に広がっている
□ ほうれい線が目立ってきた
□ 口角が下がって自然とへの字になる
□ 顔が大きくなったと感じる
□ フェイスラインが丸みを帯びてきた
□ 二重アゴが気になる
□ こめかみの肌を上に引っ張ると若返った印象になる
□ 頬とアゴと首の境目があいまいになってきた
□ 寝た状態で顔を見ると若く見える

肌のたるみはなぜ起こる?

たるみは老け顔のはじまり。誰にでも起きる変化のひとつですが、どんなことが原因で肌が変わっていくのでしょうか?

真皮の働きの低下

肌は大きくわけて「表皮」「真皮」「皮下組織」の三層の構造になっています。皮膚のたるみは、表皮の下にある「真皮」層の働きが低下したことで起こります。20代では細胞内でコラーゲンやエラスチンが絶え間なく生み出されますが、加齢とともに生成が減って40代後半ではほとんどゼロの状態に。

顔のむくみ

塩分の多い食事をとった後、水分の取りすぎでむくんでいませんか?慢性化すると、目や頬のたるみ、フェイスラインのゆるみに繋がってくることも。

顔のむくみによる肌のたるみについてはこちらで詳しく解説しています。

顔のたるみにむくみがむくみが関係している?その原因とは?

顔のむくみによる肌のたるみについて医師が解説します。

表情筋の衰え

表情筋の衰えは、たるみの大きな原因です。表情筋を衰えさせる行為は、誰でも思い当たるのではないでしょうか。会話や笑顔が減った、噛まないで済む食べ物が多い、スマホを見ている時間が多いなど、顔の筋肉を使わない生活をしていると、たるみが進みます。表情が豊かな人は顔全体が引き締まった印象ですが、これは笑ったり、話したりすることで顔全体を司る骨格筋をしっかりと動かしているから。

同じように、アゴを使ってよく噛む食生活をしている人も、口周りの筋肉をよく使い、顔全体にある咀嚼筋(そしゃくきん)をよく動かしています。これらの動作は、小顔を作る自然なエクササイズであり、無意識にトレーニングを行っている状態です。「顔の筋肉を動かす」ことは、たるみ予防にとても効果があるんですね。それでは、毎日知らずに動かしている顔の筋肉とは、どんな作りになっているのでしょうか?

表情筋とは、顔全体に張り巡らされた筋肉のこと。
表情を変え、喜怒哀楽を表すときに使われていて、左右合わせて約20~30種類あります。目線を上げる、鼻や口元、唇、舌などのちょっとしたパーツを動かすたびに、表情筋はその役割を果たしています。表情が豊かな人でも、全体の3割程度しか使っておらず、この筋肉が衰えるとたるみやシワの原因のひとつに。

筋肉なので、もちろん骨や神経ともくっついていて、表情筋はすべて、顔面神経によって動かされています。どんな表情をしたときに、どの部分の筋肉が使われるのか?イラストを参考にして、実際に動かしてみるとよくわかります。

●前頭筋(ぜんとうきん)
額や眉毛の上にあり、眉を上げ下げする筋肉。
衰えると、おでこの横シワが目立ちます。眉間のシワとはまた別ものです。

●眼輪筋(がんりんきん)
まぶたの開け閉めをする筋肉。
目元を囲むようにあり、上まぶたのたるみや目尻のシワの原因に。

●大頬骨筋(だいきょうこつきん)
口角をキュッと大きく引き上げる筋肉。
笑顔が減って衰えると、頬のたるみが目立ってきます。

●頬筋(きょうきん)
口角を外側に引き上げる筋肉。
頬をすぼめたり開いたりします。食べる、飲むときの口元の動きに大きく影響する。会話が減って衰えると、口角が下がってくるように。

●口輪筋(こうりんきん)
唇の周りにあり、表情筋の中で最も大きい筋肉です。
複雑な口の動きを支えていて、表情筋の7割に関係しているとも。口元のたるみ、シワに繋がります。

●笑筋(しょうきん)
口角の周りに放射状にある筋肉。
笑顔になったときに、えくぼをはじめとする頬のくぼみを作っています。

●オトガイ筋(おとがいきん)
唇の下にあり、アゴを持ち上げる動作をする筋肉。
アゴのラインを引き締める筋肉で、衰えると二重アゴが目立つように。

表情筋の衰えによる肌のたるみについてはこちらで詳しく解説しています。

たるみの原因は表情筋の衰え?そのメカニズムとは

表情筋の衰えによる肌のたるみについて医師が解説します。

表情筋トレーニングで、積極的にたるみ予防!

仕事や家事など、ひとりの時間に無表情が続くと、表情が乏しくなってたるみは進んでしまいます。お風呂あがりや休憩中、家事など何かをしながらの「ながらエクササイズ」はおすすめ。

[ 1 ] 口を大きく開けて「あ」「い」「う」「え」「お」を発音。ひとつひとつの言葉を区切りながら発音し、動いている筋肉を意識してください。

[ 2 ] 顔全体を中央に集めるようにギュッと引き寄せます。その後、目も口も少し痛みを感じるくらいに思い切り開きます。目を開くときは、目だけを大きく見開き、額にシワが寄らないようにしましょう。慣れないうちは、おでこを手で抑えると額にシワが寄りにくくなります。

[ 3 ] 次に、口を閉じたまま舌をぐるぐると回します。唇と歯茎の間をマッサージするように大きく回転させましょう。右回り・左回り各10~20回繰り返します。

[ 4 ] さらに、風船を用意し膨らませることを繰り返すと、表情筋はもちろん、インナーマッスルを鍛えることもできます。風船を膨らませるときは、頬は膨らませずに顔とお腹の筋肉を意識して膨らませましょう。

頭皮やこめかみのツボを軽く指で押したり、血行を促すマッサージもフェイスラインをすっきりさせる効果があります。ただし、やりすぎは禁物。肌を強く引っ張って皮膚を伸ばさないように注意しましょう。肌や筋繊維も傷み、余計にたるみが進んでしまいます。

生活習慣の改善

表情筋のトレーニングをするほか、生活習慣の改善も大切です。

睡眠
睡眠は、心身にとって健康の基本。眠っている時間に、肌や筋肉、骨などすべての体組織が傷ついた細胞を修復し、新しい細胞に生まれ変わります。組織の修復には成長ホルモンが必要なので、夜にしっかりと眠って成長ホルモンの分泌を促すとよいでしょう。その時間に肌や筋肉などの体組織はスムーズに交代を行い、古い細胞から新しい細胞へ生まれ変わることができるので、睡眠サイクルを整えることは、たるみ予防にとても大切なのです。

食事
三度の食事でアゴや表情筋を使うことは、たるみ改善への近道。
食生活は、よく噛んで食べることを心がけてください。肌や筋肉を作るために、必要な栄養素をバランスよく取れる定食スタイルがおすすめ。足りない栄養素を補うために品数を増やして、歯ごたえを重視した食材(根菜、こんにゃく、穀物、玄米、海藻類)などを、毎日の食事に積極的に取り入れましょう。

また、人間の体の15~20%は、タンパク質でできています。
血や肉、体組織を作るもとになる良質のたんぱく質を、毎食取るようにしましょう。赤みの肉、魚を中心に、野菜や果物を添えてバランスを強化してください。筋組織のもととなる鉄分やそれを吸収させるビタミンC、ビタミンB2、B6はとくに意識して取りたい栄養素です。

加えて、肌の乾燥はたるみの大敵です。予防的な観点からも、水分は常に多めに取るようにしましょう。

表情筋を自然に動かすなら、人と前向きな会話を楽しむことが一番!脳や体の働きも活性化し、心も元気になります。気持ちの変化は、肌の調子に表れやすいもの。人と接する時間を豊かに、毎日を健やかな気持ちで過ごせるように、心がけてくださいね。

私がお答えしました

皮膚科・美容皮膚科医 吉田貴子
皮膚科とエステを融合させた渋谷スキンクリニックの院長。臨床医として一般皮膚科と美容皮膚科、美容婦人科で治療にあたっています。

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