18.12.04

Q

エラスチンの効果とは?美肌に関係するって本当?

若い頃の肌はぷるぷるしていたのに、30代半ばの私、肌にハリを感じません。何だか肌に元気がなく、痩せてしぼんできたような気がします。美肌にはコラーゲンやエラスチンが必要と耳にしますが、エラスチンとは何ですか?肌の弾力を取り戻す方法を教えてください。

専門家からの回答
ぷるんとした弾力が肌から失われていくのは、コラーゲンとエラスチンの劣化が原因です。エラスチンの機能について知り、エイジングケアをスタートしましょう。
3行でまとめると?
  • エラスチンはコラーゲンと密接に関係して肌に弾力性をもたらせるタンパク質
  • エラスチンは20代後半をピークに減少していく
  • エラスチンを活性化させるには、肌の水分をうるおわすことが大切

目次

肌の弾力を保つ?エラスチンとは?

いくつになっても、女性は美しい肌に憧れますよね。
その美肌に有効な成分としてコラーゲンを知る方は多いでしょう。加えて、エラスチンも肌の弾力をサポートするとても大切な成分。エイジングケア成分として注目されるエラスチンの役割についてお伝えしましょう。

ぷるんと弾む肌を生むエラスチン

エラスチンは、生命維持に欠かすことができない成分。肌が柔らかく、弾力に富んでいるのは、エラスチンがあるから。ゴムのように伸び縮みをする性質が特徴で、皮膚のほか、じん帯や、肺、血管、子宮など、伸縮する部分に多く含まれています。

肌は表皮、真皮、皮下組織の3層からなりますが、エラスチンはそのうち「真皮」のなかにあります。エラスチンは真皮のうち2%を占めています。

エラスチンは不溶性のタンパク質で、なんと800個以上のアミノ酸でできています。一部は、エラスチンにしか含まれないような特別なタンパク質です。

・ロイシン
・アラニン
・グリシン
・プロリン
・バリン
・デスモシン
・イソデスモシン

また、エラスチンはトロポエラスチンという先駆体ができた後、分子同士が橋を架けあい(架橋)、束となって弾性線維のエラスチンになります。トロポエラスチンが規則正しく集合する(=コアセルベーション)ことで、肌は弾力を崩すことなくハリを保つのです。

肌の土台となる真皮には、エラスチンのほか、水分をキープするヒアルロン酸や線維芽細胞(せんいがさいぼう)で構成されます。

●線維芽細胞
コラーゲンやエラスチンを生み出す成分。

●コラーゲン
肌の強度としなやかさを生み出す、硬タンパク質の一種。真皮のコラーゲンは繊維状に重なりあった三重らせん構造で、肌の強度を作り上げています。

●エラスチン
エラスチンはコラーゲンを結びつけて網目状に構成し、肌に弾力性をもたらします。肌に含まれる量は少なく、壊れやすく、生成されるのが遅いため、なかなか入れ替わらない、という特徴をもっています。

量は少ないものの、コラーゲンを繋ぎとめて支える働きをするエラスチンがなければ、コラーゲンの効果が発揮されることはありませんから、美肌にとってとても大事な要素ということが分かりますね。

エラスチンとコラーゲンは線維芽細胞という細胞から生産されますが、線維芽細胞は20代後半から衰えはじめるため、その頃からエラスチンとコラーゲンは減りはじめ、40代には急激に減少することも覚えておきましょう。

エラスチンとコラーゲンが減少する原因とは?

エラスチンは成長期の若い頃にたくさんつくられますが、再生力は少ないといわれます。エラスチンを減少させないための対策が必要ですね。効果的な対策を行うために、エラスチンとコラーゲンがなぜ減少するのか、その原因をお伝えします。

加齢
年齢を重ねると、真皮内の線維芽細胞の活力が低下していきます。そのため、自然にエラスチンとコラーゲンの生産量が減っていきます。

紫外線
紫外線を浴びすぎると、肌を外部の刺激から守る表皮のバリア機能が衰えてしまいます。すると、紫外線は真皮まで届くようになり、エラスチンやコラーゲンを破壊したり、劣化させてしまうことに。生産工場である線維芽細胞も傷つき、活力を失っていくために、新しいエラスチンとコラーゲンを生産することができなくなります。

糖化
体内で起こる糖化は、エラスチンやコラーゲンを劣化させる大きな原因です。
糖化とは、「焦げ」のこと。たとえば、小麦粉に砂糖、卵、牛乳を混ぜてホットケーキを焼けば、こんがりと色づきますね。この焦げの正体は、砂糖の糖質と卵と牛乳のタンパク質が過熱されてできたもの。これを糖化と呼びます。

タンパク質のエラスチンやコラーゲンは、糖と結びつくと焦げた状態になって、劣化してしまいます。この糖化が進むと、肌が老化して、くすみやたるみ、シワなどの症状がでてきます。

酸化
体内の酸化も、エラスチンとコラーゲンを劣化させ、老化を早める大きな要因。
体の酸化とは、金属のように体が「錆びる」こと。その原因となるのは、活性酸素。体内にはもともと活性酸素を分解する酵素がありますが、ストレスや紫外線、喫煙、大気汚染などによって、その分解酵素が減少してしまうため、活性酸素が体内に蓄積されて、体が酸化していきます。
酸化が進むと、エラスチンとコラーゲンが劣化し、肌荒れ、くすみ、シワ、たるみを引き起こします。また、体にも影響を与えて、成人病リスクの増加にもつながります。

エラスチンとコラーゲンの減少を防ぐには?

エラスチンとコラーゲンを維持し、減少を防ぐには、エイジングケアを的確に行うこと、そして原因にアプローチすることが大切です。大切なエラスチンとコラーゲンを減らさないための方法をお伝えしましょう。

キーポリンブースター成分に注目!

エラスチンとコラーゲンが減少した肌の状態は乾燥しているため、保湿成分にこだわったスキンケアアイテムを選ぶことが大切です。今、エイジングの希望の光といわれる3つの新しい保湿成分「キーポリンブースター」が注目されています。

・ヤグルマギク花エキス…地中海沿岸に分布する草花のエキス
・アマモエキス…日本の沿岸部でもみられる海藻のエキス
・モモ葉エキス…桃の葉から抽出したエキス

この3種のエキスの総称をキーポリンブースターと呼びます。
皮膚の細胞膜には「アクアポリン」というタンパク質が存在します。このアクアポリンは、細胞のなかへ水を通してあげる「水の通り道」。水が行き来することによって、細胞はうるおい、元気に活動することができます。

しかし、アクアポリンは加齢やストレスによって減少するため、細胞内部がうるおい不足になり、エラスチンやコラーゲンが劣化していきます。このアクアポリンを活性化させる成分が、キーポリンブースターです。

研究開発したのは、オルビス株式会社。キーポリンブースターによってアクアポリンが活性・増殖するため、繊維芽細胞も活力を取り戻し、エラスチンとコラーゲンを生産していくようになると予測されています。

肌の細胞に働きかけ、活性化させる高保湿成分キーポリンブースターは最新の研究から生まれた画期的なエイジング成分。肌のハリの低下、乾燥やくすみを感じたら、キーポリンブースター配合の化粧水をスキンケアラインに加えてみるとよいでしょう。

肌にうるおいを与える高保湿成分は、このほか、ヒアルロン酸やビタミンC誘導体、セラミド、コラーゲンなどもあげられます。

化粧水のあとは、美容成分配合の保湿液を。その後、クリームを塗って肌を油分のベールで覆うとよいでしょう。

紫外線から肌をガードする

エイジングケアの基本といえば、紫外線対策。エラスチンとコラーゲンを劣化させないためにとても大切な対策です。
紫外線は夏だけでなく、1年を通して降り注いでいます。怠ることなく光老化(紫外線による老化)を予防していきましょう。紫外線が強い日の外出には、日焼け止めはもちろん、UVカットの帽子や日傘、サングラスをお忘れなく。

また紫外線は室内にもガラスを通して降り注いでいますから、外出しない日も、日焼け止めや、UVカット入りの下地クリームを塗り、肌を紫外線からガードしてあげましょう。

食事でエラスチンをキープする

エラスチンとコラーゲンを維持するためには、栄養バランスがとれた食生活が大切です。以下の点に注意して、エラスチンを減少させてしまう糖化と酸化を食い止めていきましょう。

抗糖化のための食事
バランスがとれた食事が美肌を生み出します。ケーキなど甘い食べ物や飲み物、パスタやご飯などの炭水化物を過剰に食べることを控えましょう。糖分や炭水化物も体には必要な栄養素ですが、極端に摂り過ぎると肌はもちろん、全身の老化を早めますから、注意しましょう。

糖化を予防する食べ物は、植物繊維の多い野菜、海藻類など。特に以下に挙げるような食材は血糖値のスピードを抑えるため、糖化予防に効果的といわれています。

・ショウガ
・シナモン
・緑茶
・黒コショウ
・バジル
・リンゴ
・レモン
・ニンニク
・オレンジ

糖化が進むときは、血糖値が急激に上がるとき。糖化を抑えるために、食事をするときは、「ベジタブルファースト」で!最初に野菜やキノコ類、その後に肉や魚のタンパク質、ご飯、パンなどの炭水化物は最後に食べましょう。そうすることで、糖質の吸収を抑えることができます。

抗酸化を高める食品
緑黄色を中心にした野菜、果物、海藻、キノコ、豆類などを偏らずに食べることで、体の酸化を抑えることができます。抗酸化成分を積極的に取り入れて、抗酸化力を高めましょう。これらの食材が有効です。

・トマト
・バナナ
・大豆
・アーモンド
・キャベツ
・カボチャ
・ニンジン
・アボカド
・ショウガ
・ニンニク
・ネギ
・赤ワイン

また、酸化予防のためには、ゴボウやサツマイモ、納豆などの食物繊維が多い食品を取ることもおすすめです。

エラスチンを含む食品とサプリ
エラスチンが含まれる食べ物は、手羽先、軟骨、スジ肉、もつなど。これらにはコラーゲンも含まれています。とはいえ、これらを食べても直接エラスチンにはなりません。食事でとったタンパク質はアミノ酸に分解され、エラスチンをつくる原料の一部として使われます。

食事だけで補えない人は、コラーゲン+エラスチン配合のサプリやドリンク、またはプラセンタ+エラスチン、抗酸化作用をもつペプチド(アミノ酸)のサプリを飲むのもよいでしょう。

健康によい食事をし、ストレスのない生活を送ることは大切なエイジング対策。
肌は年齢を重ねるほど乾燥しやすくなりますから、肌が変化するメカニズムを把握して、攻めの保湿ケアを行なうことで、エイジングサインを未然に防いでいきましょう。そして、最先端のエイジングスキンケアによって肌細胞にうるおいを与え、内側からハリのあるみずみずしい肌を取り戻していきたいものですね!

私がお答えしました

皮膚科・美容皮膚科医 吉田貴子
皮膚科とエステを融合させた渋谷スキンクリニックの院長。臨床医として一般皮膚科と美容皮膚科、美容婦人科で治療にあたっています。

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