18.11.22

Q

繊維芽細胞(せんいがさいぼう)とは?活性化させるためには?

30代に入った頃から、肌からハリが消えて、肌がしぼんできたような気がしてなりません。朝起きたときについている枕の跡もすぐに消えなくなりました。肌のハリには線維芽細胞というものが関係しているという情報を聞いたことがありますが、線維芽細胞とは何ですか?線維芽細胞と肌の老化の関係について教えてください。

専門家からの回答
30代から感じはじめる、肌のしぼみ。それは繊維芽細胞が衰えてきたために起こる症状。繊維芽細胞の衰えや減少を防ぐにはスキンケアとインナーケアで対策を
3行でまとめると?
  • 繊維芽細胞は、コラーゲンやエラスチンを生み出す細胞
  • 線維芽細胞が劣化すると肌老化が進む
  • 生活習慣を改善して繊維芽細胞の衰えを防ぐ

目次

繊維芽細胞(せんいがさいぼう)とは?

30代から40代の女性の多くは、肌のハリや弾力を失って、肌のしぼみを感じているのではないでしょうか?肌がしぼむ大きな原因は、繊維芽細胞の劣化です。
繊維芽細胞が劣化・減少するのをそのまま放っておくと、シワやたるみ、キメの乱れ、たるみ毛穴など、さまざまな肌トラブルを引き起こすようになります。対策ケアを正しく行っていくために、最初に繊維芽細胞と肌の構造について詳しくお伝えしましょう!

ハリ成分を生み出す

肌は、一番外側から、表皮、真皮、皮下組織の3層から構成されています。表皮にはバリア機能があり、外部の刺激から肌を守る働きをしています。

そして、表皮の下にあるのが真皮です。真皮の70%はコラーゲンでできています。コラーゲンは網目状のネットワークを作り、真皮の弾力をサポートしています。コラーゲンのところどころに、エラスチンと呼ばれる繊維があり、コラーゲンの構造を支えています。
また、コラーゲンとエラスチンの網目状の間をヒアルロン酸が埋め尽くして、肌の水分を保っています。

ハリ・弾力の成分、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を生み出しているのが、繊維芽細胞です。繊維芽細胞は全身に存在するとても大切な細胞で、全身の結合組織(器官や組織の間を埋める組織)のなかや皮膚に存在しています。

繊維芽細胞が活発に働いている間は、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の新陳代謝がスムーズに行われるため、ハリと弾力のあるみずみずしい肌を保っています。しかし、繊維芽細胞が衰えて働かなくなると、新陳代謝は鈍り、コラーゲンやエラスチンが劣化して、肌がしぼんでいきます。

若々しい肌を保つには、真皮のなかで働きまわる元気な繊維芽細胞が必要ということです。この細胞は楕円形の核をもっていることが特徴です。また、繊維芽細胞が注目されるようになったのは、初のiPS細胞がマウスの繊維芽細胞からつくられたことがきっかけです。人のiPS細胞も、皮膚の繊維芽細胞でつくられています。

自己増殖し美肌に

繊維芽細胞は自己増殖します。細胞が自ら分裂して増えていきます。細胞が自己増殖するには、栄養が必要です。美肌をつくるためには、エイジング対策も大切ですが、まずは健康に気づかい、体を健康にして繊維芽細胞の働きを活発にすることが早道だといえるでしょう。

血管作りをサポート

繊維芽細胞は細胞増殖因子を放出しています。その因子は血管内皮細胞に働きかけて、新しい血管を作りあげます。繊維芽細胞は、血管を若々しく保つ役割も担っているのです。

女性ホルモンを増やす

繊維芽細胞は、男性ホルモン「アンドロゲン」を女性ホルモンの「エストロゲン」に変える酵素「アロマターゼ」を出すことが分かっています。

女性ホルモンのエストロゲンは、コラーゲンの生成を促したり、肌のうるおいをキープする美肌には欠かせない大切なもの。女性ホルモンが増えれば、美肌にも繋がります。

女性ホルモンは卵巣でつくられますが、30歳ごろからは卵巣より、肌の女性ホルモンが増えるという報告があります。30代は、閉経に向けて体内からエストロゲンが減っていく年代。女性ホルモンの減少を察知した体は、女性ホルモンを過度に減らさないようにするために、繊維芽細胞が酵素のアロマターゼの分泌を増やすからではないかと考えられています。

肌の損傷の修復を補助

肌が傷ついたとき、傷ついた部分に繊維芽細胞が移動し、大量のコラーゲンを作り出して、肌の修復を補助します。繊維芽細胞は、皮膚だけでなく、筋肉や骨も再生させる能力を持っています。繊維芽細胞は、健康的な肌を保つために欠かせない細胞なのです。

繊維芽細胞が減少する4つの原因は?

細胞を再生させる力を持つ繊維芽細胞。人の体に重要な働きをする繊維芽細胞ですが、さまざまな原因によって衰えていきます。なぜ、繊維芽細胞が劣化してしまうのか、その原因を知って対策に役立てましょう!

[ 1 ] 加齢
年齢を重ねることで体の細胞が衰えていくことは避けられない事実です。年齢と共に、繊維芽細胞の働きも徐々に衰えていきます。

[ 2 ] 紫外線
老化の大きな原因は紫外線。紫外線を浴びすぎると、表皮のバリア機能が衰えて、紫外線が真皮のなかまで浸透していくようになります。紫外線はコラーゲンやエラスチンを破壊するだけでなく、繊維芽細胞をも劣化させてしまうのです。そのため、肌からハリ・弾力が失われて、シワやくすみなどの肌トラブルが生じてきます。

[ 3 ] 乾燥
乾燥もまた繊維芽細胞から元気を奪う大きな要因です。表皮はバリア機能によって肌を乾燥から守っています。しかし、紫外線や乾いた空気などの理由で肌の乾燥が進むと、表皮だけなく、真皮の水分も減少していきます。そのため、真皮内の繊維芽細胞が衰え、破壊されていきます。

[ 4 ] ストレス
睡眠不足や運動不足、バランスの悪い食事など、体に与えるストレスも繊維芽細胞を老化させる原因です。ストレスを感じると、人の体内には活性酸素が多く発生します。活性酸素が発生すると、体がサビた状態になり、繊維芽細胞の働きが衰弱し、老化が早まります。
繊維芽細胞を守り、活性化するには、ストレスのない健康的な毎日を送ることが大切です。

繊維芽細胞の衰えを防ぐには?

健康と美肌に欠かせない大切な繊維芽細胞を守り、活性化させるためにはどうしたらよいのでしょうか?繊維芽細胞の衰えを防ぐ方法を知り、日々の生活に取り入れていくことで、繊維芽細胞の劣化を防いでいきましょう。

繊維芽細胞を活性化するスキンケア

繊維芽細胞を活性化させる成分として知られているのが、ビタミンC誘導体、ナイアシン、レチノール。またナールスゲンやネオダミール、プロテオグリカンなどの有効成分も繊維芽細胞を活性化する成分として注目されています。

また、繊維芽細胞増殖因子(FGF1)は繊維芽細胞を活発にする成分で、さまざまな肌悩みに効果的といわれています。なお、FGFは、ヒトオリゴペプチド-13と表記されていることが多いようです。こうした成分が入った化粧水を選び、日々のスキンケアを行っていくとよいでしょう。

生活習慣を改善する

スキンケアのほか、日頃の食生活や睡眠などに気をつけることで繊維芽細胞の衰えを防ぐことができます。

活性酸素を抑制する食事をとる
繊維芽細胞の劣化を防ぎ、元気にするために最も必要なことは、体をつくる良質のタンパク質をとりながら、栄養バランスのよい食事を一日3食とることです。

特に活性酸素の発生は、バランスのよい食事によって制御することができます。抗酸化作用が高いビタミンCやE、ミネラルやリコピンなどの栄養素を積極的にとるように心がけましょう。

●ビタミンCを多く含む食べ物
イチゴ、アセロラ、グアバ、赤ピーマン、黄ピーマン、ゆず、キウイなど

●ビタミンEを多く含む食べ物
うなぎ、たらこ、落花生、モロヘイヤ、アボカド、バジル、豆苗、ホウレンソウなど

●ミネラルを多く含む食べ物
カルシウム… エビ、カニ、牛乳など
マグネシウム… おあさ、あおのり、わかめなど
亜鉛… 牡蠣、豚肉、さば、いわしなど
鉄分… ひじき、きくらげ、あゆ、レバーなど
リン… 米、いわし、卵など
カリウム… こんぶ、わかめ、ひじき、コーヒーなど
ヨウ素… こんぶ、ひじき、わかめなど
銅… 牡蠣などの魚介類、肉類

●リコピンを多く含む食べ物
トマト、すいか、あんず、ピンクグレープフルーツなど

また、プラセンタのサプリメントを飲むといった方法も。プラセンタには、成長因子という生命体を育むために必要な成分です。この成分が繊維芽細胞に積極的に働きかけてくれるため、繊維芽細胞が活性化されるといわれています。

適度な運動をする
繊維芽細胞を活性化せるために、適度な運動を日常のなかに取り入れましょう。運動をすることで血流がよくなり、代謝がアップします。有酸素運動のヨガやウオーキング、水泳やジョギングなどで体内の代謝を高めましょう。健やかな体がつくられていくと、繊維芽細胞が活性化していきます。

質のよい睡眠をたっぷりとる
睡眠不足は老化を早める原因になりますから気をつけましょう。毎日、たっぷり良質な睡眠をとることが繊維芽細胞を活性化させることに繋がります。

就寝3時間前には食事を済ませ、お風呂に入りましょう。就寝まで好きな音楽を聴いたり、ラベンダーなどリラックスできるアロマを炊いたりして、一日の終わりにリラックスタイムを持ちましょう。
また、眠る前にスマホやパソコンを見ると神経が刺激されて眠りを妨げますから、使用は控えるようにしましょう。

徹底的に紫外線を防止する

紫外線は肌を老化させる一大原因です。紫外線をふんだんに浴びると、メラノサイトを増えるため、シミが生じます。そのうえ、紫外線は繊維芽細胞や、コラーゲンなどの細胞を破壊して、肌にダメージを与えます。

エイジング対策のひとつとして、紫外線対策は念入りに行いましょう。外出する際は、日焼け止めを塗ることをお忘れなく。海や山、または戸外に長くいるときは、こまめに日焼け止めを塗りなおすようにしてください。
また、帽子や日傘、サングラスなどで紫外線から肌を守るようにしましょう。

ストレス解消方法を身につける

ストレスは活性酸素を生み出し、体だけでなく気持ちまでも老化させますから要注意です。
運動をしたり、好きな趣味に没頭したり、美味しいものを食べたり、人と語り合ったり、旅に出たり…。自分なりのストレス解消法を身につければ、心身ともにいつでもリフレッシュできますよね。ストレスを溜めこまない生活が、繊維芽細胞の老化を防ぎます。

人の筋肉や骨を再生し、美肌をもたらす、繊維芽細胞。
この大切な細胞があるからこそ、私たちの肌は、ハリや弾力を保つことができています。目には見えない細胞ですが、繊維芽細胞を大切にすることで、確実に肌の老化スピードを遅らせることができますよ。
日々の生活を見直し・改善し、繊維芽細胞を活性化させて、健やかで弾むような肌を取り戻していきましょう!

私がお答えしました

皮膚科医 梅田さやか
肌クリニック 表参道皮膚科院長。過去に自身が肌に悩んだ経験を活かし、女性が美しくあるお手伝いをいたします。

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