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無月経とは?無月経の原因と治療方法をご紹介

この3か月生理が来なく心配です。以前から生理不順で、1ヶ月ちょっとでくることもあれば、2か月空くことも。今回は、前回の生理から3か月に入ってしまいました。3か月くらい空くと受診をした方がいいと聞いたことがありますが、なんだか怖くて足が進みません。どうして生理が来なくなってしまったのでしょうか?教えて下さい。

専門家からの回答
生理が3か月以上全く来ないことを無月経といいます。ホルモンの異常などが原因に。病院での治療や生活の見直しを。
3行でまとめると?
  • 無月経とは生理が3か月以上全く来ないこと
  • 無月経にもさまざまな種類やパターンがある
  • 原因に合わせた病院での治療や生活の見直しを

無月経とは?

正常な生理周期は25~38日で、ここから外れると「生理不順」といいます。生理不順のうち、生理周期が長くなりすぎて生理が3か月以上全く来ない場合は「無月経」といいます。

※「生理」は医学的には「月経」といいますが、ここでは以下、一般的になじみの深い「生理」という表記に統一いたします。

無月経には大きく2種類ある

無月経には初経そのものが来ずに生理が来るはずの年齢になっても全く生理が来ない「原発性無月経」と、一旦初経は迎えて何度か生理は来ていたけれど、途中で生理が来なくなる「続発性無月経」の2種類があります。

原発性無月経
原発性無月経の場合、医学的には18歳まで待っても生理が来なければ原発性無月経と診断されますが、最近は初経の平均年齢が早くなっていることもあり、16歳までに初経を迎えなければ受診が必要とされています。

初経の平均年齢は年々早くなっていることが指摘されていますが、1997年くらいからはほぼ横ばいで12歳です。あくまで平均なので、10歳くらいで初経を迎える人もいれば、15歳くらいでやっと月経が来る人もいます。
初経を迎える目安は、12歳ごろ・身長148㎝以上・体重42㎏以上です。

続発性無月経
続発性無月経の場合は、もともと生理が不規則で周期が長めだったものが、段々と生理が来なくなって3か月以上間が空くようになるというパターンと、直前までは生理が順調であったにもかかわらず急に生理が止まって3か月経っても来ないというパターンがあります。

原発性無月経の起こる原因と治療方法とは?

原発性無月経の原因は、染色体異常・子宮や卵巣の形成不全・膣の奇形など、生殖器の先天的な異常がある場合と、10代の早い時期から栄養不足・カロリー不足・消費カロリーの過剰・過度の運動などの状態が続いていて体重や体脂肪量が不足している場合があります。

生殖器の先天的な異常がある場合

それぞれ以下のように治療をしていく必要があります。

●染色体異常や卵巣の形成不全によって必要なホルモンが分泌されていない場合
体の機能を保つために女性ホルモンを薬で補い続ける。

●子宮のみの形成不全で、出血は来ないけれど必要なホルモンは分泌されている場合
必ずしもホルモン剤が必要になるとは限りません。
膣閉鎖などの膣の奇形があり、子宮から経血は出ているのに体の外に血液が出られない状態になっている場合は、膣の形を正常に整える手術を行います。子宮や卵巣に異常がなくホルモン分泌も正常な場合は、膣を形成するだけで普通に生理が来るようになります。

体重や体脂肪量が不足している場合

また、最近増えているのが、初経を迎える年齢になる前からのダイエットによる原発性無月経です。

カロリー不足・栄養不足によって十分な体重にならないので、脳からホルモンが正常に分泌されずいつまで経っても生理が来ない状態になります。

アスリートやバレリーナなど、激しい運動を継続的にしながら体重制限も伴う場合も、同様に生理を来させるためのホルモンが十分に分泌されない場合があります。

続発性無月経の起こる原因とは?

続発性無月経は、前述の通り一旦来ていた生理が3か月以上来なくなった状態です。
正常な生理周期とは、25日~38日の範囲で生理が来る状態です。多少周期が前後しても、この範囲内で生理が来ており、排卵の周期になっていればあまり問題はありません。

生理周期の異常は、周期が24日以下になる「頻発月経」と、逆に39日以上に長くなる「稀発月経」がありますが、この稀発月経がひどくなって3か月経っても生理が来なくなるのが「続発性無月経」です。

続発性無月経の原因は、次のようなものがあります。

・妊娠・授乳
・体重減少
・高プロラクチン血症
・甲状腺機能異常
・早発卵巣機能不全
・多嚢胞性卵巣症候群
・過労や過度のストレス

妊娠すると生理は来なくなります。また、授乳中はプロラクチンといホルモンの影響を受けて排卵が起きないように抑えられた状態になるため、生理が止まっていることが多いのですが、人によっては授乳をしていても産後数か月で生理が再開することがあります。
これらの、妊娠・授乳に伴う無月経は「生理的無月経」といって異常ではありません。

順調に来ていた生理が急に来なくなって、性行為の機会がある場合は、まずは妊娠していないかを確認するようにしましょう。

体重の大幅な減少

体重減少性無月経は、10~20代の方の極端なダイエットによって引き起こされることが多いものですが、年代を問わず見られるものです。意識してダイエットした場合ではなくても、何らかの体調不良が原因で食べようと思っても食べられなくなり、その結果体重が減りすぎて生理が止まってしまうこともあります。

基本的に、元の体重が標準体重またはそれ以下の場合は、元の体重の1割が減ると何らかの月経異常を引き起こすとされています。標準体重は、以下の計算式で計算することができます。

身長(単位m)×身長(m)×23

また、体重の減り方が急激な場合も月経異常の原因となります。体に負担がかかるかという目安は以下で計算することができます。

身長(m)×身長(m)×17.5

ダイエットをする時には、この体重より減ってしまわないように、そして、月1~2㎏未満の体重減少になるようにコントロールしながら減量することが大事です。

甲状腺機能異常や高プロラクチン血症

甲状腺機能異常や高プロラクチン血症は、卵巣の機能は正常でも、ほかのホルモンが出すぎることによって脳の働きを邪魔してしまい、間接的に月経異常を引き起こしてしまうものです。
高プロラクチン血症の原因には脳腫瘍も含まれており、急に生理が来なくなったと思ったら脳に腫瘍ができていたといケースもあります。

早発卵巣機能不全

早発卵巣機能不全は、本来閉経する年齢より早く卵巣が閉経状態になってしまうものです。
遺伝子異常や体質・放射線治療や抗がん剤治療の後遺症などによって引き起こされます。

多嚢胞性卵巣症候群

多嚢胞性卵巣症候群は、排卵障害が起きるために生理が不規則になったり不定期な不正出血が引き起こされたりするものです。もともと生理不順が長く続いているという人が多く、それがひどくなって3か月以上生理が来なくなるパターンが見受けられます。

初経以来ずっと生理不順が続いているなという人は、まずは基礎体温をつけて排卵を確認してみた方がよいでしょう。

過労や過度のストレスは、体重が減りすぎた時と同様に脳にとっては「生命の危機」と捉えられてしまい、脳から卵巣への命令がうまく出なくなるために生理が止まることがあります。

続発性無月経の検査・治療方法とは?

続発性無月経の治療は原因によって異なります。
妊娠や授乳に伴う無月経はもちろん治療の必要性はありません。授乳を完全に終えて半年経っても月経が再開しない場合に、婦人科を受診するとよいでしょう。

妊娠していないのに月経が3か月以上来ない場合は、基本的には直ちに受診が必要です。ただし、45歳以上の場合は年齢的な生理不順になってきている可能性もありますので、必ずしも治療しなければいけないとはいえません。
年齢やホルモン状態、骨密度などを総合的に見て、そのまま自然な閉経を待つかホルモン補充をするかを検討します。

婦人科に加え、脳外科や内科での検査

無月経で受診した場合、まずは超音波検査で子宮や卵巣のサイズ・内膜の厚みなどを確認し、ホルモンの検査を行います。
ホルモンに大きな異常がある場合は、それに対してピルなどのホルモン剤による治療を行ったり、プロラクチンや甲状腺機能の異常の場合は脳外科や内科で詳しく見ていく場合。

ホルモンが十分に出ていなくて無月経になっている場合は、まず黄体ホルモン剤を投与して出血が来るかどうかを確認します。黄体ホルモン剤によって出血が来れば第1度無月経(軽症)。月経が来なければ第2度無月経(重症)と判断して、それぞれの状態にあったホルモン剤を使用していきます。

ホルモン治療

無排卵が続いており、無月経の状態になってしまっており、かつ妊娠をしたいという希望がある場合は、排卵を促す治療が必要になってきます。
ただし、無月経になるということは、脳が何らかの理由で「今は妊娠したらまずい心身の状態である」と判断している可能性がありますので、明らかに原因となる心身の不調がある場合や卵巣機能の極端な低下がある場合は、いきなり排卵誘発を行って妊娠を目指すのではなく、妊娠できる心身や環境を整えることを優先します。

生活習慣の見直し

体重が減りすぎて月経が止まった場合は、まずは体重の回復を優先します。体重が少ないまま月経を無理矢理来させることは体にとって負担になるからです。
身長(m)×身長(m)×17.5以上の体重になるように、食事や生活リズムを改善していきましょう。どうしても体重が増えることに抵抗してしまう場合は、カウンセリングを受けることも必要になります。

無月経はすでに3か月生理が来ていない状態なので、生活改善だけで治療することは難しく、何らかの医学的介入が必要になります。また、無月経を放置すると将来的な不妊のリスクになったり、骨密度が下がって骨折リスクが高くなったりするため、必ず婦人科を受診するようにしましょう!

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私がお答えしました

産婦人科医 清水なほみ
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~院長。女性特有の病気を中心に日頃の不調を改善するためのアドバイスをいたします。

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