17.08.01 更新日19.03.14

Q

生理があるのに排卵していない無排卵月経とは?

生理の周期が短く20日くらいで来ることがあるのですが、生理周期が短いと無排卵月経になっている可能性があると聞きました。無排卵月経とは何ですか?放置しておくと、どうなってしまうのでしょうか?

専門家からの回答
婦人科医 松村圭子婦人科医 松村圭子
無排卵月経とは、生理があっても排卵をしていない状態のことです。不妊の原因になるので、無排卵月経と診断されたら早めに治療しましょう。
3行でまとめると?
  • 無排卵月経とは生理があっても排卵をしていない状態
  • ストレスなどによりホルモン分泌が乱れることで起こる
  • 無排卵月経は不妊の原因にもなるので早めに治療を

目次

無排卵月経とは?

女性の生理について

無排卵月経とは、生理があっても排卵をしていない状態のことです。
※「無排卵月経」は医学的には「無排卵性月経」といいますが、ここでは以下、一般的になじみの深い「無排卵月経」という表記に統一いたします。
※「生理」は医学的には「月経」といいますが、ここでは以下、一般的になじみの深い「生理」という表記に統一いたします。

通常の生理周期は25~38日くらいですが、無排卵月経の場合は周期が短かったり長かったりなど不規則で、次のような変化が見られます。

  • ・少ない経血量で1~2日程度で終わる、あるいはだらだら続く(不正出血)
  • ・生理痛が軽い
  • ・基礎体温の変化が見られない(低温期と高温期に分かれない)

無排卵月経の症状が見られたら、基礎体温とおりものをチェックしてみましょう。

基礎体温は、「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンの周期的な変化によって、通常「低温期」と「高温期」の二相に分かれます。

ホルモンと基礎体温の相関

生理の周期を28日とすると、生理が始まってから排卵までの約14日間は低温期です。その後、排卵が起こるとプロゲステロンが分泌され、基礎体温が上がる高温期が約14日間続きます。そして、プロゲステロンの分泌の低下とともに体温が下がり、生理を迎えます。

ですが、無排卵月経の場合は、排卵が起こらないのでプロゲステロンが分泌されず、体温が上がりません。すなわち、無排卵月経の場合は無排卵月経の場合は基礎体温が低温期のみとなります。

また、排卵期には通常、卵の白身のような透明で糸を引くおりものが増えてきますが、無排卵の場合は、このようなおりものの変化がありません。

放置すると不妊になる場合も

「無排卵」という状態は、卵巣から卵子が排出されていないということなので、無排卵月経が慢性的になると妊娠は難しいといえます。放置していると将来不妊になる場合もあるので、十分な注意が必要です。また、出血がだらだらと続く場合は貧血になることもあります。

3か月以上続くなら早めに受診を

早めの受診の勧め

ストレスや環境の変化などで無排卵になることはあるので、たとえ無排卵月経が起こっても、そのあと自然に通常の生理に戻る場合は、あまり心配はいりません。ですが、いつもと異なる生理の状態が3か月以上続くような場合は、早めに婦人科を受診するようにしましょう。

ストレスや環境の変化などで無排卵になることはあるので、たとえ無排卵月経が起こっても、そのあと自然に通常の生理に戻る場合は、あまり心配はいりません。ですが、いつもと異なる生理の状態が3か月以上続くような場合は、早めに婦人科を受診するようにしましょう。

無排卵月経の原因とは?

無排卵月経の主な原因は、視床下部・下垂体・卵巣からのホルモン分泌の乱れです。内服している薬の副作用が原因となることもあります。

生理は、脳の視床下部・下垂体の指令を受けて卵巣から分泌される女性ホルモンによってコントロールされています。つまり視床下部・下垂体・卵巣の連係プレーによって毎月の生理が規則正しく起こるわけですが、この連係プレーが乱れると、無排卵月経を引き起こしてしまいます。

これらの働きが乱れる原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ・不規則な生活
  • ・極端なダイエット
  • ・激しいスポーツ
  • ・強いストレス
  • ・喫煙

これらによって視床下部がダメージを受けると、下垂体や卵巣に指令を送ることができず、結果的に卵巣の働きが低下して、無排卵になってしまいます。視床下部は特にストレスに敏感なので、日々のストレスが蓄積されると生理の状態に悪影響を及ぼしてしまいます。

無排卵月経の対策とは?

無排卵月経が疑われたら行いたい対策と、妊娠希望の場合の治療方法についてご紹介します。

規則正しい生活を心がけ、ストレスをこまめに解消

趣味でストレスを解消する女性

無排卵月経の対策として大切なのは、まず日常生活のなかで原因となることを取り除くことです。

不規則な生活が原因の場合は、食事や睡眠など生活習慣を見直して、規則正しい生活を送るよう心がけましょう。

過度なダイエットも禁物です。ひと月に体重の10%を落とすと、生理に影響を及ぼすといわれています。一気に体重を落とすとリバウンドも起こりやすいので、ひと月に1㎏減らす程度の無理のないダイエットをするようにしましょう。

また、日々のストレスも蓄積させないよう、うまく発散することが大切。ストレスフルな現代、ストレスを完全になくすことはできませんが、音楽や散歩、打ち込める趣味などで日々のストレスを解消するようにしましょう。

専門医の治療を受ける

無排卵月経の主な治療方法には、ホルモン治療、漢方薬、排卵誘発剤があります。

ホルモン治療
女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲステロン」を含むピルを服用することによって、周期的に出血を起こし、ホルモンバランスを整えていきます。

漢方薬
東洋医学における「気」や「血(けつ)」が不足するタイプ、生殖機能を司る「腎」の働きが低下しているタイプなど、無排卵月経の原因となる状態に合わせて処方されます。

排卵誘発剤
妊娠を希望する場合は、卵巣から卵子が排出されるのを促す排卵誘発剤を内服します。内服薬で排卵しない場合は、卵巣をより強く刺激する注射薬が使われます。

たとえ今すぐの妊娠を希望していない場合でも、無排卵月経と診断されたら、将来のことを考えて早めに治療をすることが大切ですよ。

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私がお答えしました

婦人科医 松村圭子
成城松村クリニック院長。女性の生涯に寄り添い、女性に起こりやすい不調の悩みにわかりやすくお答えいたします。
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