17.06.01  更新:17.06.27

Q

生理不順やPMSの治療に使うピルってどんな薬?

生理不順やPMSの改善にピルがいいということを聞きました。生理周期が安定せず、PMSもいつも重いため、ピルの服用を検討中ですが、副作用もあるとのことで心配です。ピルとはどんな薬なのでしょうか?

専門家からの回答
ピルには避妊や生理不順の改善、PMSの軽減など様々なメリットがあります。重篤な副作用としては血栓症に注意しましょう。
3行でまとめると?
  • ピルは本来避妊薬として用いられる薬
  • ピルには生理不順やPMS改善以外にも様々なメリットが
  • 低用量ピルでは副作用は起こりにくいが血栓症には注意

生理不順の治療にも使われるピルとは?

「ピル」って聞いたことはあるけど、実際に使ったことはない、どんな薬かいまいちわからない、という方は多いのではないでしょうか?

ピルには女性ホルモンである「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が含まれており、本来は避妊薬として使用されます。

ピルの効能
ピルには以下の3つの作用があり、妊娠を防ぐ効果があります。
1.排卵を止める
2.子宮内膜を薄くして排卵・受精が起こっても受精卵が着床しにくい状態にする
3.子宮頸管粘液を精子が入りにくい状態にする

ピルの種類
ピルは、卵胞ホルモンの量に応じて「低用量ピル」「中用量ピル」「高用量ピル」に分けられます。日本での主流は「低用量ピル」で、副作用を抑えるために卵胞ホルモンの量を低く抑えていることが特徴です。

避妊効果が高いピル
ピルは世界中で使用されており、正しく使用すればほぼ100%の避妊効果が得られます。性感も損ねず、女性主導で避妊ができるなど、避妊に対して多くのメリットがあります。

生理不順の改善薬としても使われる
また、避妊のほかにも、女性ホルモンのバランスを整えるという効果から、生理不順の改善のための治療薬として使われることがあります。

ピルにはどんなメリットがある?

ほぼ100%の避妊効果を発揮するピルですが、そのほかにもメリットはたくさんあります。

生理不順の改善
女性ホルモンのバランスを整えることによって生理不順が改善し、約28日周期で規則的に生理が来るようになります。

月経前症候群(PMS)の改善
生理前のホルモン変動がなくなるので、月経前症候群(PMS)の改善が期待できます。

ニキビや多毛の改善
男性ホルモンの作用を抑える効果があるので、ニキビや多毛の改善に役立ちます。

過多月経の改善や生理痛の軽減
子宮内膜を薄くする作用によって経血量が減るため、過多月経やそれによる貧血が改善されます。経血を排出するための子宮収縮も抑えられて、生理痛が軽減されます。

良性卵巣腫瘍や卵巣がんリスクの低下
排卵を止めて卵巣を安眠状態に保つことで、良性卵巣腫瘍や卵巣がんにかかるリスクが低下します。

子宮体がんリスクの低下
ピルに含まれる黄体ホルモンの子宮内膜保護作用により、子宮体がんになるリスクが低下します。

不妊の原因となる疾患リスクの低下
子宮頚管粘液が変化することで、精子だけでなく細菌やウイルスが子宮内に侵入しにくくなるため、骨盤内感染症など不妊の原因となるような疾患にかかりにくくなり、不妊の予防にもなります。

生理日のコントロール
生理日を移動させることもできるので、大切なイベントや旅行など、生理を起こさせたくないときに便利です。

以前はピルと言えば「避妊」のために使うものという認識が一般的でしたが、今ではむしろ、避妊以外の目的で使う人が増えてきています。

ピルの副作用や服用における注意点とは?

ピルは副作用が心配という方もいらっしゃると思います。

以前よく用いられていた「中用量ピル」や「高用量ピル」は、ホルモンの含有量が多いため、副作用を引き起こすことも少なくなく、「ピルは副作用がこわい」というイメージがついてしまいました。

しかし、1999年に日本で認可された「低用量ピル」はホルモン含有量が少ないため、副作用の発生率も低くなっています。

軽い副作用
副作用としては、以下が考えられます。
・不正出血
・吐き気
・頭痛
・倦怠感
・むくみ
・胸のハリ

これらの副作用は多くの場合、ピルを服用し始めてだいたい1~2か月のうちには症状は治まってきます。

「ピルを飲むと太るのでは?」と心配する人も少なくありませんが、低用量ピルの作用で太るということはほとんどありません。

重篤な副作用、血栓症に注意
また、ピルを服用することで、血栓症(血管内に血の塊ができること)になるリスクが若干高くなることがわかっています。

血栓症のおもな症状としては以下があります。
・激しい腹痛
・胸の痛み
・頭痛
・舌のもつれ
・けいれん
・ふくらはぎの痛み・腫れ
・視力障害(見えにくいところがある・視野が狭くなる)

肥満、喫煙、高年齢、高血圧などは、血栓症を発症するリスクが高くなるので、当てはまる方は注意が必要です。

発症頻度は低いものの、いったん発症したら重症化するケースもある血栓症。 上記のような症状があらわれたら、直ちに内服を中止し、医療機関を受診することが大切です。早期発見・早期治療で重症化を防ぐことができます。

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私がお答えしました

婦人科医 松村圭子
成城松村クリニック院長。女性の生涯に寄り添い、女性に起こりやすい不調の悩みにわかりやすくお答えいたします。

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