17.04.14 更新:18.11.13

Q

生理ってそもそも何?今さら聞けない基礎知識と、PMSなど身体的不調の対処法

毎月生理前になると、肌が荒れたり身体がだるくなったりする上に、イライラしたり情緒不安定になったりしてしまいます。生理前のせいだとは思うのですが、改善方法はあるのでしょうか?また、生理中は生理痛や頭痛があってつらいです。毎月のことなので、もっと生理前や生理中を快適に過ごすコツがあれば教えてください。

専門家からの回答
生理に関連する不調には女性ホルモンが関わっています。まずは生活習慣を見直して、症状がひどい場合は婦人科を受診しましょう。
3行でまとめると?
  • 生理周期は2種類の女性ホルモンの変動によって起こる
  • 生理前に起こる不調(PMS)の改善は生活習慣の改善から
  • 生理痛がひどいは婦人科を受診して病気が隠れていないか確認を

生理が起こる仕組みとは

女性なら誰もが経験する月経(生理)。
生理前は心身が不安定になったり、生理中は生理痛に悩まされたりという方も多いでしょう。
そもそもどのようにして生理が起こるのか、ご存知でしょうか?
なにかと大変な生理ですが、長く付き合っていくものなので、きちんと理解して生理前や生理中も快適に過ごせるようにしていきたいものです。

※「生理」は医学的には「月経」と言いますが、ここでは以下、一般的になジみの深い「生理」という表記に統一いたします。

生理が起こる仕組みとは

「生理」は、基本的には約1か月という日数のなかで、子宮内膜が出血をともないながら剥がれ落ち、体外へ排出されることで起こるもの。
生理開始日から次の生理が始まる前日の周期のことを「生理周期」と呼びます。
この周期の日数は個人差もありますが、一般的に25~38日くらいで、基本は28日です。

生理に関わる2種類の女性ホルモン

この毎月のサイクルは、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンの変動によって起こります。

エストロゲンは、卵胞を成熟させたり、受精卵が着床しやすくなるよう子宮内膜を厚くするなど、女性の体を妊娠しやすい状態に整える働きがあります。また、丸みを帯びた女性らしい体を作り、肌や髪のハリ・ツヤを保つ作用、血管や骨を強くする働きもあります。
エストロゲンは、いわば「女性の美と健康を司るホルモン」といえますね。

一方、プロゲステロンは、妊娠を維持するためのホルモンで、体温を上げたり、子宮内膜をふかふかにして、受精卵がさらに着床しやすいように整えるなどの働きがあります。

また、プロゲステロンには腸のぜん動運動を抑えたり、水分をためこむ働きもあり、便秘やむくみの原因となることもあります。皮脂の分泌を促して、ニキビが増えることもあり、美容にとってはうれしくない作用もありますが、プロゲステロンは妊娠を維持するために欠かせないホルモンジわば「母のホルモン」です。

生理周期とホルモンバランスの関係

生理周期は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌状態によって
「月経期」「卵胞期」「黄体期前半」「黄体期後半」
の4つの時期にわけることができます。それぞれを日数ごとに分けてご紹介していきましょう。

月経期
[生理周期1日目~7日目]
妊娠が成立しなかったために子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに排出されます。エストロゲンとプロゲステロンの分泌は最も低い時期です。
体温が下がるので冷えやだるさを感ジたり、生理痛や下痢など体調が悪くなったりすることも。生理のうっとうしさも手伝って、なんとなく重だるく、気分もブルーになりがちです。

卵胞期
[生理周期8日目~14日目]
エストロゲンの分泌が高まり、子宮内膜が厚くなっていきます。
肌のうるおいが増して体調も良くなり、活動的になれる時期です。気分もはつらつとして明るく前向きに。代謝も上がるのでダイエットの効果が出やすく、ストレスにも強い時期なので、ダイエットを始めるのに最適と言えます。

黄体期前半 (排卵期)
[生理周期15日目~21日目]
エストロゲンの分泌がピークに達して排卵が起こった後、卵胞が黄体になり、プロゲステロンが分泌され始め、黄体期となります。2つのホルモンの移行期であるこの時期、見た目にはあまり変化はないものの、気分が安定せず、アップダウンが激しくなることも。 この時期に無理をせず、ゆったりとリラックスして過ごすと次の生理前の時期が過ごしやすくなります。

黄体期後半 (黄体期)
[生理周期22日目~28日目]
プロゲステロンの分泌がピークになります。
むくみや便秘が起こりやすくなり、眠気、食欲増加、頭痛、肩こりに悩まされることも。また、ニキビができたり、紫外線に肌が過敏になってシミができやすくなるなど、肌は荒れがちに。イライラしたり落ち込んだりなど気分も不安定になりやすくなります。

生理周期のなかで一定の変動を繰り返している女性ホルモン。
女性の体・心・肌は、この女性ホルモンの変動によって周期的に変化します。
エストロゲンとプロゲステロンの働きや、生理周期にともなう心身の変化を把握しておくことで、不調に対する心構えと対策ができ、毎日を快適に過ごしやすくなるでしょう。

生理前の心身の不調、PMSとは

生理前になると、ニキビや便秘に悩まされたり、急に不安になったり、イライラしたり…。
症状に種類や程度の差こそあれ、生理前に何らかの不調を感ジている女性は実に8割にものぼると言われます。

以下のような症状が代表的です。
身体面:ニキビ、便秘、むくみ、乳房の張り、下腹部の重だるさ、腰痛 など
精神面:イライラ、落ち込み、ゆううつ感、集中力の低下 など

このように、生理が始まる3~10日前にあらわれる身体的・精神的症状を「月経前症候群(Premenstrual Syndrome:PMS)」と呼びます。

これらの症状は、一般的に生理が始まるとともに消失したり、軽減されていきます。

PMSの原因とは

PMSが起こる原因にはいくつかの説があるのですが、はっきりとは解明されていません。予想されている原因は、以下の2つ。

ホルモンバランス
原因の一つとして考えられているのは、生理周期にともなって変動する女性ホルモンの影響です。
生理前の女性の体内では、女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」の分泌が急激に減少します。この急変動が体と心をコントロールしている自律神経のバランスを乱し、様々な不調をもたらすと言われています。

特に、エストロゲンが減少すると、それにともなって心の安定感や幸福感をもたらす「セロトニン」という神経伝達物質の分泌も減少して、落ち込みやゆううつ感などの精神的な不調が出てくるようになるのです。

ストレス
身体的症状に関してはホルモンの変動や働き具合など個人差によるところが大きいのですが、精神的症状に関してはストレスがかかると症状が強く出る傾向にあります。
また、「何事も完璧にやらないと気が済まない」など完璧主義思考に陥りがちな人は、ストレスをためやすいため、PMSもひどくなりがちです。

PMSの予防と対策

PMS予防は日常生活の見直しを
PMSの症状がつらい場合、まずは日常生活を見直してみましょう。症状を悪化させる原因が潜んでいるかもしれません。

夜更かしなど不規則な生活や過度なストレスは自律神経の働きを乱します。

生理前は、
・夜12時までにベッドに入り、質の良い睡眠をとる
・家でリラックスして過ごす
・重大な決断をしない
・前倒しして済ませられる仕事は生理後の体調の良い時期に実施する
など、工夫をこらして生活しましょう。

PMSの症状別の対策
PMSでは人によって様々な症状が出ます。症状にあわせて以下のような日々の生活での工夫をしてみましょう。

・便秘: 食物繊維をしっかり摂る
・むくみ: 塩分を控える、体を冷やさない、マッサージをする
・ニキビ: 皮脂の過剰な分泌を抑えるために動物性の脂肪の摂取を控える、ビタミンB群やビタミンCをしっかり摂取する

PMSは婦人科での治療が可能
PMSの症状がつらく、日常生活に支障をきたしたり、セルフケアでも楽にならないような場合は、我慢しないで婦人科を受診しましょう。
毎朝基礎体温をつけると同時に、PMSの症状をメモしておけば診察がスムーズです。

PMSの治療としては、日常生活上のアドバイスのほか、下記のようなものもあります。

・頭痛に対して鎮痛剤の内服など対症療法
・体質改善を目的とする漢方薬
・女性ホルモンのバランスを整える低用量ピル
などがあり、サプリメントを用いることもあります。

「PMSは病気ジゃないんだし、仕方がない」などと我慢しないで、日々のセルフケアや治療でPMSに振り回されることなく、毎日をイキイキと健康的に過ごせるようにしたいものですね。

生理中に起こる身体の不調とは

生理中にあらわれる強い下腹部痛や腰痛、頭痛などのつらい症状は、女性にとって深刻な悩み。痛みだけでなく吐き気、嘔吐、下痢、疲労感、神経過敏、めまいなどの症状があらわれる人もいます。

症状の程度も人によって様々で、ほとんど痛みがなく普段と同ジ生活ができる人もいれば、下腹部痛や腰痛に悩まされて「立っているだけでもつらい」という人もいます。

生理痛の原因とは
生理痛が起こるのは、子宮内膜から分泌される「プロスタグランジン」というホルモンの作用によるもの。このホルモンが経血を押し出そうと子宮の収縮を促すために下腹部痛が生ジます。

さらに、プロスタグランジンは痛みや炎症を起こしたり、腸のぜん動運動を促す作用もあるため、下腹部痛だけでなく、頭痛、腰痛、吐き気、下痢などの症状も引き起こしてしまうのです。

このプロスタグランジンの分泌量には個人差があり、体質的に分泌が多い人では痛みが強く出る傾向があります。

ただし、年々症状がひどくなってくるような場合は、子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患が原因であることがあるので注意が必要です。

体の冷えや血行不良も生理痛の原因となるので要注意です。 冷えると子宮の筋肉が硬くなってスムーズに収縮できません。そうするとプロスタグランジンが過剰に分泌されて、より強く子宮が収縮してしまうのです。

冷えだけでなく、ストレスや運動不足なども血行不良や冷えを招いて生理痛の原因となってしまいます

生理痛で婦人科にかかる場合

原因となる疾患がないか確認を
生理痛が気になったら、婦人科を受診して原因となる疾患がないかどうかを確認しましょう。子宮筋腫や子宮内膜症など何らかの疾患が原因であった場合は、まずそれらの治療を行うことが大切です。

原因となる疾患がない場合
特に疾患がなければ、痛みのもととなるプロスタグランジンの分泌を抑える鎮痛剤を内服します。鎮痛剤は痛みが本格的になる前に内服するのが効果的です。鎮痛剤を使わず我慢していると、痛みの神経が発達して痛みが増すことがあるので、我慢せず内服して上手く痛みのコントロールをしていきましょう。

また、低用量ピルも生理痛の緩和に効果的です。 低用量ピルを内服することによって排卵が抑えられ、子宮内膜が薄く保たれるため、剥がれ落ちる内膜が少なくなって経血の量が減り、痛みも軽減されます。

生理痛を改善する生活習慣とは

以下の項目で、生活習慣を改善していくことを心がけていきましょう。

服装
下腹部がきつく締まるガードルやジーンズなどは、骨盤まわりの血行を悪くして痛みを悪化させてしまうので控えるようにし、ゆったりとした服装を心がけると良いでしょう。

体を温める
冷えも生理痛の大敵です。 湯たんぽやカイロ、腹巻などでお腹と腰を冷えから守りましょう。シャワー浴で済ませてしまうと体の芯まで温まりません。少しぬるめの湯船にゆっくり浸かって体を温めると生理痛が緩和され、リラックス効果も得られます。

ただし体調がすぐれないときは無理をせず、足浴がおすすめ。41~42℃程度の少し熱めのお湯に、くるぶしから指3本分くらい上あたりまでつかるようにするとよいでしょう。

体を動かす
また、体を動かす機会が少ないと、血行が悪くなって冷えにつながってしまいます。 ウォーキングやストレッチなどで体を動かすようにして、血行を促しましょう。体の筋肉もほぐれます。

食生活
食生活では、カフェインの過剰摂取に注意が必要です。 カフェインには、血管を収縮させて体を冷やす作用があるのです。カフェインはコーヒーや紅茶、緑茶のほか、ココア、コーラ、チョコレートにも含まれています。

カフェインの摂取は控えるようにし、飲み物は温かいハーブティーなどにするとよいでしょう。

日常生活の工夫で、ゆううつな痛みを緩和することは可能です。思い当たる生活習慣がある場合は、それを改善することから始めてみましょう。

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私がお答えしました

婦人科医 松村圭子
成城松村クリニック院長。女性の生涯に寄り添い、女性に起こりやすい不調の悩みにわかりやすくお答えいたします。

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