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生理前の体温は高い?あなたの微熱が続く原因は?

生理前、体がほてって微熱のように熱っぽく感じることがあります。風邪による微熱なのかと思っても、鼻やのどに風邪の症状はありません。なぜ生理前に微熱を感じるのでしょうか?

専門家からの回答
産婦人科医 清水なほみ
排卵後に分泌される黄体ホルモンによって月経前に微熱があるように感じることがあります。
3行でまとめると?
  • 生理前の微熱の症状には種類がある
  • 生理前に多く分泌される「黄体ホルモン」は体温を上げる作用がある
  • 生活習慣を変え、ホルモンバランスを整えることが大切

目次

生理前は微熱の症状を感じやすいもの

体調不良な女性

生理が始まる少し前に、妙に体が熱っぽかったり、微熱が続く…。こうした経験を多くの女性がしています。微熱でなくても、体にほてりを感じたり、ぼーっとしたりという経験をする人は意外に多くいます。生理前に感じる不快なほてりや微熱についてお伝えしましょう。

女性の基礎体温は一カ月の間に微妙に上下しています。生理中は体温が低く、生理が近づくと体温が上がるというサイクルを繰り返しているのです。このメカニズムについては後方「生理前に体温が高いのはホルモンの仕業」で詳述します。

しかし、生理前の微熱にはいくつか種類があり、なかには婦人科の診断が必要なケースもありますから、まず、自分の微熱がどのタイプかを見極めることが大切です。

※「生理」は医学的には「月経」といいますが、ここでは以下、一般的になじみの深い「生理」という表記に統一いたします。

生理前の微熱の原因とは?

[ 1 ] 通常の生理の高温期

女性の基礎体温の変動

上図のとおり、生理開始時は基礎体温が低く、生理が終わった後もそのまま「低温期」が続きます。排卵日を迎えるとさらに体温は下がり、排卵日を過ぎると体温が上がり、「高温期」が始まります。生理が始まると、体温は再び下がります。
1ヶ月28~30日のうち、10日間程度は低温期、その後の2週間近くが高温期となります。

低温期と高温期の差は約0.3~1℃で、低温期が36℃の人の高温期は36.3℃~37℃前後となりますね。生理前の体温が37℃以下なのに微熱のように感じるのは、体が高温期にあるから。これは高温期特有の症状です。
もともと平熱が高い人は、高温期の基礎体温が37℃を超えてしまうこともあるため、微熱を感じやすくなりますが、生理が始まれば体温は下がります。

生理前に体温が上がるのは、通常の生理現象ですので、「病気かも…」と思わずに、安心して大丈夫。

[ 2 ] 妊娠の可能性

高い体温がしばらく続き、生理予定日が来ても生理がこない場合は、妊娠の可能性があります。

[ 3 ] 月経前症候群(PMS)の可能性

生理3~10日前頃から、以下のような不調を感じる人は、月経前症候群(PMS)の可能性があります。

  • ・37℃~37.3℃くらいの微熱がある
  • ・感情が不安定で、イライラしたり、うつっぽくなる
  • ・集中力が低下
  • ・疲れやすい

月経前症候群(PMS)の場合は、生理が始まるとスーッとこれらの症状が消えてしまいます。

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[ 4 ] 月経困難症の可能性

生理前に以下のような不調を感じる人は、月経困難症の可能性があります。

  • ・体温が38℃以上発熱
  • ・生理中に腹痛、頭痛、嘔吐、下痢などの症状がみられる
  • ・生理が終わると症状は消える、もしくは軽減する

生理の度に高熱を出したり、寝込んだり、鎮痛剤を手放せないほど痛みが強い場合は、婦人科系のトラブルが隠れている場合もあります。つらい症状を我慢せず、できるだけ早く婦人科で診断してもらうことをおすすめします。

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[ 5 ] そのほかの病気の可能性

生理前の高温期の微熱は、風邪やインフルエンザなど、ほかの病気も考えられます。

医師に相談したい長く続く・度重なる微熱とは?

熱を測りながら悩む女性

「毎月の微熱がつらい。でもいつものことだから、仕方ない…」そう思っている人もいるのではないでしょうか?

微熱には先に説明したように安心していい場合もありますが、治療によって改善する微熱もあります。医師に相談したほうがよい微熱のケースをお伝えしましょう。

妊娠による微熱

妊娠による微熱の症状が見られる人は、妊娠検査薬で検査してみましょう。検査は、生理予定日を1週間過ぎてから行います。陽性反応が出たら、産婦人科で妊娠確定のための診断をしてもらってくださいね。

月経前症候群(PMS)による微熱

PMSの症状は、人それぞれ異なります。37.5℃の微熱が生理10日前から始まり、だるさが続くという人もいれば、体温が実際は正常範囲の37℃以下なのに、微熱っぽさを感じる人もいます。眠気が続く人もいれば、不眠が続く人もいます。イライラ、やる気の低下、だるさが続く人も。

PMSのつらさはホルモンバランスの乱れからくるもの。治療により緩和することはできるので、毎月つらい症状に悩む人は、我慢せずに婦人科で相談してみましょう!

風邪による微熱

生理前の高温期に感じる微熱は風邪の初期症状に似ています。寒気やだるさ、頭痛があるときは、風邪なのか、生理前の症状なのか、なかなか分かりずらいものです。そんなときは、まず基礎体温をチェックして判断します。

  • ・基礎体温がいつもの低温期と比べると1℃以上高い
  • ・生理が始まっても微熱が続く

以上に該当する場合は、風邪の可能性がありますので、病院で診てもらうようにしましょう。

生理前に体温が高いのはホルモンの仕業

ハートを持っている女性

体温が上がったり、下がったりする女性の体はとてもデリケートです。この体温の変化にはホルモンのバランスが大きく関係しています。
女性ホルモンには「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」と呼ばれる2種類があります。卵胞ホルモンは骨格を作り、肌や髪のうるおいを与え、女性らしさを生み出してくれるホルモンです。これに対し、黄体ホルモンは妊婦を助けるホルモンで、基礎体温を上げる働きがあります。

生理前の高温期は、黄体ホルモンの働きが優位になることで引き起こされます。そのため、高温期は別名「黄体期」とも呼ばれ、低温期は卵胞を成長させるため、「卵胞期」と呼ばれます。

体温が上がるのは、黄体ホルモンがわずかな期間に急激に変化するため。
ひとつのホルモンが大量に分泌された後は、急激に減り、もう片方のホルモンが大量に分泌されます。こうしたホルモン分泌の急激な変動こそが、女性の体に様々な不調を与えているのです。

基礎体温で体調を把握しよう

自分の微熱がどの種類なのかを判断するためにも、基礎体温を毎日付けることはおすすめ。基礎体温を付けておけば、安心していい微熱か、医師に相談したほうがよい微熱か、ひとつ判断基準が増えます。

また、婦人科の医師に基礎体温のグラフを見せながら相談すれば、より詳しい診断をしてもらうことができます。朝、目が覚めたらすぐに基礎体温を測る癖を付けておきましょう。

生理の周期が安定しないなら要確認?基礎体温はこうやって測ろう!

ホルモンバランスを整えるには?

散歩する男女

生理に大きな影響を与えているホルモンですが、ストレスや睡眠不足などが続くと、ホルモンの分泌が変化して、ホルモンのバランスが乱れてしまいます。その結果、生理前の微熱やイライラ、落ち込みや生理不順などのトラブルが起こりやすくなります。
生理前の微熱や不調を改善するために、生活習慣を見直して、ホルモンのバランスを整えていきましょう。

ストレスを解消する

ストレスを解消することはホルモンバランスの乱れを抑えることにつながります。趣味の時間を作るなどして、「嫌なことを嫌々やっている」時間を減らし、リラックスできる自分緒時間を作り、「やりたいことをやる」時間を増やす工夫をしてみることをおすすめします。

食生活を見直す

栄養が偏った食生活もホルモンバランスを乱れさせる原因です。朝・昼・晩、三食しっかり規則正しく、栄養バランスがとれた食事をとりましょう。また、無理なダイエットは健康を害しますから、控えることをおすすめします。

適度に運動する

運動不足によって体の基礎体力も低下し、ホルモンバランスの乱れにつながります。ストレッチやウォーキング、ランニング、水泳やヨガなどを生活に取り入れましょう。

良質な睡眠をとる

睡眠不足はホルモンバランスを乱す大きな原因です。良質な睡眠をとりましょう。睡眠不足に悩んでいる場合は枕を変える、照明を調整する、アロマを炊くなどして、リラックスできる環境作りをしてみてくださいね。

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私がお答えしました

産婦人科医 清水なほみ
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~院長。女性特有の病気を中心に日頃の不調を改善するためのアドバイスをいたします。
Facebook:https://www.facebook.com/vivalita.salon

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