15.07.16  更新:17.10.05

Q

生理期間が長い、8日以上生理が続く時の原因と対処方法とは?

生理が長く、8日以上出血が続く時もあります。生理期間が長い場合、どのような原因が考えられるのでしょうか?生理がなかなか終わらない時の原因と対処方法について教えてください。

専門家からの回答
通常の出血量で生理期間が8日以上続く場合は、注意が必要です。
3行でまとめると?
  • ダラダラと少量の出血が続く場合は無排卵性月経の可能性がある
  • 生理期間が長く月経量が多い場合は子宮に異常がある可能性がある
  • 生理期間が長く月経量が多いと貧血になるので治療が必要

目次

正常な生理期間はどれくらい?

「生理」は医学的には「月経」と言いますが、ここでは以下、一般的になじみの深い「生理」という表記に統一いたします。

生理が「正常」かどうかを判断するポイントとして、
・生理周期
・生理期間(出血が続く期間)
・月経量
があげられます。

正常な生理周期とは?

正常な生理周期は、25~38日と定義されています。

ただし、この範囲から1~2日外れたから絶対に「異常」というわけではありません。また、毎月の生理周期の「平均」を見ることにはあまり意味がありません。月によって周期のばらつきが大きければ、生理周期の平均値が正常範囲に入っていても異常である可能性があります。

正常な生理期間とは?

正常な生理期間は3~7日間
生理期間の正常範囲は3~7日間です。

生理期間が8日以上で長い場合を「過長月経」、生理期間が1~2日で終わってしまう場合を「過少月経」と言います。

正常範囲外でも心配いらない場合も
生理前後に茶色いおりもののような出血があり、それらを合わせると生理期間が8日以上になるという場合は、あまり心配ないケースがほとんどです。

また、生理期間が3日程度で短いけれど、1~2日目にまとまってそれなりの出血量がある場合は、異常でないことが多いです。気になるなら、まずは基礎体温を測って排卵の有無を確認してみるとよいでしょう。

基礎体温の測り方についてはこちら「生理の周期が安定しないなら要確認?基礎体温はこうやって測ろう! 」で説明しています。

また、年齢的に閉経が近づいてくると、生理が全体的に軽くなってきて、量も少なく出血日数も1~2日になっていくことは異常ではありません。閉経前の生理不順として起こりうる症状なので、45歳以上の過少月経は必ずしも治療の対象にはなりません。

受診した方がよい場合とは?

生理が長い場合
・しっかりした月経様出血が8日以上続く場合
・少量の出血がダラダラと続き、1か月のうちトータルで14日以上が生理期間になる場合
は受診した方がよいでしょう。

また、生理期間が長く、健康診断で常に貧血を指摘されるような場合も、受診が必要です。

生理が短い場合
・40歳以下で生理期間が1~2日で終わってしまい、排卵もしていない場合
・妊娠を希望していて同様の症状がある場合
は受診が必要です。

生理期間が長い原因とは?

生理が8日以上長引く原因としては、大きく分けて2つあります。

無排卵周期になっている

1つは、卵巣機能の異常で排卵がうまくいかず、無排卵周期になっている場合です。
正常な生理では排卵が起こってから生理が来ますが、排卵しないまま生理が来ることを「無排卵性月経」と呼びます。無排卵だとホルモンの正常な「波」ができないため、出血もキレが悪くダラダラとなかなか生理が終わらない感じになりがちです。

無排卵性月経の出血は、どちらかというと少量で長く続くパターンの方が多く、月経量が多い過多月経になるケースはまれです。

子宮に異常がある

もう1つの原因は、子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜ポリープ・子宮奇形など、子宮そのものに何らかの「形や大きさの異常」がある場合です。この場合、ただ生理期間が長いだけでなく、月経量も増える場合があります。

生理期間が長い原因?無排卵周期とは?

無排卵周期は、生理が始まって間もない10代の方や閉経が近い40代後半の方にしばしば見受けられます。

正常な排卵周期の生理とは?

正常に排卵している場合は、卵巣の中で卵子の元となる卵胞が育ち、そこから徐々に卵胞ホルモン(エストロゲン)が出ることによって子宮内膜が厚くなっていきます。排卵後は卵巣から黄体ホルモン(プロゲステロン)が多量に分泌されて、子宮内膜を変化させます。

妊娠が成立しなければ、約2週間で黄体ホルモンも卵胞ホルモンも少なくなっていくため、「いったん上がったホルモンが下がる」ことによって内膜がはがれて出血として出てくるのです。排卵によってホルモンの正常な「波」が作られていれば、出血はダラダラと続くことはなく、3~7日間でスッキリと終わります。

無排卵性月経の特徴とは?

無排卵の場合は、卵胞ホルモンが少量ずつダラダラと出るため、子宮内膜は少しずつ厚みが増していきます。ただ、排卵しないために黄体ホルモンが分泌されず、子宮内膜は子宮内にとどまったままになるのです。

卵胞ホルモンの量がある程度多い場合、子宮内膜が厚くなりすぎて保ちきれなくなった時点で生理のような出血がおきます。これが無排卵性月経です。正常な生理のように黄体ホルモンの作用で子宮内がきれいに掃除されることがないので、ダラダラと少量で長い間続く、なかなか終わらない生理になります。

また、排卵している時には生理痛がある人も、無排卵になると月経量が減って痛みも軽くなりがちです。月経量が少ないために、排卵周期の時のような出血の色ではなく、さらっとした鮮血や茶色や黒っぽいおりもののような出血になる場合もあります。

生理期間が長いから必ず無排卵であるとは言い切れませんが、生理周期のバラツキも伴っている場合は無排卵を疑った方がよいでしょう。

無排卵周期になる原因とは?

無排卵周期になる原因は、
・年齢的な卵巣機能の低下
・過労などのストレス
・食事の偏り
・体重の増減
・冷え
などがあげられます。

また、多嚢胞性卵巣症候群や高PRL血症などの、生理不順を引き起こすホルモン異常でも排卵機能が抑えられてしまう場合があります。

受診した方がよい場合とは?

・生理期間が10日以上のサイクルが3周期以上続く場合
・1か月間のトータルの生理期間が14日以上ある場合
・基礎体温上無排卵であることが疑われ、妊娠を希望している場合
は、早めに婦人科を受診しましょう。

排卵しているかどうかは、基礎体温をつければすぐにわかります。基礎体温で明らかに無排卵であると思われたら、初経から1年未満や45歳以上である場合を除いて、いったん婦人科を受診することをおすすめします。

どんな治療をするの?

無排卵性月経の治療は、基本的には生理不順の治療と同じです。

生活習慣の改善
出血期間が8~10日で多少長めでも、周期としては大体30日前後で、貧血にもなっていない場合であれば、生活習慣や食事の内容を改善したり、適切な体重にコントロールするだけで自然排卵を待つ場合もあります。

漢方治療
軽度のホルモン異常があるけれど、出血をコントロールするほどではない場合は、卵巣機能を助ける作用がある漢方を飲みながら基礎体温をつけて、排卵周期になるかを確認します。

ホルモン治療
ホルモンに異常があったり、出血期間が長すぎる場合は、ピルなどのホルモン剤でホルモンバランスを整えて出血期間をコントロールします。

排卵誘発剤
妊娠を希望している場合は、排卵させることが第一目標になります。漢方治療などで排卵周期にならない場合は、排卵誘発剤による治療を行います。排卵誘発剤には内服薬と注射があり、通常は効果がマイルドな内服薬から開始します。効きすぎると複数の卵胞が育って多胎や卵巣過剰刺激症候群のリスクになりますので、投薬中は必ず超音波検査で卵胞の育ち具合を確認していきます。

生理期間が長い原因?過多月経とは?

子宮に何らかの異常があって生理期間が長い場合は、月経量が多くなる「過多月経」を伴うことが多いため、貧血の有無に注意が必要です。

どれくらいの月経量があると過多月経?

一般的に、生理での正常な月経量は1回40ml~120mlと言われています。

月経量が多い目安とは?
・ナプキンが1~2時間でいっぱいになる
・昼でも夜用ナプキンが必要
・ナプキンとタンポンを併用しないと心配
・生理時にレバー状の塊が何度も出る
という場合は、月経量が多すぎる可能性があります。

また、出血期間は7日間以内でも、2~3日目にまとまって出血するために、生理期間は外出しにくくなるという場合も、月経量が多すぎると考えられます。

受診が必要な症状は?

過多月経を伴っていて生理期間も長い場合は、必ず受診が必要です。放置してしまうと気付かないうちに、ひどい貧血になってしまうことがあります。

受診するとどんな検査を受ける?
子宮の形や大きさに異常があるかどうかは、超音波検査で確認できます。内診が可能な人は膣から、内診ができない人は肛門から超音波の機器を挿入して、子宮や卵巣を写し出す検査です。

リラックスして受ければ痛みはそれほどなく、1分程度で終わる検査です。超音波検査で何らかの異常が見つかった場合、より詳しく見るために、子宮鏡検査やMRI検査を追加することもあります。

過多月経で生理期間が長い場合、どんな病気の可能性がある?

子宮筋腫

子宮筋腫は子宮の壁から発生する良性のコブです。できている場所が子宮の部屋の中だったり、サイズが大きすぎて子宮内を変形させてしまうようなケースでは、月経量が増えて出血期間も長くなるのが特徴です。

どんな検査をするの?
超音波検査で、筋腫の場所や大きさがある程度わかります。
・大きすぎて超音波検査では細部まで観察できない場合
・手術を検討した方がよい場合
・妊娠の希望があるので厳密に筋腫の状態を把握した方がよい場合
などは、精密検査を行います。

どんな治療をするの?
筋腫の治療は、外科的治療と投薬治療があります。

外科的治療は、子宮全体または筋腫のみを切り取る手術や、子宮動脈塞栓術(UAE)、集束超音波治療(FUS)などがあります。

投薬治療は、偽閉経療法、低用量や超低用量のピルによる出血量のコントロール、子宮内避妊具による黄体ホルモン療法などがあります。偽閉経療法は、注射や点鼻薬で女性ホルモンを抑えて閉経の状態にする治療です。

子宮腺筋症

子宮腺筋症は、子宮の壁に内膜症の病変ができる病気で、ひどい生理痛や過多月経が特徴的な症状です。進行すると、生理期以外にも腹痛が出たり、排便痛や性交痛を伴う場合もあります。

どんな検査をするの?
診断方法は子宮筋腫とほぼ同じです。それ以外に、血液検査で内膜症のマーカーを調べる場合もあります。

どんな治療をするの?
治療法も子宮筋腫とほぼ同じで、外科的治療か投薬治療になります。(筋腫に対する子宮動脈塞栓術や集束超音波治療は対象になりません。)

子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープは、子宮内にポリープ状の病変ができるものです。ホルモンのアンバランスによって起こることがほとんどです。

一時的にできて自然に縮小していくこともありますが、ポリープが大きすぎる場合や妊娠を希望している場合は手術の対象にもなります。

生理前から少量の出血があり、生理の終わりもダラダラとキレが悪い状態になるためにトータルの出血期間が長くなりがちです。また排卵期など、生理期とは別の時期に少量の出血が起こる場合もあります。

子宮内膜ポリープでは、子宮筋腫や子宮腺筋症ほどひどい過多月経になることはまれですが、生理痛や過多月経になることがあります。

どんな検査をするの?
診断方法は、まず超音波検査で子宮内の状態を見て、疑わしい影が見えるようなら子宮鏡検査で診断します。妊娠の希望がある場合、子宮鏡検査は必須になってきますが、そうでない場合はひとまず超音波検査だけで経過を見る場合もあります。

どんな治療をするの?
子宮内膜ポリープの治療法は、手術でポリープを取り除くか、ピルや偽閉経療法で子宮内膜を薄くしてポリープの縮小を図る方法になります。

手術は、子宮鏡手術と言って、膣側から細いカメラを子宮内に入れて、内視鏡を除きながらポリープを切り取る方法です。通常は1~2日間の短期入院で済みますし、外来で行っている病院もあります。

貧血が伴う過多月経は治療が必要

いずれの原因の場合も、貧血を伴っている場合、貧血治療は必ず必要になります。血液検査で「ヘモグロビン」の数値が正常値を下回っていたり、「血清鉄」や「フェリチン」の値が低い場合は、鉄分を補う治療を行います。軽度の貧血のみであれば、薬ではなくサプリメントで対応することもあります。

月経量が多くて貧血になる場合、毎月少しずつ貧血が進行しますので、体が貧血の状態に慣れながら病気が進むことになります。そのため、かなりひどい貧血になるまで、動悸や息切れといった貧血症状が出ない場合があります。

例え症状がなくても、過多月経や過長月経がある場合は血液検査で貧血の有無を確認するようにしましょう。

私がお答えしました

産婦人科医 清水なほみ
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~院長。女性特有の病気を中心に日頃の不調を改善するためのアドバイスをいたします。

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