15.07.01  更新:18.04.27

Q

生理期間が短い、2~3日で生理が終わる時の原因と対処法とは?

最近、生理期間が短く、生理がきても2~3日で終わってしまいます。生理期間が短い場合、どのような原因が考えられるのでしょうか?また生理期間が短い場合の対処法についても教えてください。

専門家からの回答
生理期間が短い場合や生理の経血量が少ない場合は、一度、婦人科へ相談するようにしましょう。
3行でまとめると?
  • 過少月経には、生活習慣から重大な病気までさまざまな原因の可能性が
  • 排卵があるかどうか、基礎体温をつけてチェック
  • 重大な病気を見逃さないためにも、婦人科へ受診を

正常な生理期間とは?

正常な月経(生理)期間は3~7日と定義されており、これより長くても短くても異常な可能性があります。生理期間が長くなるケースでは、少量でだらだらと長引くパターンと、月経量も多く出血期間も長く、トータルの出血量が多くなるパターンがあります。

※「生理」は医学的には「月経」といいますが、ここでは以下、一般的になじみの深い「生理」という表記に統一いたします。

一方、生理期間が1~2日のみと短くなるケースでは、ほとんどの場合、月経量も減ってきます。まれに、1~2日目にどっとまとまって多量の出血が起こり、3日目にはほとんど出なくなる、というケースもありますが、この場合はトータルの月経量があまり変わらないのが特徴です。

生理時の経血量に注目してみましょう
生理が少なすぎることを「過少月経」と言いますが、生理時の経血量には個人差があり、また年齢とともに減っていく場合がありますので、どこからが「異常」なのかを判断するのは難しい場合があります。

生理が以前より軽くなったけれど、3日以上はナプキンを数回替えるくらいの出血があり、生理周期が正常範囲で、排卵周期になっていれば、妊娠を目指している場合を除いては基本的に様子を見て問題ありません。また、40歳以上であれば、時々無排卵の周期が混ざっていてもそれほど問題ではありません。

しかし生理が1~2日で終わったり、おりもの程度の量しか経血が出なかったり、2~3日の出血が月に何度もあって、どれが生理でどれが不正出血なのかが分からないという場合は、受診が必要です。

それが単純にホルモンの分泌量が減って出血の元となる内膜が薄いために、出血量が減ったり出血期間が短くなっているだけであれば、ホルモン不足の程度によっては様子を見ても問題ないこともあります。

ただ、ホルモンのバランスが乱れていて、内膜は厚くなっているのにきちんと剥がれないために出血量が減っている場合は、子宮内に古い内膜がたまっていくことになりますので子宮体がんのリスクを上げることになります。内膜の厚みは超音波検査をすればすぐに分かりますので、上記の症状がある場合は婦人科を受診して検査を受けた方が安心です。

生理期間が短い原因とは

生理期間が短くなる原因は主に3つあります。後半で詳細を解説しますので、ここでは概要を述べます。

[ 1 ] 卵巣機能の低下(無排卵)
卵巣の働きが悪くなって排卵が上手く起こらなくなると、無排卵の生理がき起こります。無排卵の場合はホルモンが十分に出ていないので、出血量が減って生理が軽くなってしまいます。

[ 2 ] 不正出血がたびたび起きている
数日の不正出血を月経とカウントしてしまう場合があります。生理不順だと思っていたら、クラミジア感染による不正出血がたびたび起きていた、といったケースもあるので注意が必要です。

[ 3 ] 妊娠している
切迫流産や切迫早産の症状である出血を少な目の生理が来ていると勘違いして、妊娠していることに気づかないまま…というケースも時々見受けられます。少量の生理が続いていて、それ以前に性行為があった場合は、妊娠しているかどうかを必ず確認しましょう。

無排卵月経の原因とそれぞれの対策

生理期間が短い場合、多くは「無排卵周期の月経」になっています。正常な生理では、生理が終わる頃から徐々に卵巣の中で「卵胞(卵子の元)」が育っていき、それに伴って「卵胞ホルモン(エストロゲン)」の分泌量が増えていきます。卵胞ホルモンは子宮内膜を厚くさせていく作用があるため、ある程度の卵胞ホルモンがあれば内膜の厚みは徐々に増していきます。

無排卵月経とは

卵胞が十分に育つと、そこから卵子が飛び出て「排卵」が起きます。排卵後の卵巣には「黄体」というものができ、そこから「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が分泌されます。

黄体ホルモンは子宮内膜を変化させて妊娠に備えますが、妊娠が成立しなければ約2週間で減っていきます。この、黄体ホルモンの「上がって下がる」という変化が、子宮内膜をきれいにはがして経血として出すのに重要な働きを持っています。

しかし無排卵周期の場合、排卵しないため黄体ホルモンが出ません。そうすると、ある程度出ている卵胞ホルモンの影響で子宮内膜は徐々に厚くなるけれど、しっかりはがれ切れないという状態になります。そのため、少量で中途半端な出血がランダムに起きるという状態になるのです。

そして卵胞ホルモンも全く出なければ、子宮内膜が薄いままなので何ヶ月も月経が来ない「無月経」という状態になります。無排卵性の生理の場合は、卵胞ホルモンはある程度分泌されていることが多く、中には卵胞ホルモンだけが過剰に分泌されてしまっていることもあります。

排卵のチェックは基礎体温で
排卵しているかどうかは、基礎体温をつければある程度分かります。まずは2~3ヶ月基礎体温をつけて、低温期と高温期の差がよく分からない場合は、婦人科で相談してみた方がよいでしょう。

また、排卵の時期に超音波検査で卵胞が育っているかどうかを確認したり、高温期(のはずの時期)に黄体ホルモンを測って十分に分泌されているかどうかを確認することで、より正確に排卵の有無を確認することができます。

無排卵になる原因はどんなことから?

無排卵になる原因とは、次のようなものが挙げられます。

・多嚢胞性卵巣症候群
・ストレスや冷えなどによる卵巣機能の低下
・栄養の偏り
・無理なダイエットや急激な体重の増加
・高プロラクチン血症
・甲状腺機能の異常

また生活習慣や食生活の乱れによって一時的に卵巣機能が低下したり、脳が負担を感じて排卵の刺激を出さなくなってしまっても、排卵しにくくなります。基礎体温をつけてみて排卵していないようでしたら、プロラクチンや甲状腺ホルモンも含めて、ホルモンのバランスに異常がないか検査を受けた方がよいでしょう。

過少月経や無排卵の治療方法

過少月経でも、生理がある程度規則的に来ていれば、無理に治療する必要はありません。特に加齢に伴う過少月経や無排卵は、ほかに不快な症状がなければ、そのまま様子を見ても問題ないでしょう。少量の中途半端な生理がたびたび来てしまう場合は、ピルなどのホルモン剤で周期を整えることもあります。

無排卵の場合、妊娠の希望の有無によって治療法が異なってきます。
妊娠の希望がある場合は、基礎体温で排卵の有無を確認したり、超音波検査で子宮内膜の厚みを確認したり、ホルモン検査で黄体機能が正常なのかを確認する必要があります。

妊娠希望・妊娠の可能性がある場合
妊娠の希望があって、無排卵や黄体機能不全がある場合は、排卵誘発剤などによる投薬治療が必要です。排卵誘発剤には、内服薬と注射があり、内服薬でも卵巣が反応せず卵胞が育たない場合は注射で強力に刺激していく場合もあります。

妊娠希望がない場合
また妊娠の希望がない場合、無理矢理、排卵させることは却って卵巣の負担になってしまいますので、通常は排卵誘発剤は使いません。ホルモンの異常が少ない場合は、漢方薬による治療や生活改善を試みながら、基礎体温で排卵周期になるかどうか確認します。ホルモン異常が顕著な場合や、漢方治療が無効な場合は、低用量ピル・超低用量ピルを使ったり「カウフマン療法」といったホルモン治療を行います。

多嚢胞性卵巣症候群によって男性ホルモンが高くなっている場合は、男性ホルモンを抑える作用があるピルを用いることもあります。

なお体重の増減による生理不順の場合は、適切な体重に戻すことを優先することもあります。バランスのよい食事や保温を心がけ、体重を適切に保つだけで排卵周期になることもありますので、まずは生活習慣を見直してみましょう。

不正出血の原因とそれぞれの対策

生理と生理の間に少量の不正出血がおきると、その出血も「軽めの生理」とカウントしてしまうことがあります。特にもともと生理不順の傾向がある場合は、どれが生理でどれが不正出血なのかが見分けがつかないこともあり、自覚がないまま不正出血が続いていることもあるので注意が必要です。

不正出血の原因は、次のようなものが挙げられます。

・子宮頸がん
・子宮体がん
・月経不順
・クラミジア等による頸管炎
・頸管ポリープ
・子宮内膜ポリープ

いろいろな原因が考えられるため、検査してみなければなぜ出血しているのかは分かりません。少量の月経様出血が不定期にある場合は、1度は受診しましょう。

生理不順に伴って、途中で中途半端な出血が何度も起こっている場合は、量が少なければ様子を見ることもあります。ただ、出血があまりにも頻繁な場合、それが原因で貧血になってしまうこともあるため、ホルモン治療で周期を整えた方が安心です。それぞれ解説していきましょう。

子宮頸がんの可能性

子宮頸がんとは、子宮の出口にできるがんで、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルス感染が原因で発生します。20~30代の女性のがんの中では最も多く、最近はがんの発生年齢が若年化してきているため、たとえ10代や20代でも性交経験があれば発生しうるがんです。

初期には自覚症状がほとんど出ませんが、不正出血やおりものがきっかけで異常が見つかることもあります。症状がなくても20歳を過ぎたら定期的にがん検診を受け、症状があればすぐに婦人科を受診しましょう。

子宮体がんの可能性

子宮体がんとは、子宮内膜に発生するがんで、主にホルモンの影響を受けて発生します。子宮頸がんとは異なり、性交経験がなくても発生しうるものです。

ホルモンバランスが乱れやすい閉経前後に増えるものですが、生理不順や肥満であると30代でも罹患することがあります。多嚢胞性卵巣症候群の生理不順を放置していると子宮体がんのリスクになることも指摘されていますので、子宮内膜が厚いのにきちんとした出血が来ていない場合は、子宮体がん予防のためにも治療を受けましょう。ピルは6ヶ月以上継続的に服用することで、子宮体がんのリスクを半減してくれます。

クラミジア頸管炎、淋菌頸管炎の可能性

いずれも性行為によってクラミジアなどの細菌が子宮の出口に感染し、そこに炎症を引き起こす性感染症です。女性患者の6~7割が無症状なので感染に気づきにくく、10~20代の女性に特に多い感染症です。自覚症状が出るとしたら、不正出血やおりものの増加、おりものの臭いの変化、腹痛などです。これらの症状が気になる場合は、直ちに婦人科で検査を受けましょう。また、日頃からコンドームで感染症予防を心がけることが重要です。

子宮頚管ポリープの可能性

子宮頚管ポリープとは、子宮の出口にできるポリープで、サイズが大きくなければ放っておいても問題はありません。ただ、不正出血や性交後出血の原因となることが多く、それらの症状が気になる場合はポリープ切除を行った方がスッキリするでしょう。

子宮内膜ポリープの可能性

子宮内膜ポリープとは、子宮内膜にできるポリープです。悪性でなければ放置しても問題はありませんが、不正出血や過多月経や不妊の原因になることもありうるため、症状や妊娠希望の有無によっては手術でポリープを取る場合もあります。

切迫流産や切迫早産の可能性

なお頻度としては低いですが、妊娠中の切迫流産や切迫早産による少量出血を生理だと勘違いしてしまうこともあります。出血が起こりやすいのは妊娠の状態が安定しない妊娠初期ですが、妊娠の後半でも少量の出血が起こることがあります。

この場合、本人の意識としては「不規則に軽い生理が来ている」という状態なので、妊娠に気づくタイミングが遅れがちです。中には、臨月まで妊娠に気づかず、そのまま陣痛が来てしまったケースもあります。

こうした場合、生理の量が極端に減ってきたなと思い、それ以前に性行為の機会があったならば、妊娠反応は調べておいた方が安心です。また生理不順傾向があれば、ピルで確実な避妊と生理不順の治療を兼ねることも可能ですので、妊娠の不安を抱えるよりも、どうすれば確実に避妊ができるかを考えてみましょう。

生理の変化は身体からの一番分かりやすいサイン

生理期間が短くなることは、必ずしも「異常」であったり医学的に治療が必要な状態とは限りません。妊娠の希望がなければ、基礎体温をつけて少し様子を見ても問題ないことがほとんどですが、上記のように注意が必要な病気が隠れていることもあります。気になる症状があったら一度は婦人科を受診してみることをおすすめします。

また、明らかに生活や食事が乱れている場合や、自分自身で「ストレスフルな毎日である」と感じている場合は、まずはその状況を改善することが大事です。生理の変化は「今の状況を見直して!」という、身体からの一番分かりやすいサインです。こうした小さなサインを見逃さず、こまめにセルフメンテナンスをすることが、大きな病気を予防することにつながります。

私がお答えしました

産婦人科医 清水なほみ
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~院長。女性特有の病気を中心に日頃の不調を改善するためのアドバイスをいたします。

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