15.07.01  更新:18.12.21

Q

長い生理周期の原因って?周期が乱れる原因と対処法とは?

最近、生理と生理の期間が長く、生理予定日よりも遅れて生理がくることが多くなっています。生理の空く期間も、バラバラで、30日くらいのこともあれば、45日くらいの時もあります。このような生理周期が長い場合や、生理が遅れるにはどのような原因があるのでしょうか?

専門家からの回答
自分の生理周期を把握しましょう。生理が遅れるには、病気や妊娠など様々な原因が考えられます。
3行でまとめると?
  • 生理周期がバラバラの場合や、45日以上の場合は受診を
  • ホルモンに問題がない場合は日常生活の改善が有効
  • 卵巣機能の低下など、問題に合わせて治療方法を選びましょう

生理や生理周期が遅れるとは、具体的に何日くらい?

月経周期(生理周期)は月経が来た日から次の生理がくる前日までの日数のことです。毎月だいたい同じ日付で生理が来ている人は、生理周期が約30日ということになります。正常な生理周期は25日~38日と定義されており、周期が24日以下であれば「頻発月経」、周期が39日以上であれば「稀発月経」といいます。

※「生理」は医学的には「月経」といいますが、ここでは以下、一般的になじみの深い「生理」という表記に統一いたします。

生理予定日、1週間を過ぎたら遅れているかも

生理周期が25日~38日の範囲内で前後する場合は異常ではないことも多く、毎月ピッタリ同じ周期で月経が来る人もいれば、かなりばらつくという人もいます。周期が2~3日のずれでほぼ安定している場合は、次の生理予定日が予測しやすいのですが、周期のずれが5日以上ある場合は次の生理が読みづらくなります。

最近は、アプリで生理予定日を予測してくれるものもありますが、アプリで算出される生理予定日は入力した生理周期の「平均」で計算するように設定されていることが多いので、周期のばらつきが5日以上ある人は月経予定日があまりあてにならないものとなります。
普段の生理周期が安定している人は、生理予定日を1週間過ぎても月経が来なければ生理が遅れている」と考えてよいでしょう。

生理周期にバラつきがある時は要注意

生理周期が40日くらいで多少長めでも、ほぼ定期的に生理が来ていて排卵周期になっていればあまり問題はありません。周期が45日以上になる場合や、20日のこともあれば50日のこともあるなど、ばらつきが大きい場合は、ホルモン検査など生理不順の原因がないか検査を受けた方がよいでしょう。

生理が遅れる原因と対処方法とは?

生理が予定通りに来ない、生理周期が遅れる、といった変化にはどのような原因があるのでしょうか。考えられる可能性を順番にご紹介していきます。

まずは妊娠の有無の確認を

普段は生理が順調な人が、月経予定日を1週間過ぎても月経が来ない場合、まず確認が必要なのが妊娠していないかどうかです。妊娠かどうかは妊娠反応を確認すればすぐに分かります。基礎体温をつけている人であれば、高温期が2週間以上持続している場合は妊娠している可能性が高くなります。生理周期が不安定で、基礎体温もつけていない場合、妊娠しているかどうかの確認をいつすればよいのかが分からないケースもあると思われます。

前回の生理から45日以上たっており、途中で性行為の機会があったのであれば、その時点でいったん妊娠反応を確認した方がよいでしょう。結果が陽性ならすぐに受診が必要です。結果が陰性であれば、それ以降の性行為を控えて1~2週間後に再度妊娠反応を確認します。最後の性行為から3週間たっても妊娠反応が陰性であれば、原因は妊娠ではありません。

更年期の可能性

年齢が45歳以上を超えた、いわゆる更年期という時期にさしかかると、生理の間隔が間延びすることがあります。年齢が更年期に近くなり、かつ経血の際の出血量が少なくなってきた場合は、単に体の衰えによる女性ホルモンの分泌量が変化しただけなので、医師への受診などは必要ありません。

生活習慣や食生活の乱れの可能性

そのほか、妊娠以外に遅れる原因は、一時的な排卵の遅れや子宮内の卵巣機能の低下、高プロラクチン血症や甲状腺モルモンの異常などです。

排卵が遅れたり卵巣機能が低下する原因としては、不規則な生活や過労や栄養バランスの偏りなど、何らかの心身の負担が大きくなったせいで一時的な生理不順を引き起こす場合があります。また、急激な体重の増減も、卵巣機能を妨げる要因になります。

普段は順調に生理が来ているけれど、ハードな毎日を過ごしていたら1回だけ遅れたという場合は、まずは生活習慣や食事を見直して基礎体温をつけながら次の生理がもとの周期に戻るか様子を見ても問題ありません。

長期間来ない場合は受診を

ただし、生理が60日以上来ない場合は、たとえ一時的な生理不順でも投薬が必要な場合があります。特に90日たっても生理が来ず、妊娠もしていない場合は、できるだけ早めに婦人科を受診しましょう。

注意したい生理周期の変化って?

初潮以来、周期が長いという場合や、段々間延びしてきて45日以上の周期になってきた場合、また、ずっと順調だったのに急に45日以上の周期になってきたという場合は、受診して超音波検査やホルモン検査を受けた方がよいでしょう。

必ずしもすぐに治療が必要とは限りませんが、場合によっては早めにホルモン治療を開始した方がよいケースもあります。特に、周期が60日以上でかなり長い場合や、基礎体温上排卵が確認できない場合、また、妊娠を希望している場合は、治療を開始した方がよいといえます。

40日以上の場合は稀発月経の可能性

周期が40日以上になる場合は、稀発月経を一度疑いましょう。
多くの場合は生理の期間に働く女性ホルモンが正常に分泌されないなどの、ホルモンバランスの乱れによって起こるもので、基本的には経過観察として診断されることが多いものの、何かしらの病気によって引き起こされている可能性もあるので、簡単に放っておかず、一度医師に受診することをおすすめします。

90日以上こない場合は無月経の可能性も

90日以上来ない場合は、生理不順ではなく「無月経」といって、必ず治療が必要な状態です。 無月経の期間が長ければ長いほど、治療にかかる期間も長くなることが多いため、90日以上来ない状態は放置しないようにしましょう。

特に、10代の骨が成長していく時期に無月経期間があると、十分な骨密度が得られず、将来骨粗鬆症になるリスクを作ることになります。骨密度は、だいたい18~20歳でピークをむかえますので、それまでに丈夫な骨を作っておくことが重要なのですが、骨の形成に影響しているのが卵巣から出ているエストロゲンというホルモンなのです。
無月経期間があるということは、エストロゲンが充分出ていない期間があるということになり、骨が充分に作られなくなってしまうのです。

稀発月経はどうして起こるの?

妊娠していないのに周期が長くなる原因は、多くの場合卵巣機能の低下です。卵巣から出ている女性ホルモンのバランスや脳下垂体から分泌されるホルモンの値を見ることで、ある程度原因が分かります。

多くは卵巣機能の低下が原因

卵巣の働きが悪くなると、排卵までに時間がかかったり排卵しにくくなったりするため、月経周期が長くなります。卵巣が完全に活動をストップしてしまうと、女性ホルモンがほとんどない状態になるため、3ヶ月以上月経が来ない「無月経」になります。

45歳以上でこのような状態になることは、異常とはいえませんが、あまり早くホルモン不足の状態になると、骨密度が早く下がってしまったり、高脂血症のリスクになり得ますので、50歳くらいまでは女性ホルモンを補っておいた方がよいでしょう。

40代に入って急に月経周期が長くなってきたり、それに伴ってほてりや発汗・疲れやすさ・めまいや頭痛などの体調不良が出やすくなったという方は、一度婦人科でホルモン検査を受けてみることをおすすめします。

年齢的に、まだ卵巣機能は保たれているはずなのに、卵巣機能が下がってしまう原因は、次のようなことが考えられます。

・卵巣の手術や放射線治療・抗がん剤治療による正常卵巣組織(細胞)の減少
・染色体や遺伝子の異常による卵巣機能低下
・脳の視床下部や下垂体から命令のホルモンが出ていない
・急激な体重の増加や減少
・栄養の偏りや低栄養
・多忙や睡眠不足による自律神経の乱れ

また、高プロラクチン血症や甲状腺機能の異常によっても、卵巣機能が妨げられてしまうことがあります。プロラクチンは、脳の下垂体から分泌されるホルモンで、主に授乳中にお乳を作るために働きます。

授乳中は次の妊娠をしては困るため、プロラクチンが卵巣の働きを抑える作用を持っています。そのため、何らかの原因で、授乳中ではないのにプロラクチンがたくさん分泌されてしまうと、卵巣機能が下がってしまい、生理不順が引き起こされるのです。

甲状腺機能異常が稀発月経の原因になることも

甲状腺機能異常には「甲状腺機能亢進症」と「甲状腺機能低下症」があります。このどちらでも、生理不順を引き起こすことがあります。甲状腺機能をコントロールしているのも脳の下垂体という場所のため、甲状腺ホルモンの異常があると下垂体機能に影響が出てしまい、その結果卵巣への命令ホルモンがうまく分泌されなくなって生理不順を引き起こすのです。

また、甲状腺機能異常は不妊や流産・早産の原因にもなりうるため、これから妊娠を目指そうと思っている方は、卵巣機能だけでなく甲状腺機能のチェックも受けておくと安心です。

多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群とは
排卵がうまくいかずに生理不順を引き起こす病気に「多嚢胞性卵巣症候群」があります。卵巣の中に中途半端に育った卵胞(卵子のもと)がたくさんたまってしまって、下垂体ホルモンのバランスに異常が出たり、男性ホルモンが高くなったりする病気です。

最近は、「インスリン」という血糖値をコントロールするホルモンとの関係も指摘されており、多嚢胞性卵巣症候群の人は「インスリン抵抗性が高い」、つまりインスリンの効きが悪く血糖値が上がりやすい傾向にあることが分かってきました。

そのため、多嚢胞性卵巣症候群の症状として、男性ホルモンが高いせいで引き起こされる多毛・ニキビ・肥満などの男性化徴候や、インスリン抵抗性のせいで糖尿病・高脂血症・高血圧などの生活習慣病が若い年齢から出現することもあります。また、多嚢胞性卵巣症候群による生理不順を放置してしまうと、将来的な子宮体がんのリスクが高くなることも指摘されています。

稀発月経の改善方法とは?

生理周期稀発月経を改善するには、生理の周期がどれくらい遅れているか、日数の長さによって方法を変えてみましょう。順番にご紹介していきます。

生理周期が60日以上の場合は、婦人科へ

周期がバラバラだったり、生理が60日以上こない場合は、一度婦人科に受診をするようにしましょう。超音波検査で卵巣に異常がないか、血液検査でホルモンのバランスや糖代謝・脂質代謝に異常がないかなどが分かります。

診断、検査の結果異常が見つかった場合は、下記のような治療を進めていきます。

ケース1:プロラクチンが高い場合の治療
プロラクチンが高い場合は、プロラクチンを下げる薬を用いて治療を行うことがほとんどです。高プロラクチン血症の原因が脳腫瘍の場合は、外科的に腫瘍を切除する場合もあります。

ケース2:甲状腺機能異常の治療
甲状腺機能異常が見つかった場合は、先に甲状腺の治療を優先的に行うことが多いのですが、3ヶ月以上の無月経がある場合は、生理不順の治療も同時進行で行うこともあります。

いずれの場合も、婦人科と甲状腺内科で連携をとりながら治療を進めていきます。甲状腺機能低下があって、妊娠を希望している場合は、妊娠を目指すにあたって適切な数値に甲状腺機能がコントロールできるように、より厳密な治療が必要になることがあります。甲状腺の数値が、きちんと適切な範囲になってから妊娠を目指しはじめるようにしましょう。

ケース3:そのほかの原因の場合
多嚢胞性卵巣症候群やその他の卵巣機能低下に対しては、基本的にホルモン治療を行って、整えます。特に、男性ホルモンが高くなるタイプの卵巣機能低下の場合は、男性ホルモンを抑える作用を持ったピルが有効です。ピルは子宮体がんを予防する効果もあるため、特に多嚢胞性卵巣症候群の方や、ホルモンのアンバランスで子宮内膜が厚くなりすぎている方の場合は、子宮体がん予防の目的も兼ねてピルを使うことが多いでしょう。

片頭痛や喫煙などによってピルが飲めない場合は、カウフマン療法などピルよりも弱いホルモン剤を使って整えていきます。どの薬剤を用いるのかは、ホルモンの状態や避妊の必要性など、さまざまな条件を見て総合的に判断します。自分自身がどのような治療を希望しているのか、きちんと主治医に伝えるようにしてくださいね。

生理周期が45日程度は生活習慣の見直しを

明らかなホルモン異常がなく、周期が45日程度の状態でしたら、まずは生活習慣や食習慣を改善しながら、基礎体温をつけて様子を見ることもあります。卵巣機能を助けるために、体を温めたり血行を改善したりする作用のある漢方薬を併せて使う場合もあります。

妊娠希望の場合の対処方法
ホルモン異常がなくても、妊娠の希望があって排卵までに時間がかかる、または排卵していない場合は、「排卵誘発剤」による治療が必要になってきます。たとえ自力で排卵できていても、排卵するまでに30日以上かかる場合は、年間の「妊娠できるチャンス」が少なくなってしまいます。

漢方治療や生活習慣の改善によって、排卵までの時間が正常範囲に近づけばよいのですが、改善されない場合は排卵を促す治療を行った方が効率よく妊娠を目指せます。排卵誘発の方法は、内服薬によるものと注射を用いる方法があります。どの程度「排卵しにくい」状態なのか、また薬剤への反応の程度によってどの治療を選択するのかが決まってきますので、主治医とよく相談しながら治療を進めていく必要があります。

私がお答えしました

産婦人科医 清水なほみ
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~院長。女性特有の病気を中心に日頃の不調を改善するためのアドバイスをいたします。

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