15.07.01  更新:19.03.05

Q

生理周期が長い。原因や隠れる病気は?

最近、生理と生理の期間が長く、生理予定日よりも遅れて生理がくることが多くなっています。生理の空く期間がバラバラで、30日くらいのこともあれば、45日くらいのときもあります。生理周期が長い場合や、生理が遅れるにはどのような原因があるのでしょうか?

専門家からの回答
産婦人科医 清水なほみ
自分の生理周期を把握しましょう。生理が遅れるには、病気や妊娠などさまざまな原因が考えられます。
3行でまとめると?
  • 生理周期がバラバラの場合や、45日以上の場合は受診を
  • 問題に合わせて治療方法を選びましょう
  • ホルモンに問題がない場合は日常生活の改善が有効

目次

生理周期は何日だと長い?

女性の場合、毎月もしくは数か月ごとにやってくる月経(生理)。生理周期がいつもより長くなったり、周りの人よりも長かったりすると、不安な気持ちになりますよね。今回は長い生理周期について解説していきます。

ナプキンと経血

生理周期とは生理が来た日から次の生理がくる前日までの日数のこと。
正常な生理周期は25日~38日と定義されており、生理周期が25日~38日の範囲内で前後する場合は異常ではないことも多いです。

一方、いつもある程度決まった日に生理がくるのに、1週間を過ぎても生理が来ないという場合には、「生理が遅れている」といえるかもしれません。また、生理周期が40日くらいで多少長めでも、ほぼ定期的に生理が来ていて排卵しているような場合はあまり問題ありません。

以下のような場合には、ホルモン検査など生理不順の原因がないか検査を受けるとよいでしょう。

  • ・生理周期が45日以上になる
  • ・生理周期にばらつきがある

※「生理」は医学的には「月経」といいますが、ここでは以下、一般的になじみの深い「生理」という表記に統一いたします。

生理の遅れは妊娠や生活の乱れの可能性

「生理が遅い・予定通りに来ない」「生理周期が遅れている」といった変化にはどのような原因があるのでしょうか?考えられる可能性をご紹介していきます。

[ 1 ] 妊娠により生理が遅れている

妊娠検査薬

普段は生理が定期的にくるにもかかわらず、生理予定日1週間過ぎても生理が来ない場合、まず心配になるのが妊娠をしていないかどうかでしょう。以下に当てはまる場合には、妊娠をしている可能性があるため、妊娠反応を確認した方がよいでしょう。

  • ・前回の生理から45日以上経過している
  • ・性行為の機会があった
  • ・高温期が2週間以上持続している(基礎体温を計っている)

結果が陽性の場合、すぐに産婦人科の受診が必要です。
結果が陰性であれば、それ以降の性行為を控えて1~2週間後に再度妊娠反応を確認してください。最後の性行為から3週間経過しても妊娠反応が陰性であれば、原因は妊娠ではありません。

[ 2 ] 生活の乱れにより生理が遅れている

何らかの心身の負担が大きくなると、一時的な生理不順を引き起こすことがあります。以下に当てはまる場合は生活の乱れによる生理不順の可能性があります。

  • ・不規則な生活
  • ・過労
  • ・栄養バランスの偏った食事
  • ・急激な体重の増減

[ 3 ] 更年期・閉経による生理の遅れ

更年期に差し掛か女性ホルモンの分泌量が変化することでも生理が遅れます。以下のような場合は、心配でなければ医師への受診は不要となります。

  • ・年齢が45歳以上
  • ・経血量が少なくなってきた

また、多くの女性は50歳前後に閉経を迎えます。この更年期から閉経への過程には個人差がありますので、不安になる前に参考にしてみてください。

  • ・生理周期が遅れる
  • ・少ない経血量でダラダラと生理期間が続く
  • ・生理期間が短い状態と長い状態が行きつ戻りつする
  • ・生理周期が短くなっていきなり閉経する

生理が60日以上来ない場合は受診を

もし生理が60日以上来ない場合は、たとえ一時的な生理不順でも投薬が必要な場合があります。特に90日たっても生理が来ず、妊娠もしていない場合は、できるだけ早めに婦人科を受診しましょう。

生理周期の遅れに隠れる病気とは?

婦人科の医師と受診する女性

[ 1 ] 稀発月経

生理周期が長くなる原因のひとつに、病気が隠れている可能性が考えられます。
生理周期が39日以上続き、あまり月経が来なくなった状態のことを「稀発月経」といいます。稀発月経は多くの場合、卵巣の機能低下によるホルモンバランスの乱れによって起こります。

また、卵巣は活動が完全にストップしてしまうと女性ホルモンがほとんどない状態になります。そうすると、3ヶ月(90日)以上生理が来ない無月経となります。90日以上生理が来ない場合は、治療が必要な状態です。無月経の期間が多ければ多いほど、治療にかかる期間も長くなることが多いため、90日以上来ない状態は放置しないようにしましょう。

[ 2 ] 多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群

排卵がうまくいかずに生理不順を引き起こす病気に「多嚢胞性卵巣症候群」があります。
卵巣の中に中途半端に育った卵胞(卵子の元)がたくさんたまってしまって、下垂体ホルモンのバランスに異常が出たり、男性ホルモンが高くなったりする病気です。

多嚢胞性卵巣症候群の症状として、以下のような生活習慣病が若い年齢から出現することがあります。

  • ・多毛
  • ・ニキビ
  • ・肥満
  • ・糖尿病
  • ・高脂血症
  • ・高血圧

また、多嚢胞性卵巣症候群による生理不順を放置してしまうと、将来的な子宮体がんのリスクが高くなることも指摘されています。

[ 3 ] 高プロラクチン血症

プロラクチンとは脳の下垂体から分泌されるホルモンで、主に授乳中に母乳を作るために働きます。授乳中は次の妊娠をしては困るため、プロラクチンが卵巣の働きを抑える作用を持っています。

そのため、何らかの原因で、授乳中ではないのにプロラクチンがたくさん分泌されてしまうと、卵巣機能が下がってしまい、生理不順が引き起こされるのです。

生理周期の乱れを改善するには?

薬を飲む女性

稀発月経を改善するには、生理周期の日数の長さによって改善方法を変えてみましょう。

生理周期が60日以上の場合は、婦人科へ


  • ・生理周期がバラバラ
  • ・生理が60日以上こない

上記のような場合は、婦人科を受診するようにしましょう。超音波検査で卵巣に異常がないか、血液検査でホルモンのバランスや糖代謝・脂質代謝に異常がないかなどが分かります。

妊娠希望者はその旨を医師に伝えましょう。
排卵までに時間がかかる、または排卵していない場合は、排卵誘発剤による治療が必要となってきます。たとえ自力で排卵できていても、排卵するまでに30日以上かかる場合は、年間の「妊娠できるチャンス」が少なくなってしまいます。

排卵誘発の方法は、内服薬によるものと注射を用いる方法があります。どの程度「排卵しにくい」状態なのか、また薬剤への反応の程度によってどの治療を選択するのかが決まってきますので、主治医とよく相談しながら治療を進めてくださいね。

生理周期が45日程度は生活習慣の見直しを

明らかなホルモン異常がなく、周期が45日から50日程度の状態だったら、まずは生活習慣や食習慣を改善しながら、基礎体温をつけて様子を見ることもあります。また、卵巣機能を助けるために、体を温めたり血行を改善したりする作用のある漢方薬を併せて使う場合も。

多嚢胞性卵巣症候群の場合の治療

多嚢胞性卵巣症候群に対しては、基本的にホルモン治療を行って整えます。特に、男性ホルモンが高くなるタイプの卵巣機能低下の場合は、男性ホルモンを抑える作用を持ったピルが有効です。

片頭痛や喫煙などによってピルが飲めない場合は、カウフマン療法などピルよりも弱いホルモン剤や漢方薬などを使って整えていきます。どの薬剤を用いるのかは、ホルモンの状態や避妊の必要性など、さまざまな条件を見て総合的に判断します。

自分自身がどのような治療を希望しているのか、きちんと主治医に伝えるようにしてくださいね。

高プロラクチン血症の場合の治療

高プロラクチン血症の場合は、プロラクチンを下げる薬を用いて治療を行うことがほとんどです。高プロラクチン血症の原因が脳腫瘍の場合は、外科的に腫瘍を切除する場合もあります。

生理がなかなか来ないと予定を立てるのも難しいし、将来的に見れば不妊につながったりと不安に感じるものですよね。「忙しいから」「面倒だから」と放置せず、おかしいと思ったら早めに婦人科で相談してみましょう。ほかの不調も改善できて、笑顔が戻ってくるかもしれませんよ。

私がお答えしました

産婦人科医 清水なほみ
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~院長。女性特有の病気を中心に日頃の不調を改善するためのアドバイスをいたします。
Facebook:https://www.facebook.com/vivalita.salon

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