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生理前の胸の痛みの原因とは?

生理前になると胸が張ったり、時には痛みを感じることがあります。どうして胸が痛むのでしょうか?胸の痛みを和らげる対処法も教えてください。

専門家からの回答
産婦人科医 清水なほみ
生理前になるとホルモンの影響で胸が張り、痛みを感じることも。生活習慣を見直しながら、痛みを和らげていきましょう。
3行でまとめると?
  • 胸の張り、痛みは生理前のホルモン分泌が正常にできている証拠
  • 触るとゴツゴツしている場合は、乳腺症の可能性も
  • 痛みを和らげるには規則正しい生活をすることが大切

目次

生理前、胸が張ったり痛むのはなぜ?

自分の胸に触れる女性

生理前の胸の張りや痛みに不安を覚える人も多いと思います。胸の痛みには、問題のない痛みと、注意が必要な痛みがあります。ここでは、生理前の胸の痛みの原因についてお伝えします。

胸の痛みは3種類

胸の痛みは大きく分けて3種類。そのうち、2種類は問題を伴わない胸の痛みです。

生理・妊娠・出産で起こる胸の痛み
生理が近づいてくると胸が腫れたような痛みを感じる女性は多くいます。生理で起こる胸の痛みはホルモン分泌が正常な証拠です。また、妊娠すると分娩直前まで胸の張りや痛みを感じることも。こうした痛みは生理的な痛みですから、心配する必要はありません。

成長期の胸の痛み
10代で胸が痛む女性は、成長期による胸の痛みの可能性があります。10代は、女性ホルモンが少しずつ増え、体が徐々に大人の女性に近づいていく第2成長期。この時期の胸の痛みは、成長に伴う痛みなので、心配いりません。

病気が原因で起こる胸の痛み
以下の症状に心当たりがある場合には、医師に相談しましょう。

  • ・鋭い痛みがある
  • ・乳頭から透明な分泌液が出る
  • ・胸を触って違和感がある

病気が原因で起こる胸の痛みについては「受診をおすすめ!心配な胸の痛みは?」でお伝えします。

胸の痛みの原因は黄体ホルモン

ブラジャーと洋服

生理が近づいてくると、人によっては下着が付けられないほど痛む場合もあるようです。なぜ生理の前にそれほど胸が痛むのでしょうか?

痛みの原因は、女性ホルモンのひとつ、黄体ホルモン(プロゲステロン)が多く分泌されるから。黄体ホルモンとは、妊娠の成立・継続に欠かせないホルモンで、基礎体温を上げて子宮内膜で妊娠の準備をしたり、授乳の準備をしたりするために、腺房や乳管を増殖させ、膨らませる働きをします。それによって、乳房の容積は30~40%増加します。そのため、胸が張り、下着が合わなくなることも。こうした胸の張りに伴って、痛みを感じるのです。

胸が痛み出すのは、排卵が終わった後、生理の7~10日前からです。排卵が終わると黄体ホルモンが分泌され、妊娠の準備を始めます。生理前の胸の張りと痛みは、子どもを産み、育てる役割を担う女性ならではのホルモン作用の影響なのです。

生理的に起こりうる胸の痛みは生理が始まると和らぎます。
もしも、生理がなく、2週間以上胸の痛みや張りが続いたら、妊娠している可能性があります。その場合は、妊娠検査薬でセルフチェックをしてみてくださいね。

また、生理が始まるとスッキリ治まるけど、生理前には耐えられないほどの胸の痛みを毎月感じるという人は、月経前症候群(PMS)の可能性もあります。

PMSは、イライラ、腹痛、眠気、頭痛、微熱、体重増加、胸の痛みなどさまざまな不快な症状を伴います。これらの症状は、生理前に黄体ホルモンの分泌が急激に増え、生理が始まると急に減ることが原因だといわれています。日常生活に支障が出る場合は、我慢せずに婦人科で相談しましょう。

受診をおすすめ!心配な胸の痛みは?

胸の痛みが正常ではない場合は、婦人科で受診してください。診断が必要な胸の痛みとその病名をお伝えします。

[ 1 ] 乳腺症

乳腺とは、乳頭(乳首)から放射線状に広がる乳を出す腺のこと。
乳腺症は、胸が張る病気のひとつです。代表的な症状は、以下のようなものが挙げられます。

  • ・胸が張り、硬くなる
  • ・触るとゴツゴツした感触がある
  • ・鋭い痛みがある
  • ・乳頭から透明な分泌液が出る

こうした症状の原因はホルモンの過剰分泌だと考えられています。月経周期が不規則な人、また、出産未経験の女性がなりやすい傾向があります。医師に診断してもらいましょう。経過観察、あるいはホルモン剤による治療が行われます。

[ 2 ] 乳腺線維腺腫

自分の胸をセルフチェックする女性

胸にできる良性の腫瘍です。

  • ・胸に丸く硬いしこりがある
  • ・指で押すとしこりがコロコロと動く

胸にしこりができるので乳がんと間違えやすいのですが、乳腺線維腺腫の場合は、しこりを押すとコロコロと動きます。しこりが小さければ治療せずに経過観察し、しこりが大きくなれば手術で切除します。

[ 3 ] 乳腺炎

感染を伴うことがある乳房の炎症です。主に授乳中の女性がなる病気で、原因は母乳が内部に溜まって起こるうっ滞や、乳頭からの細菌感染で起こります。

  • ・授乳時に胸が痛む
  • ・乳房が熱をもっている
  • ・乳頭から膿が出る

マッサージや吸引、抗生物質を使って治療します。

[ 4 ] 高プロラクチン血症

出産していないのに、母乳を出すホルモンのプロラクチンが分泌され、母乳が出る病気です。
生理不順、不妊症の人、特定の薬(神経症状に効果のある薬の一部、胃腸薬の一部、降圧剤の一部)を常用している人などにみられます。

[ 5 ] 乳がん

胸の張りや痛みのほかに、次のような症状がある場合は、すぐに医師の診断を受けましょう。乳腺外科、乳腺科が専門です。

  • ・硬いしこりがある
  • ・左右の胸の大きさが違ってきた
  • ・胸にへこみや引きつれがある
  • ・乳頭から血の混じった分泌液が出る
  • ・乳頭に湿疹、ただれ、かゆみがある
  • ・乳首が陥没してきた
  • ・脇の下に腫れやしこりがある

生活習慣を見直し対処しよう

ホルモンバランスが急激に変わるために起こる、生理前の胸の張りや痛み。一番の対処法は生活習慣を見直し、規則正しい生活を送ることです。今日からできる、対処法を紹介します。

栄養バランスのとれた食事を

青果でスムージーを作る女性

女性ホルモンが正常に分泌されるためには、心も体も健康であることが基本です。必要な栄養を満遍なく食べることが何より大事。なるべく数多くの食材を食べるようにしましょう。

女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを多く含む大豆製品、骨量を補うカルシウム豊富な小魚や乳製品、そして食物繊維をしっかりとるようにしてくださいね!

バランスよくとりたい8つの食品群は、良質なタンパク質、大豆食品、青魚、野菜、海藻類、きのこ類、いも類、ゴマ・ナッツ類です。

また、無理なダイエットと暴飲暴食は控えるようにしましょう。

リラックスタイムを充分に!

ホルモンバランスの乱れは、ストレスによっても起こります。忙しい1日の終わりにリラックスタイムを作るように心がけましょう。

ゆったり湯船に使って疲れを癒し、ラベンダーなどの鎮静効果があるアロマを炊きながら、気持ちを穏やかにしてくれるカモミールティーを片手に、好きな音楽を室内に流して楽しむ。就寝前はパソコンやスマホなどから離れ、マッサージやストレッチ、時には瞑想してみる。
こうした、ストレスフリーの状態を作ることで、良質な睡眠がとれるようになります。

睡眠不足は、ホルモンバランスを乱す大きな要因です。毎日、深い睡眠をとり、寝ている間にストレスをリセットしてしまいましょう。

週に数回、適度な運動を!

ヨガをする女性

強度なエクササイズではなく、生活にヨガやウォーキングなどの適度な有酸素運動をとりいれることをおすすめします。心身を緊張から解き放つことで、ストレスが解消され、ホルモンバランスが整えられ、強く健やかな体へ変化していきます。

生理前の胸の痛みは生活習慣を見直すことで和らぎますから、ぜひ実行してみてくださいね!

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私がお答えしました

産婦人科医 清水なほみ
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~院長。女性特有の病気を中心に日頃の不調を改善するためのアドバイスをいたします。
Facebook:https://www.facebook.com/vivalita.salon

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