Q

生理前、生理中になると鬱(うつ)に似た症状と対処法とは?

生理前や生理中になると、気分が落ち込み、鬱(うつ)っぽい症状になります。このような気分が鬱(うつ)のよう気持ちになるのは、どのような原因が考えられるのでしょうか?また、対処法も教えてください。

専門家からの回答
月経(生理)が原因かどうかを認識して、適切な対処を行いましょう。
3行でまとめると?
  • 月経前(生理前)の気分の波はホルモンの影響
  • 月経前(生理前)だけに症状が出る場合は「月経前症候群」の可能性が
  • 「月経前症候群」の改善には栄養改善が非常に重要です

女性ホルモンが生理前の気分に与える影響とは

卵巣から出る女性ホルモンには「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2種類があります。これらのホルモンは、体の中にある様々な臓器に作用するのですが、実は「脳」にも影響を与えることが分かっています。

卵胞ホルモンは気分の落ち込みを防いだり、満足感や幸福感を感じやすくさせる作用があります。逆に黄体ホルモンは、精神的に不安定になったり、気分が落ち込みやすくなる作用があります。

このため、卵胞ホルモンがたくさん出ている月経の終わりかけから排卵期にかけては、精神的にも安定して気分よく過ごせることが多く、逆に黄体ホルモンが増える月経前(生理前)や卵胞ホルモンが少なくなる月経(生理)前半は、気分が落ち込みやすかったりイライラが出やすくなります。

ホルモンの「波」があるのは正常なことですので、月経周期(生理周期)に伴って毎月気分にもアップダウンがあるのはある程度は仕方のないことなのです。問題となるのは、それらの症状がひどすぎて、日常生活や仕事に支障が出るレベルになった時です。

「月経前症候群」と「気分障害」の違いとは

月経前(生理前)の時期だけ抑うつやイライラなどの症状が出る場合は、月経前症候群の可能性が考えられます。特徴は、月経の1~2週間前から症状が出始めて、月経(生理)がくると霧が晴れるように急にすっきりと症状が消えていくという点です。

元々うつ病や不安障害などの精神的な異常があって、その症状が月経周期(生理周期)に伴ってよくなったり悪くなったりすることがあります。この場合も、月経前(生理前)に特に症状がひどくなることがあるので、自覚症状としては「生理までだけイライラしたり落ち込む」と感じられる場合があります。

月経前の情緒不安定を改善するためには?

月経前症候群なのかどうかをはっきりさせたい場合は、基礎体温と一緒にいつどのような症状が出ているかを記録してみることです。自分がどちらなのか分からないという場合はまず記録をつけてみるといいでしょう。

「月経前症候群」の治療は生活改善が基本

月経前症候群の症状を悪化させる要因として、ストレス・栄養の偏り・考え方の偏り、が挙げられます。そのため治療の中心はこれらをカウンセリングやセルフケアで改善させていくことです。自分がいま抱えているストレスをどのように軽減できるのか、また、自分の中で何か偏った捉え方をしていないか、カウンセリングで相談してみるとよいでしょう。

栄養面は、カルシウムや亜鉛やマグネシウムなどのミネラル・ビタミンE・γリノレン酸などの脂肪酸をしっかり摂り、逆に糖質(砂糖類や炭水化物)は控えた方がベターです。必要な栄養素を効率的にとるには、サプリメントを上手に利用するのもよいでしょう。

特にイライラがひどいという場合は、血糖値のコントロールが非常に重要ですので、お腹が空いた時に砂糖が含まれたものやパンなどを食べず、間食はナッツや野菜類にしましょう。

また、食事をとる時も、主食から手を付けず、野菜類→魚や肉→最後に主食といった順にとるようにしましょう。サンドイッチやパスタやおにぎりなど、炭水化物だけで終わってしまう食事は控える必要があります。

私がお答えしました

産婦人科医 清水なほみ
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~院長。女性特有の病気を中心に日頃の不調を改善するためのアドバイスをいたします。
編集部からのコメント

生理前に訪れる情緒不安定やうつ状態の対処方法とは?

生理前になるとなぜか情緒不安定になるのは私だけ?

毎月、ある時期になると突然やって来る情緒不安定やうつのような気分。人によって程度は様々で、ほとんど感じないという人から、うつ状態で何もできなくなるという重度の人までいると言われています。

男性だけでなく、同じ女性の中でも全ての人にある症状ではないため、周りに理解されづらく悩んでいる女性が多いかもしれません。

「情緒不安定になって、ネガティブなことばかり考えたり、自分を責めて1人で泣いたりする」
「いきなり落ち込んでしまって、1日中ベッドから動けないことがある」
「うつ状態がひどい時は、この世から消えたくなる」

…そんな重度の情緒不安定やうつ状態に苦しんでいる女性も、少なからずいるようです。

生理前は女性ホルモンの変化で情緒不安定やうつが起こる

清水先生の解説によると、生理前に増える女性ホルモンの一種、黄体ホルモンのせいで生理前特有の情緒不安定やうつのような症状が現れやすくなるとのことでした。このような情緒不安定やうつ状態は、生理前に起こる心身の変化であるPMSのひとつと考えられています。

毎月情緒不安定やうつ状態に陥ることがあるという人は、生理前のホルモンバランスの変化を疑ってみましょう。

情緒不安定の原因が生理前のせいだと認識しよう

定期的に起こる情緒不安定やうつの苦しみを和らげるためには、清水先生の解説にもあったように、その症状が生理前のせいであるということをまずははっきりさせる必要があります。

自分の生理周期をアプリなどで管理しているという人も多いと思いますが、生理周期が一定でない人の場合は、いつPMSの症状が起こるか分かりにくいかもしれません。

そのような人も基礎体温をつけることで、いつ排卵が起こって、いつ生理になりそうかを把握することができます。

基礎体温をつけて生理時期を把握しよう

情緒不安定やうつとうまく付き合うために、基礎体温を記録して生理になる時期を把握しましょう。

基礎体温は、通常の風邪の際とは少し測り方が異なっています。
・専用の婦人体温計を使う
・朝目覚めてすぐ、動く前に測る
・口の中で測る
これが、基礎体温の測り方の基本です。

詳しい測り方や、測った基礎体温の見方は、以下の記事で説明しています。

●生理の周期が安定しないなら要確認?基礎体温はこうやって測ろう!
http://cp.orbis.co.jp/seiri/qa/detail/0072.html
●基礎体温はどうやって見る?生理の周期と基礎体温の関係
http://cp.orbis.co.jp/seiri/qa/detail/0073.html

生理前の自分の状態を把握することで情緒不安定と付き合う

生理周期を把握したら、どの時期にどのような症状が現れるのかを記録しましょう。最近は、アプリ内にメモを残したりできるので活用するといいですね。

そうすることで、毎月「そろそろかな…」と心の準備をすることができます。情緒不安定やうつの原因が生理前のせいだと思って割り切り、自分のせいではないと自己暗示をすることで、いくらか楽になることができますよ。

情緒不安定やうつがひどい場合はカウンセリングを

生理前に起こる情緒不安定やうつ状態が重症の場合は、無理をしたり我慢をすることは禁物です。このような悩みを抱えている人は他にもたくさんいて、産婦人科ではカウンセリングも行っています。

カウンセリングを受けてみると、生理前の気分の落ち込みや情緒不安定、うつ状態改善への糸口が見つかるかもしれません。信頼できそうな医院を探して、勇気を出して相談してみてはいかがでしょうか。

●生理痛や精神不安など、生理に関する症状は何科の病院にいけばいいの?
http://cp.orbis.co.jp/seiri/articles/detail/0020.html

生理前の情緒不安定やうつ改善に必要な栄養素

清水先生の解説によると、生理前の情緒不安定やうつ気分の改善には栄養素が重要とのことでした。
必要な栄養素と、具体的な食品について見ていきましょう。

カルシウム

・牛乳やチーズなどの乳製品
・ちりめんじゃこや桜えびなどの骨や殻ごと食べる魚介類
・凍り豆腐や納豆などの大豆製品
・小松菜や大根の葉などの葉物類
・ひじきやわかめなどの海藻類
カルシウムの成人女性の摂取推奨量は650mg/日です。

マグネシウム

・ほうれん草や小松菜などの葉物類
・煮干しやしらす干しなどの干し魚介類
・あおさやわかめなどの海藻類
・凍り豆腐や納豆などの大豆製品
・アーモンドやカシューナッツなどのナッツ類
マグネシウムの成人女性の摂取推奨量は270-290mg/日です。

亜鉛

・牡蠣
・豚レバー
・牛肉

ビタミンE

・いくらやたらこなどの魚卵
・サフラワー油やなたね油などの油
・アーモンドや落花生などのナッツ類
・かぼちゃ
・アボカド
・パプリカ
・卵
ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂ると吸収がよくなります

脂肪酸

・いわしやさばなどの青魚に含まれるEPA、DHA
・えごま油や亜麻仁油に含まれるαリノレン酸
γリノレン酸は、自然界の食べ物で含まれているものは少ないので、サプリなどから摂るといいそうです。

生理前のイライラや情緒不安定を和らげる糖質制限

血糖値の急激な上昇も、生理前のイライラや情緒不安定を悪化させる可能性があるとのことでした。

血糖値を急激に上げる食品はGI値が高いと表され、イライラや情緒不安定を助長してしまう可能性があります。糖質を多く含む炭水化物が主にこれに当たります。生理前で情緒不安定になりそうな期間は、炭水化物などの糖質を避けたほうが安心です。

血糖値の急激な上昇を抑えるためには低GI食品を意識して摂る必要があります。低GI食品は、食べた後の血糖値の上昇が比較的緩やかな食品のことを指します。

生理前のイライラや情緒不安定を防ぐ、低GI食品

主にたんぱく質や脂質が低GI食品に当たります。ただ、生理期間中に主食を我慢し続けるのはつらいですよね…。そんな時は、比較的GI値が低いものを選ぶようにしましょう。

・白米よりも玄米
・食パンやフランスパンよりも全粒粉パンやライ麦パン
・うどんよりもそば
・コーンフレークよりもオートミール

主食を食べたい時は上記のような選び方をして、野菜やたんぱく質から食べるようにすると血糖値の急上昇を抑えることができると言われています。

ピルでホルモンバランスを整えて生理前の情緒不安定やうつを軽減

どんな対策をしても、生理前になると情緒不安定やうつで何も手につかなくなる、という人もいるでしょう。生理前の心の変化は女性ホルモンのバランスの変化によるものなので、このホルモンバランスの変化の波を小さくすることも症状の軽減につながるそうです。

そのために使われるのが、低用量ピル。経口避妊薬として知られている低用量ピルですが、生理前や生理中のPMSの軽減にも効果が期待できます。副作用が心配という人もいるかと思いますが、副作用が出る確率は限りなく少ないそうなので、一度相談してみるといいかもしれません。

低用量ピルを服用するためには、必ず医師の処方箋が必要です。生理前の情緒不安定や鬱(うつ)の状態のせいで生活に支障がある場合は、産婦人科にかかりましょう。

低用量ピルについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。

生理前の情緒不安定やうつ、1人で抱え込まずに相談しよう

毎月の生理前に襲ってくる、情緒不安定やうつ。男女含めて、周りの人にはなかなか理解されない症状でもあるので、とても孤独でつらい悩みです。

改善できるように生活習慣に気をつけることも大切ですが、1人で抱え込んでしまわずに、産婦人科で相談することで解決策が見つかるかもしれません。我慢は禁物ですよ。

この記事をシェアする

生理期間中の情緒不安定にお悩みの
あなたにおすすめの商品

カルシウム&マグネシウム

カルシウム&マグネシウム

カルシウムとマグネシウムを2:1でバランスよく高配合。手軽に毎日ミネラル補給!

関連する記事