生理前・生理中にニキビができる原因と対処法とは?

3行でまとめると?
  • 生理前の肌トラブルに関係しているのは「プロゲステロン」
  • 日々のスキンケアと紫外線対策で乾燥を防ぐ
  • 生活パターンを見直してホルモンバランスを良好に

生理前にあらわれる、さまざまな症状とは?

症状に種類や程度の差こそあれ、生理前に何らかの不調を感じている女性は、実に8割にものぼるといわれています。あなたは生理前にこれらのような症状を感じたことはありませんか?

●身体面
便秘、むくみ、乳房の張り、下腹部の重だるさ、腰痛など

●精神面
イライラ、落ち込み、憂鬱感、集中力の低下など

こうした、生理が始まる3~10日前にあらわれる身体的・精神的症状は「月経前症候群(Premenstrual Syndrome:PMS)」と呼ばれ、一般的には生理が始まるとともになくなったり、軽くなったりします。

このPMSのほか、生理前・生理中は肌トラブルが最も多い時期でもあり、美容面において不調を感じる人も多いのではないでしょうか?肌が敏感でいつものスキンケアが合わなくなってしまったり、肌荒れが起きたり、シミが濃くなったり。そして、今回のお悩みのようにニキビができてしまうことも…。生理前・生理中はただでさえ不快な症状に悩まされがちなうえに、ニキビができるとさらに気分が落ち込んでしまいますよね。今回は、生理前・生理中にニキビができる原因と対処方法についてお話しします。

生理前や生理中にニキビができるのはなぜ?

生理前・生理中にはなぜニキビができてしまうのでしょうか?その理由は、私たち女性の一生を通じて美と健康に関わっている「女性ホルモン」にあります。

女性ホルモンとは、「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つのホルモンのこと。
エストロゲンは、肌や髪の新陳代謝を促してハリやツヤを保ったり、豊かなバストやウエストのくびれをつくったりと美容に嬉しい効果をもたらしてくれる、「美のホルモン」ともいわれています。一方、プロゲステロンは、妊娠に備えて体温を上げたり、赤ちゃんのベッドとなる子宮内膜をふかふかにしたりする作用があり、「母のホルモン」ともいわれています。ただし、作用が強くなると便秘やニキビの原因になるなど、美容には嬉しくない働きも。

女性ホルモンは生理周期に関係する

この2つのホルモンは、生理周期に合わせて変動しながら分泌されているのですが、生理周期を「生理中」「生理後」「排卵後」「生理前」の4つの期間に分けて、それぞれの期間のホルモンバランスについて見てみましょう。

●生理中(生理開始1~7日目)
エストロゲン、プロゲステロンともに分泌量が少ない時期です。体温が下がり、血行も悪くなりがち。肌のバリア機能が低下するため、肌は乾燥しやすくなります。

●生理後(生理開始8~14日目)
エストロゲンの分泌量が高まる時期です。肌の状態がしだいによくなり、気分も前向きに。代謝が上がるのでダイエットを始めるのにもよい時期です。

●排卵後(生理開始15~21日目)
排卵が終わると、プロゲステロンが分泌され始めます。便秘やむくみ、ニキビが出始めることも。

●生理前(生理開始22~28日目)
プロゲステロンの分泌がピークになる時期。便秘やむくみ、ニキビがひどくなったり、イライラや落ち込みなど精神的に不安定になることも。

1か月の間で、これほどまでに変化する女性ホルモンの波。肌の状態も、このホルモンバランスの影響を受けて変化しますが、特に生理前の肌トラブルと大きく関わっているのが、生理前に分泌量が多くなるプロゲステロンです。プロゲステロンには皮脂の分泌を促す作用があり、皮脂が多く分泌されるということは、毛穴が詰まってニキビができやすく、肌荒れしやすくなるということ。

肌のバリア機能を保つために必要な皮脂も、量が過剰になるとニキビの原因になったり、肌荒れを起こしたりしてしまうのです。

プロゲステロンが肌の防御成分を減らす

また、近年の研究によると、プロゲステロンは肌の「抗菌力」も低下させるために、生理前にニキビが悪化するということも分かっています。肌には「抗菌ペプチド」といわれる天然の防御成分があり、この成分がニキビの原因菌であるアクネ菌から肌を守っているのですが、生理前はプロゲステロンが多量に分泌され、この抗菌ペプチドの一つである「hBD-3」の産生が低下。その結果、アクネ菌が増殖してニキビが悪化してしまうのです。

美のホルモン・エストロゲンに比べて、美容面ではあまり嬉しくない働きもするプロゲステロン。この2つの女性ホルモンの働きから考えると、プロゲステロンは「美容の大敵」のように感じられたり、美のホルモン・エストロゲンだけがたくさん出ればいいとも思うかもしれません。しかし、エストロゲンの過剰分泌は乳がんや子宮体がんなどのリスクを高めるなど、負の作用も起こします。このような「エストロゲンの暴走」を止めてくれるのが、プロゲステロンでもあるのです。

つまり、どちらか一方ばかりが多く分泌されればよいのではなく、2つのホルモンの分泌量が月経周期の中で正しいリズムを刻んで変動しながら、適度な関係を保っているのが「健康な状態」。ただ、生理前は2つのホルモンが急変動する時期なので、それにともなってニキビも同じようなタイミングででき、生理中にも引きずってしまうのですね。

ちなみに、生理前のニキビはプロゲステロンだけでなく、「男性ホルモン」の作用も関係しています。生理前は、身体的にも精神的にも不安定になりやすい時期ですが、こうしてストレスがかかると男性ホルモンの働きが活発に。男性ホルモンには、皮脂の分泌を促したり、肌表面の角質を厚くする作用があるので、さらに毛穴が詰まってニキビができやすくなる…という負のスパイラルに陥ってしまうことがあるのです。

生理前・生理中のニキビができる場所とタイミング

さて、バランスが肝心のホルモン。顔にはこのホルモンの影響を受けやすい部分があり、生理前・生理中にできるニキビの場所には特徴があります。Tゾーンなど皮脂の分泌が活発な部分にできる思春期ニキビに対して、生理前のニキビは、あごや口周り、フェイスラインなどのUゾーンにできやすいものです。

また、生理によるホルモンバランスの分泌に影響を受けるため、当然ながら毎月同じタイミングにできるのも特徴。自分の生理周期と、ニキビができるタイミングをカレンダーで見比べてみましょう。

生理前・生理中のニキビの対処方法とは?

ホルモンバランスの変動にともなって、肌の状態もゆらぎやすくなる生理前・生理中。この時期、ニキビができてしまった肌にはどんなお手入れが必要なのか、ケア方法と対策アイテムをご紹介します。

しっかりと保湿をする

ニキビができていると保湿は不要と思う方もいるかと思いますが、ニキビができていても保湿は重要です。保湿が足りないと、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)が乱れて毛穴が詰まったり、潤いを補おうと皮脂の分泌が過剰になったりと、ニキビの原因になってしまいます。毎日の洗顔で肌を清潔に保ち、洗顔後は化粧水でしっかり水分を補給。角質層を潤いで満たして、バリア機能をキープしましょう。肌が敏感な時期なので、洗顔やスキンケアは普段よりさらにやさしく丁寧に行ってください。

オイルフリーでクレンジング

クレンジングできちんとメイクを落とすことは大切ですが、オイルクレンジングには注意が必要です。オイルクレンジングはメイク落ちのよさが特徴ですが、それが肌への刺激になったり、肌に必要な皮脂まで落としてバリア機能を低下させてしまうこともあります。生理前・生理中の時期、オイルクレンジングで肌荒れしてしまうという場合は、かわりにオイルフリーのものを用いるとよいでしょう。

ノンコメドジェニック化粧品を使用

化粧品も、生理周期の中で変化する肌に合わせて使い分けるのが美肌を維持するコツ。ニキビが気になる生理前の肌には、ニキビができにくい成分を使用している「ノンコメドジェニック化粧品」を使うのもおすすめです。ノンコメドジェニック化粧品の展開は幅広く、化粧水や乳液などのスキンケアアイテムのほか、日焼け止め、化粧下地、ファンデーションといったベースメイクもカバー。できてしまったニキビ肌にも、比較的安心して使用できます。

紫根成分配合化粧品を使用

生理前のニキビは、「hBD-3」という抗菌ペプチドの産生低下が原因の1つ。ですが、紫根(シコン)に含まれる「シコニン」という成分に、プロゲステロンによるhBD-3の産生低下を防ぐほか、通常以上のhBD-3産生を促す効果もあることが分かっています。また、hBD-3にはアクネ菌に対する抗菌作用に加え、肌のバリア機能を促進する作用もあるので、シコニンでhBD-3の産生を促せば、生理前のニキビの予防や改善だけでなく、あらゆる肌悩みの解決につながることも期待できるのだそう。このような成分が配合されたスキンケアアイテムを試してみるのもよいでしょう。

生理前、生理中のニキビを予防する方法とは?

さて、ここまで生理前・生理中にできるニキビの対処方法についてご紹介しました。しかし、ホルモンバランスの影響を受けやすい時期も、なるべくきれいな肌で乗り切りたいもの。憂鬱なニキビを予防するために、意識したいポイントをご紹介しましょう。

日常的に紫外線対策を

生理前・生理中のニキビの原因にもつながるのが、肌の乾燥。毎日のスキンケアでしっかり保湿をするとともに、紫外線にも注意が必要です。紫外線は肌を乾燥させるだけでなく、活性酸素を発生させてニキビを悪化させる原因になってしまいます。このほか、紫外線はシミやしわをはじめとした老化のもとにもなり、肌にとってはまさに「百害あって一利なし」。

洗濯物を干したり、ごみを出しに行ったり、近所まで買い物に行ったりなど、日常生活で浴びる紫外線の積み重ねはあなどれません。また、紫外線は曇りや雨の日、冬でも降り注いでいるので油断は大敵。毎日のスキンケアでは、日焼け止めを必ず塗るようにしましょう。額や鼻、頬など顔の中で突出した部分は特に紫外線の影響を受けやすいので、重ね塗りをするのがポイントです。

ライフスタイルを見直す

生理前、生理中のニキビを予防するには、ホルモンバランスを整えることも大切です。睡眠や食事、ストレスなど、ホルモンバランスを乱す要因がないか、ライフスタイルを見直してみましょう。

食生活
仕事が忙しいと、ついランチをコンビニやファストフードで済ませたり、夜も外食が多くなったりしがち。ですが、乱れた食生活が続くと必要な栄養素が不足し、女性ホルモンがうまくつくれなくなってしまいます。

まず大切なことは、体をつくり、女性ホルモンや肌の原料にもなるたんぱく質をしっかり摂取すること。肉、魚、卵、豆類などから、毎食摂るようにしましょう。ただし、肉や乳製品などに含まれている動物性脂肪は、皮脂腺を刺激するといわれており、皮脂を過剰に分泌してニキビの原因になってしまうことがあるので要注意。一食で摂るたんぱく質の目安は、片手のひら1枚分です。また、美肌に欠かせないビタミンCも、野菜やイモ類、果物などからしっかり摂りましょう。

反対に、タイミングによっては控えたいのがコーヒーや紅茶・緑茶などに含まれるカフェイン。午前中の摂取は心身を目覚めさせてくれますが、夕方以降に摂ると、夜の眠りを浅くし、ホルモンバランスを乱したり肌の生まれ変わりに悪影響を及ぼしてしまうことがあります。17時は、ノンカフェインのものを飲むようにしましょう。

ストレスコントロール
ホルモンバランスの安定にストレスは大敵。日々のストレスは、ためこまないうちにうまく発散することが大切です。人間関係や仕事の悩みなど、ストレスとなるものから離れて、何もしない時間をつくるようにしてみましょう。そして、ゆっくり大きく深呼吸します。吐く息を吸う息の2倍の時間をかけるようにすれば、リラックス効果もアップ。

睡眠
質のよい睡眠をとることは、自律神経を整え、ホルモンバランスの安定につながります。そのために大切なのは、生活リズムを整えること。朝起きて太陽の光を浴び、朝食を摂ると、体内時計がリセットされて心も体も活動モードになります。

逆に、夜はなるべく明るい光を浴びないようにしましょう。夜に明るい光を浴びると、脳は昼と勘違いして覚醒してしまうのです。PCやスマホのブルーライトも、睡眠に悪影響を及ぼしてしまうので要注意。せめて、就寝1時間前からは使用を控えましょう。また、寝る1~2時間前に少しぬるめのお風呂にゆったり浸かるのもおすすめ。お風呂から上がった後、また体温が下がることによって眠気がやってきてスムーズな眠りにつくことができます。

普段からなるべく心身のケアをしてあげることが、生理前・生理中の大きな不調を抑えるコツ。お手入れ・ライフスタイルの両面から、ニキビのないすこやかな肌を目指しましょう。

私がお答えしました

婦人科医 松村圭子
成城松村クリニック院長。女性の生涯に寄り添い、女性に起こりやすい不調の悩みにわかりやすくお答えいたします。

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