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いつの間にかできてしまった背中ニキビの治し方とは?

気が付いたら、背中にニキビができていました。赤みや痛みがあり気になってしまいます。背中のニキビの治し方について教えてください。

専門家からの回答
背中ニキビができた時は清潔を保つ・刺激を与えない・質の良い睡眠を取る・保湿の4つを心がけましょう。
3行でまとめると?
  • 背中にはニキビができやすい理由がある
  • 背中ニキビは、肌の蒸れ、摩擦による刺激、シャンプーのすすぎ残しで悪化する
  • 背中ニキビを治すには良質な睡眠や適切なケアが大切

目次

どうして背中にニキビができる?背中の特徴5つとは?

普段、自分の背中を目にすることはないけど、肌の露出が増えるシーズンやドレスアップする機会に、背中のニキビに気付いて慌てた経験はありませんか?

英語では背中の「back(バック)」とニキビの「acne(アクネ)」をかけて「bacne(バクネ)」とも呼ばれており、背中ニキビで悩む方が多いということがわかります。

では、背中のニキビはどうしてできるのでしょう?背中の特徴とあわせ、背中にニキビができやすい原因についてお話ししましょう。

(1)皮膚が厚く毛穴詰まりを起こしやすい

ニキビができるメカニズムはどの部位でも同じ。毛穴に皮脂が詰まることがニキビの始まりです。毛穴に皮脂が詰まると、まずはニキビの初期段階である白ニキビ、黒ニキビができます。

背中は他の部位と比べて肌の生まれ変わりであるターンオーバーが遅く、皮膚が厚いという特徴があります。皮膚が厚いと、毛穴の入り口が塞がって詰まりやすくなってしまうのです。

(2)痛みを感じにくく発見が遅れる

その後、背中にできた白ニキビや黒ニキビにアクネ菌が増殖すると、赤ニキビという炎症を起こしたニキビへと悪化していきます。

赤ニキビが1つできているとしたら、その周りにはニキビ予備軍がたくさん潜んでいる可能性が!赤ニキビをそのまま放置しておくと、その周りのニキビ予備軍も次第に赤ニキビへと悪化していくことになっていくのです。

赤ニキビは炎症を起こしている状態のため、場合によっては熱を持った感じや痛みを伴うことがあります。しかし、他の部位と比較すると背中は痛みなどの刺激を感知するポイントが少なく、ニキビがかなりひどくなってから気が付くケースが多くなってしまうのです 。

背中ニキビの発見が遅れると、ニキビ跡に…
一度毛穴が詰まって皮脂や汚れが排出されにくくなると、その分ニキビが大きくなっていき、炎症を起こしてしまう可能性が高くなります。ニキビの炎症は、大きくなればなるほど治りにくく、その後いわゆるニキビ跡として残りやすくなってしまいます。
背中は、実は顔以上に早めのニキビ対策が必要なパーツなのです。

(3)蒸れやすくアクネ菌が増殖しやすい

背中と顔で大きく異なる点は、背中のニキビには常に服が覆いかぶさっているということです。服を着ているので、湿度が高く蒸れやすい環境にあるということになりますね。

ニキビを引き起こすこととなるアクネ菌は、湿度の高い環境で増殖しやすいため、蒸れた背中は増殖する格好の場となります。

また、肌はアルカリ性に傾くとアクネ菌が増殖しやすくなるという特徴を持ちます。汗はもともと肌と同じ弱酸性ですが、そのまま放置していると徐々にアルカリ性へと傾くため、運動で汗をかきやすい方や夏場の暑い時期は、背中のニキビはとても悪化しやすい状態にあるのです。

さらに、シャンプーや石けんの洗い残しがアクネ菌増殖の原因になることも。石けんには油分が多く含まれており、洗い流せずに背中に残ってしまった油分は時間の経過とともに酸化していきます。酸化した油分はアクネ菌のエサとなるため、アクネ菌が増殖しやすくなり、背中ニキビを増やす要因となってしまうのです。

(4)刺激を受けやすい

また、服が背中に当たるということは、皮膚への刺激となります。女性の方が身に付けるブラジャーも身体にフィットするので、肌に大きな刺激を与えることとなります。背中ニキビができている人は肌に優しいブラジャーを選ぶなどの注意が必要です。

(5)マラセチア菌が繁殖しやすい

その他、背中ニキビで注意したいのがマラセチア菌。「アクネ菌は聞いたことあるけど、マラセチア菌って…?」という方も多いのではないでしょうか?

マラセチア菌は、ニキビに似た「マラセチア毛包炎」というカビによる吹き出物です。
首の下部〜胸部肩〜背部にできやすく、ニキビよりも痒みや痛みを伴うことが少ないため、なかなか気が付かないことが多いです。

マラセチア菌もアクネ菌も、皮脂が多く湿度の高い環境で増殖しやすいため、マラセチア毛包炎がある場合は通常のニキビもできやすくなっています。

通常、ニキビの場合はアクネ菌という「細菌」に効果がある抗生剤を配合した外用薬が処方されます。しかし、マラセチアはカビの一種であるため、抗生剤が効きません。代わりに抗真菌薬が必要となります。

つまり、もしニキビ用の抗生剤配合の外用薬を塗ってもなかなか治らない場合は、ニキビのように見える吹き出物はマラセチア毛包炎かもしれないということですね。ニキビが悪化する前に早めに皮膚科を受診するようにしましょう!

ニキビができる4つの原因とは?

ここまで、背中のニキビを悪化させやすくする背中の特徴についてお話してきました。では、そもそもニキビはどうしてできるのでしょうか?ニキビの根本的な原因を4つに分けてお話ししましょう!

(1)ホルモンバランスの乱れ

ニキビができる根本的な原因は、ホルモンバランスの乱れが大きく影響しています。

ニキビに影響を与えるホルモンは大きく2つ。男性ホルモンであるテストステロンと女性ホルモンであるプロゲステロンです。ちなみに、男性ホルモンは女性でも分泌されるんですよ。

では、ホルモンバランスの乱れはどんな時に起こるのでしょうか?
生理前にニキビが増えるという方も多いと思いますが、これもホルモンバランスの乱れが原因になります。

というのも、プロゲステロンは、男性ホルモンである「テストステロン」と 構造が似ているため、皮脂の分泌を増やす作用があるのです。排卵の時期をすぎると、「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌量が増えます。そのため 、排卵の時期をすぎた生理前にはニキビができやすくなるのです。

また、ホルモンバランスの乱れは睡眠が不足していたり、食生活が乱れた時にも起こりやすくなります。それぞれについて見ていきましょう。

(2)睡眠不足

ニキビができる最も大きな原因となる「睡眠」。睡眠不足は、ニキビに限らずすべての肌トラブルの原因と言っても過言ではありません。

肌は睡眠中に整えられる
睡眠中は、肌の調子を整える「成長ホルモン」が分泌され、肌のターンオーバーを促します。

ニキビは、詰まった毛穴が原因のため、それを解除するには正常なターンオーバーが必要ですが、睡眠不足が続くと 正常にターンオーバーが機能できず、いつまでも毛穴が詰まった状態でニキビが治りにくくなってしまうことも。

睡眠のメカニズム
睡眠の質を整えるには睡眠の「ゴールデンタイム」を活用します。睡眠のゴールデンタイムは、入眠後3時間と言われています。

睡眠にはサイクルがあり、まず浅い眠り(レム睡眠)から始まります。その後、徐々に深い睡眠(ノンレム睡眠)に入り、また浅い睡眠(レム睡眠)に戻ります。

この「浅い眠り(レム睡眠)+深い睡眠(ノンレム睡眠)」のサイクルは約1時間半。美肌ホルモンである成長ホルモンは、深い眠り(ノンレム睡眠)の時に多く分泌されることがわかっています。

睡眠のサイクルを考えると、最低でも6時間、理想では7時間以上の睡眠を取ることが望ましいというわけです。

ただ、特に眠りが深くなるのは第2サイクル目まで。そのため、トータルの睡眠時間よりも「入眠後3時間でいかに深い眠りに就けるか」が重要になります。

(3)食事

続いて、食生活についてお話ししましょう。

血糖値が上がるとニキビが増える
食事とニキビの関連性については、まだわかっていないことが多くあります。
しかし、「血糖値を急激に上昇させるような食事」は、ニキビを増殖させる可能性があるということはわかっています。

GI値の低い食事を摂る
血糖値を急激に上昇させるような食事には、GI値が参考になります。GIとは、glycemic indexの略です。これは食後の血糖値の上昇率を表した数値です。
つまり、炭水化物が分解され、糖に変わるまでのスピードを現した数値ということです。

低GI食品とは、このスコアが55以下の食品のことを言います。同じお米でも、精白米が84であるのに対して、玄米は54で低GI食材となります。

他にも、うどんよりもそば、コーンフレークよりもオートミールの方が、GI値が低い食材です。また、スイーツなどの甘いものは、もちろんGI値が高いので、摂り過ぎには注意が必要ですね。

最近ではコンビニなどでも、低糖質をうたったお菓子を見かけるようになりました。小腹が空いた時には、低糖質のお菓子、ナッツやヨーグルトなどがおすすめですよ。

(4)肌の乾燥

もう1つ注意したいのは肌の「乾燥」です。皮脂の分泌量、水分を保つバリア機能は30代から徐々に低下していきます。そのため、スムーズに行われていた皮脂の排出は徐々にできにくくなっていきます。

ニキビで悩んでいる方の多くは、皮脂が少なくなってきているのにもかかわらず、自分は皮脂分泌が多いオイリー肌だと勘違いをし、皮脂を取り除くケアをしていることが多いです。

しかし、通常の状態よりも肌が乾燥すると、皮脂がかえって多く分泌されてしまいます。ニキビが悪化する原因になるので、ニキビには適度な洗浄保湿が大切です。

背中ニキビを根本的に治す4つの方法とは?

ニキビができる原因についても理解したところで、背中のニキビを治すポイントをお話ししましょう!

(1)清潔を保つ

まず重要なのは、背中の清潔を保つこと。汗をかいた時にはすぐに拭いたり洗い流したりします。

ポイントは、刺激を与えないこと。拭き取る時は柔らかいタオルで優しく拭き取ります。

入浴中の洗浄の時、ナイロンなどポリアミド系合成繊維のタオルでゴシゴシと体を洗ってはいませんか?ゴシゴシ洗うと気持ちよく、汚れが落ちているような感覚になることから、つい力を入れて洗ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、ナイロンなどは肌に刺激が強いため、ニキビにはマイナスとなってしまします。
背中を洗う時は、実は手で洗っても大丈夫。肌が荒れている時は優しく洗うことを心がけてくださいね。

また、体を洗う順番は頭を洗った後にしましょう。先に頭を洗うことでシャンプーなどの洗い残しを防ぐことができますよ。

(2)保湿

入浴後は背中に保湿をしましょう。クリームや軟膏タイプだけでなく、ローションタイプもおすすめですよ。

(3)刺激を抑える

背中のニキビへの刺激を抑えることも大切です。背中のニキビが気になって引っ掻いてしまう方が多くいらっしゃいますが、なるべく手で触れないようにしましょう。

汗をかきやすい人は、通気性や給水性、速乾性の高い素材(綿、麻、レーヨン)の服を選ぶとニキビに対して刺激が少ない服を着ることができます。

最近では、様々な香りの柔軟剤が販売されていますが、柔軟剤による接触性皮膚炎(かぶれ)が多く報告されています。ニキビで肌が敏感になっている時には、柔軟剤は控えた方がいいかもしれません。

(4)良質な睡眠を取る

背中ニキビに限らず、美肌を保つためには良質な睡眠を取りましょう。
一般的に質の高い睡眠を得るためには、毎日同じ時間帯にベッドに入り、睡眠のリズムをつくる必要があります。

また、寝る前のスマートフォンは、なるべく控えることが大切。スマートフォンによるブルーライトを浴びると、目が冴えて眠れなくなってしまうからです。どうしても使用する時は、せめて画面の明るさを調節するようにしましょう。

睡眠には自律神経が大きく影響し、 寝る時は通常、副交感神経が優位となります。副交感神経はリラックスした時に高まるので、ストレスがたまっているとなかなか寝付けず良質な睡眠が取れません。

心地よい音楽を聞く、ストレッチをするなど、自分にあうリラックス方法をみつけてみてください。

今すぐ背中ニキビを消したい時はどうしたらいいの?

背中にニキビがあるのに、結婚式や海水浴など、どうしても背中を露出する服を着なくてはならないこともありますよね。そんな緊急時にはボディメイクはいかがでしょうか?

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様々なメーカーから、ニキビを目立たなくするためのカバーファンデーションが販売されています。カバー ファンデーションは、光の「補色」の原理を応用して、光の反射でニキビをカバーします。いざという時の、心強い味方になりますよ!

体にできるニキビの中で、最も重症化しやすい背中ニキビ。きちんとニキビケアをして、背中の開いた服を堂々と着られるような、美しい肌を取り戻しましょう!

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私がお答えしました

皮膚科医 小林智子
「ドクターレシピ」にて医師が監修するレシピを紹介。自身の経験を活かして、スキンケアをお手伝いいたします。

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