Q

ニキビ基本マニュアル:ニキビの原因から改善方法まで

20代半ばになってからニキビに悩まされるようになりました。思春期のころには、あまりニキビはできなかったのですが…。大人になってからできるニキビにはどのような原因が考えられるのでしょうか?ニキビの改善方法や予防方法についても教えてください。

専門家からの回答
大人のニキビには様々な要因が絡んでいます。まずは生活習慣を見直しましょう。
3行でまとめると?
  • 肌質や年齢に関係なくできる大人のニキビ
  • 大人のニキビには様々な要因が絡んでいるため治りにくい
  • ニキビの改善には生活習慣の見直しを

思春期ニキビと大人ニキビの違いとは?

ニキビというと思春期のイメージが強いですよね。

ニキビの相談に来られる大人の方の中には、「この年でニキビができてしまって…もうニキビなんていえる年齢じゃないですよね。吹き出物っていうのかしら…」と大人のニキビを恥ずかしそうにされる方が多いです。

「ニキビは思春期のもの」という思いからくる言葉でしょうが、実はニキビは思春期だけのものでありません。

では、思春期のニキビと大人のニキビはどのように違うのでしょうか?

オイリー肌質に多い思春期ニキビ
思春期のニキビは遺伝的にオイリーな肌質の方(親も思春期の時にニキビができていたという方)に多いです。第二次性徴にホルモンバランスが大きく変動することで皮脂の分泌が盛んになり、ニキビができやすくなります。

思春期ニキビの場合は第二次性徴が終わると自然にできにくくなります。

誰にでもできる大人ニキビ
一方、大人のニキビはオイリーな肌質、乾燥肌などにかかわらず、あらゆる肌質の方にできます。

思春期のニキビが皮脂の多いTゾーンにできやすいのに対し、大人のニキビは顎や口まわりなど、顔の下のフェイスラインにできやすい傾向にあります。

できやすい時期としては、ホルモンバランスが乱れやすい生理前、そのほか精神的・体力的なストレスがたまりやすい環境の変化(就職、転職、留学、引越しなど)がある時期や季節の変わり目などになります。

大人のニキビの原因とは?

ニキビができる原因は肌の汚れと考えている方が多いですが、大人のニキビは不潔にしていることが原因ではありません。

大人のニキビは食生活や睡眠などの生活習慣、環境や季節の変化などによるストレスなど、様々なことが積み重なってニキビの原因を作り出しています。

食生活
甘いもの(糖質)、脂っぽいもの(動物性脂肪)、アルコール、カフェインの過剰摂取や暴飲暴食は、皮脂を過剰に出す原因となったり、腸内環境の悪化に影響してアクネ菌が増殖しやすくなったりします。

睡眠不足
肌は睡眠時に分泌される成長ホルモンで再生されます。睡眠が不足すると、皮膚のターンオーバー(生まれ変わり)が遅れ、皮膚の角質が厚くなり、毛穴が詰まりやすくなります。

また、睡眠不足により交感神経が優位に働くと男性ホルモンの分泌が促されます。
男性ホルモンが皮脂の分泌を増加させ、ニキビのできやすい肌にしてしまいます。

さらに、睡眠時は免疫機能が最も働く時間で、ウイルスや細菌から体を守る時間です。睡眠不足で免疫機能が低下すると、肌はアクネ菌がより繁殖しやすい状態となります。

ストレス
ストレスはホルモンバランスの乱れを誘発するうえ、ストレスはサブスタントPという物質を体内から放出して脂腺の働きを活発にすることがわかっています。

肌の乾燥
肌は乾燥すると水分の代わりに過剰に皮脂を分泌して肌のバリア機能を保とうとします。 皮脂の過剰からニキビができやすくなるとともに、肌の乾燥がバリア機能を低下させ、アクネ菌を繁殖させます。

生理周期
女性の場合は生理前のホルモンバランスもニキビのできやすさに大きく影響します。

女性ホルモンには黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)という2種類のホルモンがあり、生理前2週間は黄体ホルモンが多く分泌されます。

この黄体ホルモンは皮脂の分泌を盛んにするため、毛穴が詰まりやすくなりニキビを悪化させます。

大人のニキビには複数の原因、時期が絡んでいるため、思春期のニキビのように時間が経てば治るわけではなく、ひどくなると自力のケアだけでは治せないことも多いです。

「そのうち治るはず」とニキビを放置せず、早めに手を打つのがおすすめです。

ニキビが治りにくく、繰り返す理由とは?

大人のニキビは治りにくく、何度も繰り返すことが特徴です。これには以下のような理由があります。

原因の特定が難しい
大人のニキビは、原因が複雑で1つにしぼりこめないことが多いです。 例えば睡眠を改善したとしても、他の原因も関与してニキビができている可能性があるため、それだけでは完全にニキビを改善するには十分でないということです。

生活改善が難しい
また、ニキビは日々の生活の影響が積もり積もって体に現れたものです。 仕事や生活環境などは簡単に変えられるものではないため、生活習慣の改善もすぐには難しいですよね。長い間積み上げてきた体へのダメージは、一朝一夕には解消しにくいものです。

ニキビができる仕組みとは?

そもそも、ニキビはどんな風にできるのかご存知でしょうか?
ニキビを解消するために、ニキビができる仕組みについても押さえておきましょう。

ニキビとは?
ニキビは、毛穴周囲の角質が厚くなって毛穴の出口が塞がれ、過剰な皮脂が毛穴の中にたまってできます。

ニキビの種類 ニキビには、実は4つの段階があります。
大人ニキビ、思春期ニキビとも同じで、それぞれ白ニキビ・赤ニキビ・黄色ニキビ・紫ニキビと呼びます。

[白ニキビ]
毛穴の出口が塞がって中に皮脂詰まりができた状態。
面皰(めんぽう)やコメドともいい、自然に解消されることも多いです。痕にならずにきれいに治すこともできます。

[赤ニキビ]
白ニキビに炎症が起こった状態。
皮膚にはアクネ菌といわれる常在菌(普段は炎症を起こしたりしない誰でも持っている菌)が住んでいます。白ニキビの皮脂をアクネ菌が栄養として繁殖すると炎症が起こります。

肌のバリア機能が低下しているとアクネ菌は繁殖しやすく、
白ニキビ→赤ニキビ→黄色ニキビ→紫ニキビ
と進行していきます。

[黄色ニキビ]
赤ニキビがさらに悪化し、膿を持った状態。
黄色ニキビは膿疱性ざ瘡(のうほうせいざそう)ともいい、皮膚科で清潔に潰して膿を出して外用薬を塗布することで、早く治る場合もあります。

[紫ニキビ]
黄色ニキビの膿が皮膚表面に出ずに熱を持ち、硬くしこりのようになって、触れると痛みを伴う状態。 嚢腫様ざ瘡(のうしゅようざそう)ともいい、毛穴のまわりまで炎症が広がった状態のニキビとなります。
紫ニキビになると治るまでに時間がかかることが多いです。

ニキビができている時の注意点とは?

ここまではニキビができる仕組みや種類についてお話してきました。
ここからは、実際にニキビができてしまった時に注意したいことや予防・改善法についてお話していきましょう。

ニキビができてしまった時は以下のことに気を付けましょう。

ニキビに極力触れない
ニキビができると、ついついニキビを触ってしまったり、潰したくなってしまったりしまいますが、ニキビは触ったり、自分で潰したりしないようにしましょう。

ニキビは正しいスキンケアを行えば改善されることも多いです。触って刺激を与えたり、無理に潰そうとしたりすると腫れはひどくなり、跡になることもあります。

どうしても潰して早く治したい場合は皮膚科で相談しましょう。

洗顔やクレンジングは忘れずに
ニキビができると皮脂が気になりますが、1日に何度も洗顔をする必要はありません。ニキビができている時は1日に2度洗顔/クレンジングをしましょう。

ニキビは毛穴の出口の角質が厚くなって毛穴が詰まり、そこに皮脂がたまってアクネ菌が繁殖してできています。毛穴の出口が塞がっているので、洗顔しても詰まった皮脂を取り除くことはできません。ただし、これ以上悪化させないために清潔にしておく必要があります。

ニキビに触れるものは常に清潔に保つ
また、お化粧の時に使うスポンジやパフ、ブラシは清潔なものを使ってください。肌に直接触るものなので、汚れていると雑菌が繁殖してニキビを悪化させることがあります。

ニキビの改善方法と予防方法とは?

ニキビを改善するには、まずは規則正しい生活を心がけ、生活リズムを整えましょう。 以下のような生活をできるといいですね。

睡眠
睡眠は、長時間眠ればいいというわけではなく、質が大事です。適切な睡眠環境を整えましょう。

質の高い睡眠のためには、入浴は寝る1時間前に済ませましょう。入浴によって体温が上がった状態では寝つきにくくなってしまいます。入浴後にゆっくりと体温が下がることで、自然な眠気がやってきます。

テレビや携帯といった電子機器から発せられる光は、目を覚まして寝つきにくくする作用があるため、電子機器の使用は寝る30分前までに終えましょう。

睡眠時間はできるだけ毎日決まった時間に、日付の変わる前から7時間以上の睡眠をとるとよいでしょう。7時間前後の睡眠が一番生活習慣病のリスクを少なくするとされています。

運動
また、適度な運動が睡眠の質をあげてくれます。急にハードな運動を取り入れる必要はありません。お風呂上りにストレッチをして身体をリラックスさせることで、自律神経の乱れを整えることにつながります。ストレス対策としても運動はおすすめです。

食生活
食生活も見直してみましょう。できれば毎日3食を同じくらいの時間にとれると、生活のリズムが整います。

メニューは脂肪分の少ない和食がおすすめです。
以下のような栄養素を積極的に取り入れましょう。

[皮脂の分泌をコントロールするビタミンB群]
ビタミンB2:卵、乳製品、うなぎ、レバー、納豆など
ビタミンB6:マグロ、カツオ、鶏ささみ、さつまいも、バナナなど

[皮膚の代謝促進と毛穴詰まり予防のビタミンA]
うなぎ、緑黄色野菜、海藻、乳製品など

[抗酸化作用と色素沈着改善の作用のあるビタミンC]
緑黄色野菜、果実、イモ類など

[抗酸化作用のあるビタミンE]
緑黄色野菜、カツオ、ウナギなど

[便秘解消効果のある食物繊維]
おから、納豆、モロヘイヤ、サツマイモ、キウイなど

スキンケア
スキンケアでは保湿が肝心です。肌は乾燥すると角質が厚く硬くなり、毛穴が塞がりやすくなったり、これ以上乾燥させまいと皮脂を過剰に分泌したりしてニキビを作りやすくします。

ニキビがある方の中には「乳液や美容液は油分が多そうで、塗ると毛穴が塞がってニキビが悪化しそう」と思われる方もいます。しかし、大人の肌は化粧水だけでは十分な保湿はできないので、化粧水以外にも美容液などで保湿をすることが非常に重要です。

ニキビができたら生活を見直すのが大切です。一度に多くのことをするのは大変ですから、できることから少しずつ改善しましょう。

この記事をシェアする

私がお答えしました

皮膚科医 梅田さやか
肌クリニック 表参道皮膚科院長。過去に自身が肌に悩んだ経験を活かし、女性が美しくあるお手伝いをいたします。

関連する記事

  • 15.04.09

    漫画で知る!大人ニキビの新事実

    15.04.09

  • 15.04.09

    大人ニキビを潰してしまった時にはどうしたらいいの?

    15.04.09