15.07.01 更新:17.12.21

Q

ニキビで皮膚科を受診できる?選び方や治療内容とは?

ニキビが治らないので、皮膚科を受診するかどうか迷っています。皮膚科でのニキビ治療は、どのようなことをするのでしょうか?また、皮膚科の選び方についても教えてください。

専門家からの回答
問診後、自分に合った治療や薬が処方されます。ニキビ治療が得意な皮膚科を選びましょう。
3行でまとめると?
  • 皮膚科では自分に合った塗り薬と飲み薬が処方
  • 症状によってはクリニックでの治療を行うことも
  • HPでニキビ治療が得意かチェック

目次

ニキビで皮膚科を受診できるの?

大人になってからも、多くの女性を悩ませている“ニキビ”。ニキビができても「そのうち治るでしょ」と放っておく人も多いのではないでしょうか?

しかし、ニキビを放っておくとニキビが悪化するだけでなく、ニキビ跡が残ってしまう可能性があります。そうならないためには、皮膚科で治療を受けると安心です。

「ニキビで皮膚科を受診してもいいの?」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。皮膚科では、炎症を起こした大きなニキビだけでなく、ポツポツとできた小さいニキビも治療を受けることができます。

また、皮膚科の中には一般皮膚科と美容皮膚科があり、病院によって受けられる治療が異なります。ニキビ治療に力を入れている病院もあるので、皮膚科での治療を考えている方はこれからお話しすることを参考にしてみてくださいね。

※「ニキビ跡」は医学的には「ニキビ痕」と表現しますが、
ここでは以下、一般的になじみの深い「ニキビ跡」という表記に統一いたします。

ニキビの原因と自分でできるケアとは?

皮膚科治療についてお話しする前に、そもそもどうしてニキビができるのか、自分でケアをするにはどうしたら良いのかお話しましょう。

ニキビの原因はさまざま

ニキビは、過剰に分泌された皮脂が毛穴につまり、アクネ菌が繁殖して炎症を起こすことで発症します。これは、ニキビの部位や症状に関係なく、全てのニキビに共通するメカニズムです。

思春期にできるニキビは「成長ホルモン」が関係していることがほとんどですが、大人になってからできる「大人ニキビ」の原因は人によってさまざま。色々な原因が重なってニキビが発症します。

(1)ホルモンバランスの乱れ
大人ニキビの最も大きな原因としてあげられるのが、ホルモンバランスの乱れ。
ホルモンバランスを乱す原因はたくさんありますが、一番密接な関係にあるのがストレスです。

人間はストレスを感じると「副腎皮質ホルモン」が活発に働くようになります。副腎皮質ホルモンはニキビを悪化させる皮脂の過剰分泌、角質を硬くするという作用を持っています。つまり、ストレスがかかるほどニキビができやすい肌環境がつくられてしまうというわけです。

女性の場合、「生理」もホルモンバランスの乱れに繋がります。女性ホルモンには「黄体ホルモン」と「卵胞ホルモン」の2種類があり、この分泌量は生理周期に合わせて変動しています。
生理前にニキビができやすいと言われているのは、その時期に多く分泌される黄体ホルモンによってもニキビがつくられやすい肌環境になるからです。

(2)肌の乾燥
実は、乾燥肌も大人ニキビの原因となります。 「なぜ乾燥肌なのに、ニキビができるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。ニキビは“毛穴に皮脂が詰まって炎症を起こす”ことで起こるもの。

乾燥肌の人も皮脂の分泌は行われています。乾燥肌の人は肌の水分量が少なく柔軟性が低下しているため、毛穴の入口が詰まりやすいという特徴があります。少しの皮脂でも毛穴が詰まりやすく、ニキビができやすくなってしまうのです。

ちなみに…乾燥肌は紫外線を浴びることでも悪化します。紫外線が肌のバリア機能を壊し、水分を蒸発させやすくしてしまうからです。その他、乾燥肌向きでないニキビケア製品を使用することも症状を悪化させる原因のひとつとなることがあるので注意が必要です。

ニキビの悪化を防ぐには?自分でできるニキビのケア方法

(1)ストレスを溜めない
大人ニキビを防ぎたいのなら、まずはストレスをできるだけ解消すること。 ストレスはニキビの原因である皮脂の過剰分泌や角質の硬化を招きます。

仕事のストレスはもちろん、人間関係や環境の変化など、身の周りにはストレスがたくさんありますよね。簡単にストレスから離れられない場合は、リフレッシュ方法を見つけて、小まめにストレスを解消するように心がけてください。

(2)質の良い睡眠を取る
睡眠不足もストレスのひとつで、皮脂の過剰分泌を招く原因となります。睡眠にも注意しましょう。

しかし、仕事などの関係でどうしても十分な睡眠が取れないという方もいらっしゃるかと思います。そんな方は、睡眠の質を高めるように意識してくださいね。

・体に負担のかからない寝具を選ぶ
・眠る2時間前からスマホやテレビを見ないようにする
・アロマを焚く
・リラックスできる音楽を聴く

以上に挙げたような簡単に取り入れることから試してくださいね。

(3)正しいスキンケア
[メイク] メイク用品を見直すことも大切ですよ。ファンデーションや下地などには、油分を多く含んでいるものがあるので、自分の肌に合っているかチェックしましょう。

ニキビができてしまった時は、ニキビの部分だけメイクをしないのがおすすめ。メイクをしないわけにはいかないという場合は、パウダーファンデーションを軽く塗るようにすると良いでしょう。

[洗顔]
また、1日の終わりにはメイクをしっかり落として洗顔をすることも忘れないようにしましょう。毛穴に詰まった汚れは酸化するとアクネ菌などのエサとなり、ニキビの発症を促してしまう可能性があります。

ただし、洗いすぎや、ゴシゴシこするのはNG。朝晩2回、たっぷりの泡で包み込むようにして洗顔してくださいね。

さらに、洗顔料のすすぎ残しも炎症の元になります。洗顔後は十分にすすいで炎症の元を残さないようにしましょう。

[スキンケア製品]
また、大人ニキビに悩む乾燥肌の人は、ニキビがあるからと言って皮脂をなくす“さっぱり系”を選ぶのではなく、“保湿力”の高いスキンケア製品を選ぶようにしましょう。しかし、油分の多いクリームやオイル配合のスキンケアはおすすめできませんので、注意して選んでみてください。

さらに、乾燥を促進させる紫外線の対策も大切です。日焼け止めを塗る、日傘を差すなど、UVケアも忘れずに行ってください。

初めての皮膚科治療!受診のタイミングや病院の選び方とは?

先ほどにご紹介したように、自分で行う毎日のニキビケアも大切ですが、よりキレイに治したいという方は、並行して皮膚科の受診も検討してみてはいかがでしょうか?

いずれのニキビも初期段階で治療を受けることで完治しやすくなるため、ニキビが悪化する前に受診することがおすすめです。

ここでは皮膚科選びのポイントや実際の治療についてご紹介します。

皮膚科でニキビ治療を受けるメリットって?

「ニキビで病院に行くのは大げさでは?」と思っている方も多いかと思いますので、皮膚科でニキビ治療を受けることのメリットについてお話ししたいと思います。

(1)ニキビ跡を残さずキレイに治る
「ニキビ」の正式名称は「尋常性ざ瘡(しんじょうせいざそう)」。身近な肌トラブルなので実感がない人も多いかもしれませんが、ニキビは皮膚の病気です。

誤ったケアをしてしまうと、治りが遅くなるだけでなく、ニキビ跡が残ってしまう可能性があります。皮膚科での治療であれば、専門家の知識と技術で的確な治療を受けることができます。

(2)再発を防ぎ、早期改善ができる
大人ニキビはストレスや生活習慣、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな要因が絡み合うことで発症します。つまり、根本を治さないと、“治っては再発”を繰り返すことになってしまうのです。

皮膚科では、ニキビの症状を見るのはもちろん、問診もしっかり行います。患者さん一人ひとりの状態により、その人に合った治療方法と薬を提案するので、早期改善が期待できます。

もちろん、炎症を起こしているような重度のニキビだけでなく、ポツポツとした軽度のニキビも治療対象です。初期段階のニキビの方がよりキレイに完治することができるので、できるだけ早い段階で治療を受けると良いでしょう。

皮膚科医選びのポイント

皮膚科で治療するメリットについてご紹介しましたが、ニキビの治療に行こうと思っても、どの病院に行けばいいか悩んでしまうのではないでしょうか?
そこで、皮膚科を選ぶ時のポイントをいくつかご紹介しましょう。

一般皮膚科と美容皮膚科の違い
まず、「一般皮膚科」と「美容皮膚科」の2種類があることを知っておきましょう。 2つの大きな違いは、一般皮膚科は“保険診療”、美容皮膚科は“自由診療”がメインということです。あくまでメインというだけで、美容皮膚科でも、症状によっては保険治療を受けられる場合もあります。

また、美容皮膚科は病気に対する治療ではなく、美容のための治療を行います。つまり、ニキビを治療すればOKというわけではなく、ニキビ跡を残さず治していくようにと、美肌を手に入れるためのサポートをしているということです。

ニキビ治療に特化した美容皮膚科では、自費診療にはなりますが、最先端の治療が受けられるなど、治療の幅が広がるというメリットがあります。ニキビの原因の根本を見極めたり、自宅でのセルフケア方法を指導してくれたりと、カウンセリングが丁寧なのも美容皮膚科ならでは。ニキビの症状が重度である方や、根本からしっかり治したいという方におすすめです。

(1)ニキビ治療が得意な皮膚科を選ぼう
皮膚科医の中にも、特にニキビ治療を得意としている病院が存在します。ひと口に皮膚科と言っても火傷の治療が得意、アトピーの治療が得意など、医師によってそれぞれ得意としている分野があるのです。

ニキビに特化しているかどうかは、その病院のHPで確認することができますよ。「ニキビ治療」という項目のページがあったり、ニキビ治療が得意な旨が記載されていたりするはずです。もちろん、どの皮膚科でもニキビの診察はしてもらえますが、ニキビに特化した皮膚科では、より的確で詳しいアドバイスがもらえます。 出かける前にHPをチェックしてみてはいかがでしょうか?

(2)通院のしやすさも考慮して
また、治療は定期的に通院する必要があるので、通いやすさも重要です。

遠い皮膚科を選んでしまうと、治ってきたタイミングで通うのをやめてしまうことも。 見た目では治っているように見えても、まだ完治していない場合もありますから、家の近くや会社の帰り道など、できるだけ通いやすい場所の皮膚科を選ぶと良いでしょう。

皮膚科での治療の流れとは?

皮膚科の選び方がわかったら、今度は皮膚科でのニキビ治療の基本的な流れを見てみましょう。

予約
予約をしなくても診察をしてくれる医院もありますが、予約を受け付けている場合には予約をしておくと良いでしょう。待ち時間が少なくなるはずです。

問診
ニキビ治療は問診からスタートします。問診票に回答し、それを元に医師のカウンセリングを行うスタイルが一般的です。

ニキビの薬を使用している場合は、薬の名前をメモしておくと良いでしょう。洗顔料やスキンケア製品も伝えられるようにしておくと、より的確な診断をしてもうことができますよ。

治療
薬で治療を行う場合が多いのですが、クリニックによってその他色々な違いがあります。
例えば、以下に挙げたような治療があります。

・毛穴に詰まった皮脂や角質を専用の器具を使って取り除く処置、面皰(めんぽう)圧出
・毛穴の詰まりを取り、ターンオーバーを促すためのケミカルピーリング(保険適用外)
・ビタミン点滴(保険適用外)

薬の処方
最後に、塗り薬や飲み薬など、自宅で使用する治療薬をもらいます。決められた使用方法、回数を最後までしっかり守り、途中で使用をやめることがないようにしてください。

皮膚科での治療時間と費用は?
治療の費用について、保険治療の場合は診察料と薬代、処置代を合わせても1回数千円がほとんどです(症状や治療内容によっては、それを超える場合もあります)。

ただ、自由診療は、病院によって大きく価格が変わります。事前にHPで確認しておくと安心です。

保険適用内で処方してもらえる薬にはどんなものがある?

処方してもらえる薬は、塗り薬と飲み薬の2種類があります。保険適用内で処方してもらえる、主な塗り薬をご紹介しましょう。

ニキビの塗り薬には、“毛穴に効果があるもの”と“炎症したものに効果があるもの”の2種類があります。

毛穴を詰まらせないようにする薬
(1)ディフェリンゲル
2008年10月に認可された日本初の外用レチノイド(ビタミンA誘導体)でアダパレンを主成分とするニキビ治療薬です。

アダパレンは、ピーリング効果、皮膚のターンオーバーの促進、線維芽細胞の活性化、皮脂分泌の抑制、毛穴の詰まりなどに作用する「トレチノイン」と似た構造を持つ成分です。

(2)ベピオゲル
2015年4月に認可された過酸化ベンゾイルを主成分とするニキビ治療薬です。

過酸化ベンゾイルには、ニキビの原因であるアクネ菌の増殖を抑えて、ニキビの炎症を抑える効果と、古くなった角質を剥がすピーリング作用があります。毛穴のつまりと炎症の両方に効果が期待されます。

(3)デュアック配合ゲル
殺菌作用とピーリング作用のある過酸化ベンゾイル(ベピオゲル)と抗菌作用のあるクリンダマイシン(ダラシンTゲル)の2つが配合されている薬です。毛穴のつまりと炎症の両方に効果があります。

(4)エピデュオゲル
ピーリング作用のあるアダパレン0.1%(ディフェリンゲル)とピーリング作用と殺菌作用のある過酸化ベンゾイル2.5%(ベピオゲル)の2つが配合されている薬です。

(3)、(4)に関しては2つの成分が合わさっているので、両方の作用を得られ、重ねて塗る手間が省力でき、コストダウンもできるというメリットがあります。その反面、エピデュオゲルに関しては、単独で使用する時よりも副作用が強いといったデメリットもある薬です。

炎症を抑える効果がある薬
(1)ダラシンTゲル、アクアチムクリーム・軟膏・ローション いずれも、ニキビの原因となるアクネ菌の殺菌作用がある抗生物質が配合された処方外用薬です。古くからあるニキビの外用剤です。即効性があり、副作用の症状が出ることが少ないことから皮膚科でよく処方されるニキビ治療薬です。

(2)ゼビアックスローション 「オゼノキサシン」という抗生物質を2%含有する、今年発売になったばかりの新薬です。これまで保険治療で処方されていた上記2剤より高い効果が期待できます。

ゼビアックスローションはニューキノロンというグループに分類され、他の抗生物質の外用剤とは異なり、耐性菌(薬の効かない菌)がないことが最大の特徴です。

ニキビをつくらないためには

ニキビをキレイに治したいのなら、皮膚科を受診することをおすすめします。しかし、まずは、ニキビをつくらないことが大切です。

そのために、スキンケアをきちんと行う、規則正しい生活をする、ストレスを溜めないなど、日ごろからニキビ予防を怠らないようにしましょう。

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私がお答えしました

皮膚科・美容皮膚科医 吉田貴子
皮膚科とエステを融合させた渋谷スキンクリニックの院長。臨床医として一般皮膚科と美容皮膚科、美容婦人科で治療にあたっています。

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